生活保護費や失業給付は差し押さえられるか|生活保護法58条・雇用保険法11条など公的給付の受給権保護を条文で確かめる

整理する前チェック|生活保護費や失業給付は差し押さえられるか

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生活保護費や失業給付、児童手当は差し押さえられるのか。この問いには、それぞれの給付を定める法律が条文を置いています。この記事は、e-Gov法令検索の条文で、書かれていることと書かれていないことを分けて確認した記録です。先に結論として、確認できたのは次の3点です。①生活保護法58条は、被保護者は既に給与を受けた保護金品及び進学・就職準備給付金又はこれらを受ける権利を「差し押さえられることがない」と定めていること、②雇用保険法11条・健康保険法61条・介護保険法25条・労働者災害補償保険法12条の5第2項・児童手当法15条・児童扶養手当法24条は、給付を受ける権利を差し押さえることができないと定めていること、③給付が口座に振り込まれた後の扱いについて、②の6つの条の文言には記載がないこと(生活保護法58条の「既に給与を受けた保護金品」が口座の残高に当たるかどうかは確認していません)。当サイトは、個別の事案で給付が差し押さえられるかどうかの判断をしません。

1. 生活保護法58条の原文

e-Gov法令検索の法令APIで、生活保護法(昭和25年法律第144号・lawId=325AC0000000144)の本文を取得しました(2026年11月3日)。第五十八条の見出しは「差押禁止」で、原文は次のとおりです。

被保護者は、既に給与を受けた保護金品及び進学・就職準備給付金又はこれらを受ける権利を差し押さえられることがない。

この条の主語は「被保護者」です。対象として書かれているのは、「既に給与を受けた保護金品及び進学・就職準備給付金又はこれらを受ける権利」です。この記事で引用する7つの差押えの条の中で、「既に給与を受けた」ものを挙げているのはこの条だけです。

前後の条文も原文で挙げます。第五十七条(公課禁止)は「被保護者は、保護金品及び進学・就職準備給付金を標準として租税その他の公課を課せられることがない。」、第五十九条(譲渡禁止)は「保護又は就労自立給付金若しくは進学・就職準備給付金の支給を受ける権利は、譲り渡すことができない。」です。

生活保護法(昭和25年法律第144号) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144(2026年11月3日確認・法令API `/api/1/lawdata/325AC0000000144` で取得)

2. 雇用保険法11条の原文

雇用保険法(昭和49年法律第116号・lawId=349AC0000000116)の第十一条の見出しは「受給権の保護」で、原文は次のとおりです(2026年11月3日確認)。

失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。

この記事の見出しでは「失業給付」と書きましたが、条文の語は「失業等給付」です。この記事では、11条の文言に書かれている「失業等給付を受ける権利」の範囲だけを扱います。

雇用保険法(昭和49年法律第116号) https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116(2026年11月3日確認・法令API `/api/1/lawdata/349AC0000000116` で取得)

3. 健康保険法61条と介護保険法25条の原文

健康保険法(大正11年法律第70号・lawId=211AC0000000070)の第六十一条の見出しは「受給権の保護」で、原文は次のとおりです(2026年11月3日確認)。

保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

介護保険法(平成9年法律第123号・lawId=409AC0000000123)の第二十五条も、見出しは「受給権の保護」で、原文は同じ文です(2026年11月3日確認)。

保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

国民健康保険など、この記事で挙げていない法律の条文は確認していないため、記載しません。

健康保険法(大正11年法律第70号) https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070/介護保険法(平成9年法律第123号) https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123(いずれも2026年11月3日確認・法令APIで取得)

4. 労働者災害補償保険法12条の5の原文

労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号・lawId=322AC0000000050)の第十二条の五の2項は、次のとおりです(原文・2026年11月3日確認)。

保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

同じ条の1項は「保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。」と定めています(原文)。

労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000050(2026年11月3日確認・法令API `/api/1/lawdata/322AC0000000050` で取得)

5. 児童手当法15条と児童扶養手当法24条の原文

児童手当法(昭和46年法律第73号・lawId=346AC0000000073)の第十五条の見出しは「受給権の保護」で、原文は次のとおりです(2026年11月3日確認)。

児童手当の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。

児童扶養手当法(昭和36年法律第238号・lawId=336AC0000000238)の第二十四条の見出しも「受給権の保護」で、原文は次のとおりです(2026年11月3日確認)。

手当の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。

児童手当法(昭和46年法律第73号) https://laws.e-gov.go.jp/law/346AC0000000073/児童扶養手当法(昭和36年法律第238号) https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000238(いずれも2026年11月3日確認・法令APIで取得)

6. 条文の語を並べる

各条の文言を項目に分けると、次のとおりです。以下はすべて条文の文言の整理で、当サイトの解釈ではありません。

法律と条条文が挙げているもの差押えについての語
生活保護法58条既に給与を受けた保護金品及び進学・就職準備給付金又はこれらを受ける権利差し押さえられることがない
雇用保険法11条失業等給付を受ける権利差し押えることができない
健康保険法61条保険給付を受ける権利差し押さえることができない
介護保険法25条保険給付を受ける権利差し押さえることができない
労働者災害補償保険法12条の5第2項保険給付を受ける権利差し押さえることができない
児童手当法15条児童手当の支給を受ける権利差し押えることができない
児童扶養手当法24条手当の支給を受ける権利差し押えることができない
各条の文言を項目に分けたもの。表現はいずれも条文の語です。

公的年金については、国民年金法24条と厚生年金保険法41条1項に、老齢基礎年金・付加年金・老齢厚生年金を国税滞納処分(その例による処分を含む)で差し押さえる場合を除く「ただし書き」があります。詳しくは年金は差し押さえられるかで確認しています。上の表の各条について、今回引用した文には「ただし」以下の書き分けはありません。ただし、同じ法律のほかの条文や別の法律に定めがないかは確認していないため、引用した文だけを根拠に「どの場面でも差し押さえられない」とは述べません。

7. 口座に振り込まれた後のことは、確認していない

第2章から第5章の各条が書いているのは、給付を受ける権利、支給を受ける権利です。これらの条の文言には、給付が預貯金口座に振り込まれた後の扱いについての記載はありません。生活保護法58条には「既に給与を受けた保護金品」という語がありますが、これが口座の残高に当たるかどうかは確認していないため、記載しません。当サイトは、この点について条文の構成から先の結論を述べません。

裁判所の民事事件Q&Aは「差押範囲変更(減縮)の申立て」の対象について、「差押えによって債務者の生活に著しい支障が生じる場合(例えば、生活保護費や年金の振込口座が差し押さえられ、生活が成り立たなくなる場合)など」と書いています(原文・2026年9月5日確認)。同じQ&Aには「また、差押範囲変更が認められても、債務者の債務が減るわけではありません。」とも書かれています(原文)。

預金の差押えの仕組みは預金が差し押さえられる仕組み、申立てをする裁判所や申立時期、裏付け資料の例は給料の差押えはいくらまでかにまとめています。

裁判所「民事事件Q&A(債権執行手続)」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(2026年9月5日確認)

8. この記事で扱わないこと

税金の滞納による差押えと、これらの給付の関係は確認していないため、本記事では扱いません。税金を払えないときの公的な制度は税金を滞納して払えないときの公的な猶予制度で確認しています。差し押さえてはならない家財などの動産は差押禁止動産とはで扱っています。

返済の相談先は借金の公的な相談窓口一覧にまとめています。

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よくある質問

生活保護費は差し押さえられますか?

生活保護法58条は「被保護者は、既に給与を受けた保護金品及び進学・就職準備給付金又はこれらを受ける権利を差し押さえられることがない。」と定めています。個別の事案の判断は、当サイトでは行いません。

失業給付は差し押さえられますか?

雇用保険法11条は「失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。」と定めています。条文の語は「失業等給付」です。

児童手当や児童扶養手当はどうですか?

児童手当法15条は「児童手当の支給を受ける権利」、児童扶養手当法24条は「手当の支給を受ける権利」について、それぞれ「譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない」と定めています。

口座に振り込まれた給付はどうなりますか?

雇用保険法11条・健康保険法61条・介護保険法25条・労働者災害補償保険法12条の5第2項・児童手当法15条・児童扶養手当法24条の文言には、振り込まれた後の扱いについての記載はありません。生活保護法58条の「既に給与を受けた保護金品」が口座の残高に当たるかどうかは確認していません。裁判所の民事事件Q&Aは、差押範囲変更(減縮)の申立ての対象の例として、生活保護費や年金の振込口座が差し押さえられ、生活が成り立たなくなる場合を挙げています。

税金の滞納でも同じですか?

税金の滞納による差押えとこれらの給付の関係は、今回確認していないため記載しません。公的年金のただし書きは年金は差し押さえられるかで確認しています。


生活保護法 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144/雇用保険法 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116/健康保険法 https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070/介護保険法 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123/労働者災害補償保険法 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000050/児童手当法 https://laws.e-gov.go.jp/law/346AC0000000073/児童扶養手当法 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000238(いずれも2026年11月3日確認)/裁判所「民事事件Q&A(債権執行手続)」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(2026年9月5日確認)

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最終更新:2026年11月3日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・裁判所)のみを根拠に作成しています。7つの法律は本則の該当条を2026年11月3日に取得し、裁判所のQ&Aは2026年9月5日の確認内容を用いています。公的年金のただし書きは別記事で2026年11月2日に確認した内容です。給付が口座に振り込まれた後の取扱い、税金の滞納による差押えとの関係、各給付の支給要件、この記事で挙げていない給付を定める法律の条文は確認していないため記載していません。

本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。