投稿者: seiri0916

  • イーライフ司法書士法人の実在確認記録|日司連の司法書士検索・国税庁法人番号公表サイト・公式サイトの名称表記を突き合わせる

    イーライフ司法書士法人の実在確認記録|日司連の司法書士検索・国税庁法人番号公表サイト・公式サイトの名称表記を突き合わせる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    債務整理の相談先を検討するとき、当サイトが最初に勧めているのは公式検索で実在と登録を確かめることです。この記事は、その手順をイーライフ司法書士法人(東京都荒川区)について実際に踏んだ確認記録です。この事務所は「イーライフ司法書士法人」と「平柳司法書士事務所」という2つの名称で紹介されることがあり、どちらが現在の正式名称なのかを確かめる必要がありました。評価・比較・おすすめは行いません。費用の妥当性や対応の質についても触れません。

    1. この確認で使った一次情報は3つ

    確認したいこと使った一次情報
    司法書士法人として登録されているか・所属会・事務所所在地・社員資格日本司法書士会連合会「司法書士法人検索」
    代表の司法書士が登録されているか・簡裁訴訟代理等関係業務の認定の有無日本司法書士会連合会「司法書士検索」(個人)
    法人として登記され法人番号が指定されているか・商号や所在地の変更履歴国税庁 法人番号公表サイト
    あわせて、事務所自身が公表している表記(公式サイト)を突き合わせました。いずれも2026年9月29日に実際に検索・取得して確認しています。

    2. 日司連「司法書士法人検索」での確認

    日本司法書士会連合会(日司連)の検索は、同連合会に現在登録されている司法書士及び司法書士法人を検索できる公式の検索です。同連合会の説明によれば、司法書士法人について掲載されるのは「司法書士法人の法人名、主たる事務所、従たる事務所、事務所所在地、電話番号、社員資格、社員氏名」で、「本ホームページは毎月2回最新の情報に更新します。」とされています(2026年9月29日確認)。

    そこで法人名「イーライフ」を条件に司法書士法人検索を実行しました(2026年9月29日実行。画面上のデータ更新日は2026年9月28日)。確認できたのは次の4点です。

    • この条件での検索結果は1件で、「イーライフ司法書士法人」という法人名で表示された
    • 司法書士会名は東京司法書士会
    • 表示された事務所は「主たる事務所」1か所のみで、従たる事務所の表示はなかった(総件数は1,916件と表示)
    • 詳細画面の社員資格は「社員・特定社員」、社員氏名は「平栁 敬一」と表示された

    日本司法書士会連合会「司法書士検索」 https://www.shiho-shoshi.or.jp/other/doui/(検索本体= https://www.shiho-shoshi.or.jp/search/ ・2026年9月29日確認)/同連合会は掲載情報について「複製、転載、公衆送信等一切の行為を行うことはできません。」と定めているため、当サイトは検索結果の画面・データを転載せず、「どの条件で検索して何が確認できたか」のみを記載しています。実際の表示はご自身で検索してご確認ください。

    3. 日司連「司法書士検索」(個人)での確認|表記は「平栁」

    次に、代表の司法書士を個人の検索で確かめました。ここで1つ注意すべき点がありました。公式サイトの表記は「平柳敬一」ですが、この氏名で日司連の司法書士検索を実行すると該当データがありません。「平柳」だけでも0件でした(総件数は23,595件と表示)。

    日司連は検索機能について「一部の氏名及び事務所所在地(地名)で複数の漢字表記が用いられる場合がありますが、氏名検索・市区町村名検索において登録情報に一致しない漢字表記を入力した場合、正常に検索できない場合がありますのであらかじめご了承ください。」と注記しています。そこで異体字の「平栁」で検索したところ、結果は2件で、うち1件が次の表示でした(2026年9月29日実行・データ更新日2026年9月28日)。

    • 氏名の表示は「平栁 敬一」(フリガナ:ヒラヤナギ ケイイチ)
    • 司法書士会名は東京司法書士会
    • 「簡裁訴訟代理認定」の欄に「○」が表示された
    • 事務所所在地・電話番号が、法人検索の表示および公式サイトの表記と一致した
    • 「法人名/事務所名」の欄に「イーライフ司法書士法人」と表示された

    公式サイトの「柳」と、日司連の登録情報の「栁」は別の字です。当サイトはどちらが正しいかを判定しません。検索するときは異体字も試す必要がある、という確認手順上の事実として記録します。

    「社員・特定社員」とは何か

    法人検索の詳細に表示された「特定社員」は、司法書士法の条文にある言葉です。司法書士法36条2項は、簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人におけるその業務について、「第三条第二項に規定する司法書士である社員(以下「特定社員」という。)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。」と定めています。40条はさらに「特定社員が常駐していない事務所においては、簡裁訴訟代理等関係業務を取り扱うことができない。」と定めています(2026年9月29日確認・本則から抽出)。

    その前提となる3条2項は、簡裁訴訟代理等関係業務(3条1項6号から8号)を行えるのを、①法務大臣が指定する研修の課程を修了した者、②その申請に基づき法務大臣が必要な能力を有すると認定した者、③司法書士会の会員、のいずれにも該当する司法書士に限るとしています。認定があっても扱える金額の上限は変わりません。その上限は司法書士に債務整理を依頼できる範囲で条文から確認しています。

    司法書士法(昭和25年法律第197号)3条2項・36条2項・40条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197(2026年9月29日確認・本則から抽出。附則・改正規定は使用していません)

    検索でヒットしたことは「処分がないこと」の証明ではない

    日司連は同じページで、「この情報提供には、懲戒の内、業務の停止の処分を受けている会員も掲載されていますが、業務停止期間中は司法書士業務を一切行うことができませんので、ご注意ください。」と明記しています(2026年9月29日確認)。検索に表示されること自体は、処分歴がないことを意味しません。当サイトは懲戒処分に関する一次情報には当たっておらず、この記事に処分に関する記述は一切ありません。

    また同ページには「本ホームページに掲載されている司法書士情報は、日本司法書士会連合会が特定の司法書士を推薦するものではありません。また、検索により表示された司法書士が、相談等に応じることを保証するものでもありません。」とあります。この記事も同じで、掲載=推薦ではありません。

    4. 国税庁 法人番号公表サイトでの確認

    司法書士法人は設立登記法人として法人番号が指定されます。国税庁の法人番号公表サイトで次の2通りの検索を行いました(いずれも2026年9月29日・部分一致・変更履歴を含める・検索対象除外法人を含める設定)。

    検索条件結果
    商号又は名称「イーライフ司法書士」1件:法人番号 4011505002435/商号又は名称「イーライフ司法書士法人」(フリガナ:イーライフ)/所在地「東京都荒川区西日暮里5丁目23番1号MT田中ビル3階」
    商号又は名称「平柳司法書士」該当データなし
    国税庁 法人番号公表サイトでの検索結果(2026年9月29日実行)。

    変更履歴情報も確認しました(同サイトの表示は「令和8年9月29日9時21分時点の情報です。」)。内容は次の2件です。

    • 履歴の2件目:新規/法人番号指定年月日=令和3年11月5日
    • 履歴の1件目:事由発生年月日=令和4年6月2日/変更の事由=本店又は主たる事務所の所在地の変更/旧情報=「東京都荒川区西日暮里5丁目21番6号山本ビル3階」

    公表されている変更履歴に、商号(名称)の変更はありません。つまり、この法人は法人番号の指定を受けた時点から「イーライフ司法書士法人」であり、変わったのは所在地だけ、というのが国税庁の公表情報から読み取れる内容です。

    国税庁 法人番号公表サイト https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/(2026年9月29日確認)

    5. 「平柳司法書士事務所」という名称はどこから来るのか

    では、なぜ「平柳司法書士事務所」という名称が使われるのか。答えは事務所自身が公式サイトに書いています。事務所案内ページの代表挨拶には、「イーライフ司法書士法人(旧:平柳司法書士事務所)」という表記があります(2026年9月29日取得)。

    これを、これまでに確認した一次情報と並べると次のようになります。

    情報源そこに現れる名称
    日司連 司法書士法人検索イーライフ司法書士法人(東京司法書士会)
    国税庁 法人番号公表サイトイーライフ司法書士法人(商号変更の履歴なし)
    日司連 司法書士検索(個人)法人名/事務所名の欄に「イーライフ司法書士法人」
    事務所の公式サイトイーライフ司法書士法人(旧:平柳司法書士事務所)
    いずれも2026年9月29日確認。

    公的な検索に現れる現在の名称は、いずれも「イーライフ司法書士法人」です。「平柳司法書士事務所」は、事務所自身が旧称として併記している名称であり、当サイトが確認した範囲では、その名称の司法書士法人は国税庁の法人番号公表サイトに存在しません。

    6. 公式サイトの表記(事務所自身の記載)

    ここから先は一次情報ではなく事務所自身が公表している表記の転記です(2026年9月29日取得)。

    項目公式サイトの表記
    事務所名イーライフ司法書士法人
    URLhttps://elife-shihou.com/
    設立2021年10月29日
    所在地〒116-0013 東京都荒川区西日暮里5-23-1 MT田中ビル3階
    連絡先[代表電話] 03-4241-3272(「※代表電話からは相談の受付けは行っておりません。」との注記あり)
    代表司法書士平柳敬一
    司法書士登録平成14年9月19日
    代表司法書士所属東京司法書士会 第3534号
    簡裁訴訟代理等認定番号第101239号(平成15年7月28日)
    取扱業務(サイト内の区分)債務整理/相続/詐欺被害返金/闇金業者対応/許認可書類作成/各種登記
    費用の記載あり(「費用一覧」のページに業務別の金額の表を掲載)
    出典:イーライフ司法書士法人「事務所案内 | 代表司法書士」ページ等の表記を転記(2026年9月29日確認)。

    当サイトは費用比較・優劣評価を行わないため、報酬額そのものは転記していません。金額の記載があるという事実と、その掲載ページの所在だけを記録します。費用一覧のページには「本ページに記載されている費用は司法書士費用のみとなっており、実費などは含まれておりませんのでご注意ください。」という注記があり、備考欄にも実費が別途生じる旨が書かれています。金額は改定されることがあるため、最新の記載は公式ページでご確認ください。

    なお、登録番号・認定番号については、日司連の司法書士検索は番号を表示しません(掲載項目にも含まれていません)。したがって、公式サイトが掲げる「第3534号」「第101239号」という番号そのものを日司連側で突き合わせることは当サイトではできていません=番号の照合は「照合不可」とします。

    イーライフ司法書士法人 公式サイト https://elife-shihou.com/(事務所案内 https://elife-shihou.com/aboutus//費用一覧 https://elife-shihou.com/hiyou/・いずれも2026年9月29日確認)

    7. この確認記録でわかること・わからないこと

    この記事で確認できたことこの記事では確認していないこと
    東京司法書士会所属の司法書士法人として日司連の法人検索に掲載されていること登録番号・認定番号の数値の照合(日司連の検索は番号を表示しない)
    社員資格が「社員・特定社員」、社員氏名が「平栁 敬一」と表示されること懲戒処分歴の有無(業務停止中の会員も検索に掲載される)
    その氏名が個人の検索にも表示され、簡裁訴訟代理認定の欄が「○」であること「平柳」と「平栁」のどちらが正しい表記か(当サイトは判定しない)
    法人番号(4011505002435)が指定されており、商号変更の履歴がないこと従たる事務所の有無以外の組織の実態、在籍する司法書士の人数
    公式サイトが「旧:平柳司法書士事務所」と自ら併記していること対応の質・費用の妥当性・他の事務所との比較(当サイトは扱いません)

    実在と登録の確認は、依頼先を決める作業ではなく、その前段でニセの相談先をふるい落とすための作業です。SNS上のやり取りだけで本人と判断しない、という日弁連の注意喚起や、「整理屋」に関する金融庁の注意喚起もあわせてご確認ください。

    実在と登録を確認したうえで、公式サイトの案内を見る

    この記事で日司連の司法書士法人検索と国税庁法人番号公表サイト、公式サイトの名称表記を照合した、イーライフ司法書士法人の公式サイトです。相談の可否・費用・取扱範囲は公式サイトの記載を直接確認し、個別の判断は司法書士・弁護士にご相談ください。

    公式サイトを見る(イーライフ司法書士法人)広告/当サイトは事務所の優劣評価を行いません

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    8. 同じ手順は自分でも踏める

    この記事で行ったことは特別な調査ではありません。事務所名か氏名がわかれば、同じ検索を自分で実行できます。手順は3つです。①日司連の司法書士検索で法人名または氏名を引く(該当がなければ異体字も試す)②国税庁の法人番号公表サイトで商号と変更履歴を確認する③公式サイトの表記を突き合わせる。当サイトの相談先の実在確認ナビは、弁護士・司法書士のどちらを確認するかに応じて公式検索への導線と確認の順番を表示する道具です。同じ手順で確認した他の記録はアース司法書士事務所の実在確認記録とイストワール法律事務所の実在確認記録にあります。返済の状況を自分で整理したい場合は返済計算の道具も用意しています。

    よくある質問

    「平柳司法書士事務所」と「イーライフ司法書士法人」は別の事務所ですか?

    公式サイトの事務所案内ページには「イーライフ司法書士法人(旧:平柳司法書士事務所)」という表記があります。日司連の司法書士法人検索・国税庁の法人番号公表サイトのいずれにも現れる現在の名称は「イーライフ司法書士法人」で、「平柳司法書士」を条件にした法人番号公表サイトの検索は該当データなしでした(2026年9月29日確認)。旧称と現在の名称の関係について、これ以上のことは当サイトが確認した一次情報の範囲では確認できていません。

    日司連の検索に載っていれば安心して依頼してよいのですか?

    日司連は同じページで「日本司法書士会連合会が特定の司法書士を推薦するものではありません」と明記しており、さらに「懲戒の内、業務の停止の処分を受けている会員も掲載されています」とも書いています。掲載は登録の事実を示すものであって、品質や処分歴を示すものではありません。当サイトも推薦は行いません(2026年9月29日確認)。

    なぜ「平柳」では検索できなかったのですか?

    日司連は検索機能について「登録情報に一致しない漢字表記を入力した場合、正常に検索できない場合があります」と注記しています。当サイトの実査では「平柳」は0件、異体字の「平栁」で2件が表示され、そのうち1件の「法人名/事務所名」の欄に「イーライフ司法書士法人」と表示されました。どちらの表記が正しいかは当サイトでは判定しません(2026年9月29日確認)。

    この記事はイーライフ司法書士法人をおすすめしているのですか?

    おすすめではありません。この記事は、公式検索で実在と登録を確かめる手順を実際に踏んだ記録です。当サイトは事務所の優劣評価・比較・順位づけを行いません。依頼するかどうかの判断はご自身で行ってください。相談前にそろえる資料の考え方は債務整理の相談に持っていく資料にまとめています。


    日本司法書士会連合会「司法書士検索」 https://www.shiho-shoshi.or.jp/other/doui/(検索本体 https://www.shiho-shoshi.or.jp/search/)/国税庁 法人番号公表サイト https://www.houjin-bangou.nta.go.jp//司法書士法(昭和25年法律第197号) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197/イーライフ司法書士法人 公式サイト https://elife-shihou.com/(いずれも2026年9月29日確認)

    関連記事

    実在と登録を確認したうえで、公式サイトの案内を見る

    この記事で日司連の司法書士法人検索と国税庁法人番号公表サイト、公式サイトの名称表記を照合した、イーライフ司法書士法人の公式サイトです。相談の可否・費用・取扱範囲は公式サイトの記載を直接確認し、個別の判断は司法書士・弁護士にご相談ください。

    公式サイトを見る(イーライフ司法書士法人)広告/当サイトは事務所の優劣評価を行いません

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月29日/このページは公表されている一次情報(日本司法書士会連合会の司法書士検索・司法書士法人検索、国税庁の法人番号公表サイト、e-Gov法令検索の司法書士法)および事務所自身が公表している表記のみを根拠に作成しています。条文は本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。日司連の検索結果は同連合会の定めにより転載せず、検索条件と確認できた事項のみを記載しています。登録番号・認定番号の照合、懲戒処分歴、在籍する司法書士の人数、対応の質、費用の妥当性、他の事務所との比較は、本記事では扱っていません。登録情報・所在地・費用は変更されることがあります。依頼の前にご自身で公式検索と公式サイトをご確認ください。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 奨学金の返還が難しくなったときの公的な選択肢|日本学生支援機構の減額返還・返還期限猶予・返還免除を公式情報だけで確かめる

    奨学金の返還が難しくなったときの公的な選択肢|日本学生支援機構の減額返還・返還期限猶予・返還免除を公式情報だけで確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    奨学金の返還が続けられなくなったとき、日本学生支援機構(JASSO)は「返還が難しくなった場合」というページに3つの制度を並べて掲げています。減額返還制度、返還期限猶予、そして死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除の3つです。この記事は、その3つの内容と上限、根拠となる条文を、JASSOの公式サイトとe-Gov法令検索だけで確認した記録です(いずれも2026年9月29日確認)。奨学金を債務整理の対象にできるかどうか、どの制度を選ぶべきかという判断は、個別の事情を見て行うものです。当サイトはそれを扱いません。手続そのものの種類は債務整理の4つの方法、公的な相談先は借金の公的な相談窓口一覧にまとめています。

    1. JASSOが並べている3つの制度

    「返還が難しくなった場合」のページは、冒頭に「奨学生ご本人に、返還が難しいご事情が発生した場合、以下の制度を願い出ていただくことができます。」と書き、そのあとに3つのリンクを置いています(2026年9月29日確認)。

    • 月々の返還額を少なくする(減額返還制度)
    • 返還を待ってもらう(返還期限猶予)
    • 死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除

    いずれも「願い出る」制度として書かれています。JASSOが自動で適用するという書き方はどのページにもありません。

    日本学生支援機構「返還が難しくなった場合」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/index.html(2026年9月29日確認)

    2. 根拠の条文|機構法15条と施行令5条から7条

    この3つには、法律と政令に対応する条文があります。独立行政法人日本学生支援機構法(平成十五年法律第九十四号)の15条は「学資貸与金の返還の条件等」という見出しで、本則から抽出すると次のとおりです(2026年9月29日確認)。

    学資貸与金の返還の期限及び返還の方法は、政令で定める。
    2 機構は、学資貸与金の貸与を受けた者が災害又は傷病により学資貸与金を返還することが困難となったとき、その他政令で定める事由があるときは、その返還の期限を猶予することができる。
    3 機構は、学資貸与金の貸与を受けた者が死亡又は精神若しくは身体の障害により学資貸与金を返還することができなくなったときは、政令で定めるところにより、その学資貸与金の全部又は一部の返還を免除することができる。

    受け皿になる政令が独立行政法人日本学生支援機構法施行令(平成十六年政令第二号)です。6条は15条2項の「政令で定める事由」を「大学、大学院、高等専門学校又は貸与対象専修学校に在学することその他文部科学大臣の認めるやむを得ない事由があること」と定めています。7条は返還免除の条文で、1項が「死亡した者又は精神若しくは身体の障害により労働能力を喪失した者」について「返還未済額の全部又は一部を免除することができる」、2項が「精神又は身体の障害により労働能力に高度の制限を有する者」について「返還未済額の一部の返還を免除することができる」と書き分けています。減額返還に対応するのは5条4項で、「災害、傷病その他文部科学大臣の認めるやむを得ない事由により学資貸与金を返還することが困難となった者について、文部科学大臣の認可を受けて定める基準に従って、割賦金の減額及び支払回数の変更その他の学資貸与金の返還の期限及び返還の方法の変更を行う場合」と定めています。いずれの条文も「できる」という書き方で、要件に当たれば当然に適用されるという書き方ではありません。

    独立行政法人日本学生支援機構法(平成十五年法律第九十四号) https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000094/独立行政法人日本学生支援機構法施行令(平成十六年政令第二号) https://laws.e-gov.go.jp/law/416CO0000000002(いずれも2026年9月29日確認・本則から抽出。附則・改正規定は使用していません)

    3. 減額返還|割合は4段階、通算15年が限度

    「減額返還制度の概要」のページは、制度を次のように定義しています(原文)。

    減額返還制度とは、経済困難等の事情により当初の約束通りの返還月額での返還は難しいが、返還月額を減額すれば返還できる場合、適用期間に応じて返還期間を延長し、当初の返還月額を2分の1、3分の1、4分の1、3分の2に減額して返還することができる制度です。

    適用期間については、「1回の願出につき12か月まで」の適用で、適用期間終了前に改めて願い出ることによる延長が可能、「通算適用期間は15年(180か月)が限度です。」と書かれています。

    留意点として同ページが挙げているのは、「減額返還は、毎月返還する割賦金を減額して、返還期間を延長するものです。返還予定総額が減額されるわけではありません。」、「返還期間が延長されますが、第二種奨学金の利子の総支払額は変更ありません。」、機関保証制度では保証期間は延長されるが保証料の追加徴収はないこと、そして「平成29年度以降採用の第一種奨学生で、所得連動返還方式を選択している場合は、減額返還の申請はできません。」です。減るのは月々の額であって、総額ではないとJASSO自身が明記しています。

    日本学生支援機構「減額返還制度の概要」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/gengaku/seido.html(2026年9月29日確認)

    4. 減額返還の適用条件は4つ

    同じページは適用条件を(1)から(4)まで4つ挙げています(機械で数えた値)。

    1. 「災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難であること」。収入・所得の目安は原文で、給与所得者は年間収入金額400万円以下(扶養している子供が2人なら500万円以下、3人以上なら600万円以下)、給与所得以外の所得を含む場合は年間所得金額300万円以下(同2人なら400万円以下、3人以上なら500万円以下)。被扶養者1人につき38万円を控除できるという注記もあります。
    2. 「願出及び審査の時点で延滞していないこと」。あわせて「延滞を解消することにより願出が可能となります。」と書かれています。
    3. 「口座振替(リレー口座)加入者であること」。
    4. 「月賦返還であること」。

    また、適用中の振替不能についての注意もあります。原文は「減額返還適用中に2回続けて振替不能となった場合は、延滞発生時に遡って減額返還の適用取消となり、減額返還適用前の当初返還月額を延滞額として算出した延滞金を加えた額を返還いただくことになります。」です。2番目の条件があるため、すでに延滞している状態からこの制度に入る形にはなっていません。延滞している場合の入口は次の返還期限猶予の側に用意されています。

    日本学生支援機構「減額返還制度の概要」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/gengaku/seido.html(2026年9月29日確認)

    5. 返還期限猶予|通算10年が限度、ただし年数制限のない事由がある

    「返還を待ってもらう(返還期限猶予)」のページは、制度の性格を先に断っています(原文)。

    返還期限の猶予は、一定期間返還期限を先送りする制度であり、返還すべき元金や利子が免除されるものではありません。

    猶予の種類は2つで、【1】一般猶予(「現在返還が困難であるため、一定期間返還を待ってほしい場合に願い出る制度」)と、【2】猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予です。後者は対象が限られる代わりに「適用期間に制限はありません。」とされています。

    一般猶予の上限は「通算10年(120か月)が限度」です。ただし年数の制限がかからない事由が列挙されています。「一般猶予の申請事由と必要な証明書」のページは事由を3つのまとまりに分け、猶予取得年数に制限がないもの=傷病・災害・生活保護受給中・産前休業産後休業および育児休業・大学校在学・海外派遣の6つ、通算10年までのもの=経済困難・失業中・新卒等・特別研究員・外国で研究中・海外居住・今年海外から帰国の7つ、そして外国の学校へ留学を別枠として挙げています(機械で数えた値)。災害については「災害原因が同一の場合は、災害発生から原則5年が限度になります。」、給付奨学金の返還については「10年の上限はありません。」という注記があります。申請は1年ごとの願い出で、「返還期限猶予は、1年ごとに願い出が必要です。」と書かれています。

    日本学生支援機構「返還を待ってもらう(返還期限猶予)」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/index.html/同「返還期限猶予制度の申請手続き」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/about.html/同「一般猶予の申請事由と必要な証明書」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/teishutusyo/index.html(いずれも2026年9月29日確認)

    6. 「経済困難」で願い出るときの収入・所得の基準

    一般猶予の事由のうち「経済困難」のページには、基準の表が置かれています。原文で給与所得者は「年間収入金額(税込)300万円以下」、給与所得以外の所得を含む場合は「年間所得金額(必要経費等控除後)200万円以下」です(2026年9月29日確認)。対象は「無職・未就職・低収入により返還困難な方。」とされ、注記で「令和7年(2025年)11月以前に卒業または退学等された方が対象です。」、それ以降の卒業・退学等の場合は「新卒等」で申請するよう案内されています。

    ここで注意したいのが、減額返還の目安(給与所得者で年間収入400万円以下)と、返還期限猶予の経済困難の基準(同300万円以下)が別の数字だという点です。JASSOがそれぞれのページで別の数字を示しているため、当サイトもそろえずにそのまま記載します。証明書は所得証明書・市県民税(所得・課税)証明書・住民税非課税証明書のいずれかの原本で、マイナンバーの提出により省略できる場合があるとされています。

    日本学生支援機構「経済困難(一般猶予の申請事由)」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/teishutusyo/keikon/index.html(2026年9月29日確認)

    7. 返還免除|死亡と、精神又は身体の障害

    「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」のページは、次の場合に「願出により返還未済額の全部又は一部の返還を免除することができる制度があります。」として2つを挙げています(原文)。

    本人が死亡し返還ができなくなったとき。
    精神又は身体の障害により労働能力を喪失、若しくは労働能力に高度の制限を有し、返還ができなくなったとき。

    この2つは、さきほどの施行令7条1項・2項の書き分け(労働能力の喪失=全部又は一部/高度の制限=一部)と対応しています。障害による免除については、ページに「貸与中及び在学中の場合は願い出はできません。」という記載があります。必要書類は保証の種類(人的保証・機関保証)と奨学金の種類(貸与・給付)で様式が分かれ、所定の診断書の様式も公開されています。なお、これとは別に機構法16条が「大学院において第一種学資貸与金の貸与を受けた学生のうち、在学中に特に優れた業績を挙げたと認められる者」についての返還免除を定めていますが、これは返還困難を理由とする制度ではありません。

    日本学生支援機構「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/ippan_menjyo.html/独立行政法人日本学生支援機構法16条・同施行令7条 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000094(いずれも2026年9月29日確認)

    8. 延滞と信用情報|「延滞3か月以上」で登録の対象になります

    JASSOは「個人信用情報機関への個人情報・個人信用情報の登録」というページを公表しています。原文で「多重債務防止の観点から、奨学金の返還を延滞した場合、延滞情報を個人信用情報機関に登録しています。」とし、条件を次のように書いています。

    奨学金の返還が延滞3か月以上になった場合、個人信用情報機関への登録対象になります。
    新たに返還を開始する方は、返還開始から6か月経過した時点で延滞3か月以上の場合に、個人信用情報機関への登録対象となります。登録の判定は、返還開始から6か月経過してからは、毎月行われます。

    登録される内容は原文で「氏名・生年月日・住所・電話番号・勤務先等の本人情報、貸与金額・最終返済日等の契約の内容及びその返済状況(延滞・代位弁済・強制回収手続・完了等)」、期間は「登録された情報は返還完了から5年後に削除されます。」とされています。前提として「個人信用情報の取扱いに関する同意書」の提出があり、「平成21年4月以降奨学金の貸与を受ける方から『同意書』の提出が必要になりました。」と書かれています。信用情報機関の側の登録期間の考え方は信用情報はいつまで登録されるのか、開示の手続は信用情報の開示方法にまとめています。

    日本学生支援機構「個人信用情報機関への個人情報・個人信用情報の登録」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/entai/kojinjoho/index.html(2026年9月29日確認)

    9. 延滞金|奨学金の種類と採用時期で率が違います

    「延滞金」のページは冒頭で「約束の返還期日までに返還されないと、延滞金が課されます。」と書き、率を第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(利子付き)で別の表に分け、さらに採用時期・貸与終了時期・返還方法で行を分けています。直近の区分だけを挙げると、平成17年4月以降採用の第一種奨学金は「令和2年3月28日以降は年(365日当たり)3%」、第二種奨学金は「令和2年3月28日以降」または「令和2年4月1日以降」が「年(365日当たり)3%」、平成17年3月以前採用の第一種奨学金の一部は「令和2年4月1日以降に該当するときは1.5%」「令和2年3月28日以降に該当するときは1.5%」という6か月ごとの計算方法です。自分がどの行に当たるかは、奨学金の種類・採用年度・貸与終了時期・返還方法で決まります。当サイトはそのあてはめを行いません。ページの表をそのままご確認ください。

    日本学生支援機構「延滞金」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/entai/entaikin.html(2026年9月29日確認)

    10. この記事で扱わないこと

    奨学金を債務整理の対象にできるかどうか、機関保証の代位弁済を受けたあとに何が起きるか、自分がどの制度に当たるか、いつ願い出るべきか。これらはいずれも本記事の範囲外です。前二者はJASSOの公表ページに当サイトが確認できる範囲の記載がなく、後二者は個別の資料と事情を見て行う判断だからです。制度の位置づけは債務整理の4つの方法、公的な窓口は借金の公的な相談窓口一覧、費用の公的制度は法テラスの費用立替制度、相談先の実在確認は日弁連・日司連の公式検索で実在を確認する手順をご覧ください。まずはJASSOの奨学金相談センターに直接確認することもできます。

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    減額返還と返還期限猶予は何が違うのですか?

    JASSOの説明では、減額返還は「返還月額を減額すれば返還できる場合」に月々の額を2分の1・3分の1・4分の1・3分の2に減額して返還期間を延長する制度、返還期限猶予は「一定期間返還期限を先送りする制度」です。猶予のページには「返還すべき元金や利子が免除されるものではありません。」、減額返還のページには「返還予定総額が減額されるわけではありません。」と、それぞれ明記されています(2026年9月29日確認)。どちらを願い出るかという判断は当サイトでは行いません。

    すでに延滞していても願い出はできますか?

    減額返還の適用条件には「願出及び審査の時点で延滞していないこと」があり、「延滞を解消することにより願出が可能となります。」と書かれています。返還期限猶予の側には「延滞している場合の返還期限猶予の申請手続き」というページが別に用意されており、証明書をいつから提出できるかに応じて「一般猶予で申請」「入金後に一般猶予で申請」「延滞据置猶予で申請」の3つの入口が示されています(2026年9月29日確認)。どれに当たるかはJASSOの案内でご確認ください。

    猶予には上限がありますか?

    一般猶予は「通算10年(120か月)が限度」とされています。ただし傷病・災害・生活保護受給中・産前産後休業および育児休業・大学校在学・海外派遣については年数の制限がないと書かれており、災害は「災害原因が同一の場合は、災害発生から原則5年が限度」、給付奨学金の返還は「10年の上限はありません。」とされています。猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予は「適用期間に制限はありません。」です(2026年9月29日確認)。

    延滞すると信用情報にはいつ登録されるのですか?

    JASSOは「奨学金の返還が延滞3か月以上になった場合、個人信用情報機関への登録対象になります。」と公表しています。返還を新たに開始した方については「返還開始から6か月経過した時点で延滞3か月以上の場合」とされ、判定は毎月行われると書かれています。登録された情報は「返還完了から5年後に削除されます。」とされています(2026年9月29日確認)。登録される具体的な時点や、登録後の個別の取扱いは当サイトでは判断しません。


    日本学生支援機構「返還が難しくなった場合」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/index.html/同「減額返還制度の概要」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/gengaku/seido.html/同「返還を待ってもらう(返還期限猶予)」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/index.html/同「返還期限猶予制度の申請手続き」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/about.html/同「一般猶予の申請事由と必要な証明書」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/teishutusyo/index.html/同「経済困難(一般猶予の申請事由)」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/teishutusyo/keikon/index.html/同「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/ippan_menjyo.html/同「個人信用情報機関への個人情報・個人信用情報の登録」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/entai/kojinjoho/index.html/同「延滞金」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/entai/entaikin.html/独立行政法人日本学生支援機構法(平成十五年法律第九十四号) https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000094/独立行政法人日本学生支援機構法施行令(平成十六年政令第二号) https://laws.e-gov.go.jp/law/416CO0000000002(いずれも2026年9月29日確認)

    関連記事

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月29日/このページは公表されている一次情報(日本学生支援機構の公式サイトの各ページ、およびe-Gov法令検索の独立行政法人日本学生支援機構法・同施行令)のみを根拠に作成しています。条文はいずれも本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。制度の数・事由の数は原文を読み出して数えた値です。願い出の可否の判断、審査の結果、奨学金と債務整理の関係、機関保証の代位弁済後の取扱い、個別の延滞金の計算は、本記事では扱っていません。制度の内容は改定されることがあります。願い出の前に日本学生支援機構の公式サイトで最新の記載をご確認ください。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 税金を滞納して払えないときの公的な猶予制度|換価の猶予・納税の猶予の要件を国税庁の公表情報と条文で確かめる

    税金を滞納して払えないときの公的な猶予制度|換価の猶予・納税の猶予の要件を国税庁の公表情報と条文で確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    自己破産で免責の許可が確定しても、免責不許可事由と裁量免責で確認したとおり、破産法253条1項ただし書が挙げる「租税等の請求権」は責任を免れる対象から外れています。では、税金そのものを一時に納められないときはどうするのか。国税には申請に基づく猶予の制度があり、根拠条文と要件が公表されています。この記事は、その中身をe-Gov法令検索の条文と国税庁の公表資料だけで確認した記録です(いずれも2026年9月29日確認)。申請すれば猶予されると決まっているわけではありません。どの条文に当たるか、許可されるかどうかは税務署・自治体の判断です。当サイトはその判断を行いません。

    1. 国税の猶予は2種類|換価の猶予と納税の猶予

    国税庁は「猶予の申請の手引」(令和8年4月)を公表しており、冒頭で制度の位置づけを次のように書いています(原文)。

    国税をその納期限までに納付していない場合には、納付するまでの日数に応じて延滞税がかかるほか、督促状の送付を受けてもなお納付されない場合には、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがあります。
    ただし、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどの猶予が認められる場合があります。

    手引はこれを「1 換価の猶予」と「2 納税の猶予」の2つに分けています。換価の猶予は「国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合に、申請に基づいて差押財産の換価(売却)が猶予される制度」、納税の猶予は「災害、病気、事業の休廃業などによって国税を一時に納付することができないと認められる場合や、本来の期限から1年以上経って納付すべき税額が確定した国税を一時に納付することができない理由があると認められる場合に、申請に基づいて納税が猶予される制度」と説明されています。差押えそのものの範囲は給料の差押えはいくらまでかで条文を引いています。

    国税庁「猶予の申請の手引」(令和8年4月・令和8年4月1日現在の法令等に基づく) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/yuyo-tebiki/index.htm(2026年9月29日確認・1ページ)

    2. 猶予が認められたときの効果

    手引は効果も2つに分けて列挙しています。換価の猶予が認められると、①既に差押えを受けている財産の換価(売却)が猶予される、②差押えにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある財産については差押えが猶予(又は解除)される場合がある、③「換価の猶予が認められた期間中の延滞税が軽減されます。」の3点。納税の猶予が認められると、①新たな差押えや換価(売却)などの滞納処分の執行を受けない、②既に差押えを受けている財産がある場合には申請により差押えが解除される場合がある、③「納税の猶予が認められた期間中の延滞税が軽減又は免除されます。」の3点です(2026年9月29日確認)。

    延滞税の側の条文も確認できます。国税通則法63条1項は、災害等による納税の猶予や滞納処分の執行の停止をした場合はその期間に対応する部分の金額に相当する金額を、事業の廃止等による納税の猶予や換価の猶予をした場合はその期間(納期限の翌日から二月を経過する日後の期間に限る)に対応する部分の金額の二分の一に相当する金額を免除する、と定めています(本則から抽出)。猶予は「税金が消える」制度ではありません。手引も効果として挙げているのは、換価・差押えの猶予と延滞税の軽減であって、本税の免除ではありません。

    国税庁「猶予の申請の手引」1ページ https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/yuyo-tebiki/index.htm/国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)63条 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066(いずれも2026年9月29日確認・本則から抽出)

    3. 換価の猶予の条文|国税徴収法151条と151条の2

    換価の猶予には条文が2つあります。151条(換価の猶予の要件等)は税務署長の職権による猶予で、滞納者が次のいずれかに該当し、かつ「納税について誠実な意思を有すると認められるとき」に換価を猶予できる、という組み立てです(原文)。

    一 その財産の換価を直ちにすることによりその事業の継続又はその生活の維持を困難にするおそれがあるとき。
    二 その財産の換価を猶予することが、直ちにその換価をすることに比して、滞納に係る国税及び最近において納付すべきこととなる国税の徴収上有利であるとき。

    同項ただし書は「その猶予の期間は、一年を超えることができない。」と定めています。

    これに対し151条の2は申請による換価の猶予です。条文は、滞納者が「その国税を一時に納付することによりその事業の継続又はその生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合」に、納税について誠実な意思を有すると認められるときは、「その国税の納期限(延納又は物納の許可の取消しがあつた場合には、その取消しに係る書面が発せられた日)から六月以内にされたその者の申請に基づき、一年以内の期間を限り」換価を猶予できる、と定めています。2項は、申請に係る国税以外の国税の滞納がある場合には適用しない(一定の例外を除く)としています。分割納付については152条1項が、猶予に係る金額を「その猶予をする期間内の各月…に分割して納付させるものとする」と定め、2項が「差押えにより滞納者の事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある財産の差押えを猶予し、又は解除することができる」としています。「6か月以内の申請」という期限は、151条の2にだけある要件です。

    国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)151条・151条の2・152条 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147(2026年9月29日確認・本則から抽出。附則・改正規定は使用していません)

    4. 換価の猶予の要件は5つ|国税庁の手引が挙げる形

    国税庁の手引は、申請による換価の猶予について「次の①から⑤までに掲げる要件の全てに該当する場合は、換価の猶予を受けることができます。」として5つを挙げています(原文)。

    1. 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること
    2. 納税について誠実な意思を有すると認められること
    3. 換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと
    4. 納付すべき国税の納期限から6か月以内に「換価の猶予申請書」が所轄の税務署に提出されていること
    5. 原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保の提供があること

    手引は①の意味も注記しています。「事業の継続を困難にするおそれがある」とは、事業に不要不急の資産を処分するなど、事業経営の合理化を行った後においても、なお国税を一時に納付することにより、事業を休止又は廃止させるおそれがある場合をいいます。/「生活の維持を困難にするおそれがある」とは、国税を一時に納付することにより、必要最低限の生活費程度の収入が確保できなくなる場合をいいます。/「納税について誠実な意思を有すると認められる」とは、納税者がその国税を優先的に納付する意思を有していると税務署長が認めることができることをいいます。

    担保については、①猶予を受ける金額(未確定の延滞税を含む)が100万円以下である場合、②猶予を受ける期間が3か月以内である場合、③担保を提供することができない特別の事情がある場合には提供する必要がない、とされています。これは国税通則法46条5項ただし書の書き方(猶予に係る税額が百万円以下、猶予の期間が三月以内、担保を徴することができない特別の事情)と対応しています。

    国税庁「猶予の申請の手引」3ページ https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/yuyo-tebiki/index.htm/国税通則法46条5項 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066(いずれも2026年9月29日確認)

    5. 納税の猶予の条文|国税通則法46条の1項・2項・3項

    納税の猶予は国税通則法46条(納税の猶予の要件等)で、1項・2項・3項がそれぞれ別の場面を定めています。

    1項は、震災・風水害・落雷・火災その他これらに類する災害により納税者がその財産につき相当な損失を受けた場合の猶予で、「その災害のやんだ日から二月以内にされたその者の申請に基づき」、納期限から一年以内の期間を限って猶予できるとしています。2項は「次の各号のいずれかに該当する事実がある場合」に、その事実に基づき一時に納付できないと認められるときの猶予で、各号は一 災害・盗難、二 納税者又は生計を一にする親族の病気・負傷、三 事業の廃止・休止、四 事業につき著しい損失、五 これらに類する事実の5つです(機械で数えた値)。3項は、申告納税方式・賦課課税方式・源泉徴収等による国税について、法定申告期限等から一年を経過した日以後に納付すべき税額が確定した場合の猶予です。いずれも「一年以内の期間を限り」とされ、7項が延長について「既にその者につきこれらの規定により納税の猶予をした期間とあわせて二年を超えることができない」と定めています。

    国税庁の手引も同じ構造で、2項に対応する要件を4つ(①猶予該当事実があること②その事実に基づき一時に納付できないと認められること③「納税の猶予申請書」が所轄の税務署に提出されていること④原則として担保の提供があること)、3項に対応する要件を4つ挙げています。手引は「事業につき著しい損失を受けた」の意味も注記しており、調査期間(猶予を受けようとする期間の始期の前日以前の1年間)の損益計算において、基準期間(その直前1年間)の利益の額の2分の1を超えて損失が生じていること(基準期間において損失が生じている場合には、調査期間の損失の金額が基準期間の損失の金額を超えていること)と説明しています。

    国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)46条 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066/国税庁「猶予の申請の手引」27ページから28ページ https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/yuyo-tebiki/index.htm(いずれも2026年9月29日確認・本則から抽出)

    6. 猶予期間と、許可されない場合

    手引は猶予期間について、換価の猶予も納税の猶予も同じ書き方をしています。「1年の範囲内で、申請者の財産や収支の状況に応じて、最も早く国税を完納することができると認められる期間に限られます。」。延長は「当初の猶予期間が終了する前に所轄の税務署に申請することにより、当初の猶予期間と合わせて最長2年以内の範囲で猶予期間の延長が認められることがあります。」とされています。

    許可されない場合も明記されています。手引は「次のいずれかに該当するときは、換価の猶予を許可することができません。」として、①要件に該当しないとき、②強制換価手続が開始されたとき・法人である申請者が解散したとき等で猶予期間内に完納できないと認められるとき、③税務署の職員の質問に回答せず帳簿書類等の検査を拒むなどしたとき、④不当な目的で猶予の申請がされたとき等、の4つを挙げています。申請書等の記載に不備がある場合の補正にも期限があり、「補正通知書の送付を受けた日の翌日から起算して20日以内に補正されないときは、猶予の申請を取り下げたものとみなされます」とされています。また「換価の猶予の申請があった場合、又は換価の猶予が許可された場合であっても、督促状が申請者に送付されますのでご了承ください。」という注記もあります。申請と、許可と、督促状の送付は別の話だと国税庁自身が書いています。

    国税庁「猶予の申請の手引」3ページから6ページ・28ページ https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/yuyo-tebiki/index.htm(2026年9月29日確認)

    7. 申請の窓口と添付書類

    国税庁の手続案内ページ「G-9 換価の猶予の申請手続」は、提出時期を「納付すべき国税の納期限から6か月以内」、提出先を「申請者の納付すべき国税の徴収を担当する国税局又は税務署」、手続根拠を「国税徴収法第151条の2」と明記しています。添付書類は「財産収支状況書」1部、猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合は「財産目録」及び「収支の明細書」各1部、および担保提供書1部です。e-Taxによる申請のほか、書面で作成して持参・送付することもできると書かれています。不服申立てについては「不許可処分に対しては、国税通則法第75条に基づき、不服申立てをすることができます。」とあります(2026年9月29日確認)。

    国税庁「G-9 換価の猶予の申請手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200039.htm(2026年9月29日確認)

    8. 地方税は別の条文|地方税法15条・15条の5・15条の6

    住民税・固定資産税などの地方税は、国税とは別の法律に同じ形の制度が置かれています。地方税法15条(徴収猶予の要件等)1項は、災害・盗難、病気・負傷、事業の廃止・休止、事業につき著しい損失、これらに類する事実の5つを挙げ、一時に納付し、又は納入することができないと認められるときは、「その者の申請に基づき、一年以内の期間を限り、その徴収を猶予することができる」と定めています。2項は法定納期限から一年を経過した日以後に納付すべき額が確定した場合、4項は延長について「既にその者につき徴収の猶予をした期間と合わせて二年を超えることができない。」と定めています。

    換価の猶予も2本立てです。15条の5(職権による換価の猶予の要件等)と15条の6(申請による換価の猶予の要件等)で、国税徴収法151条・151条の2と同じ構造です。ただし15条の6の申請期限は「当該地方団体の徴収金の納期限から当該地方団体の条例で定める期間内」と書かれており、国税のように条文で「6月以内」と決まっていません。期間や運用が条例に委ねられている部分があるため、地方税については各自治体の公表情報を確認する必要があります。当サイトは特定の自治体の運用を扱いません。

    地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)15条・15条の5・15条の6 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226(2026年9月29日確認・本則から抽出)

    9. 社会保険料にも同じ名前の制度があります

    厚生年金保険料等についても、日本年金機構が同じ名前の制度を公表しています。ページは「厚生年金保険料等の納付が困難であるとき、事業主の方が申請を行い、一定の要件を満たしている場合は、保険料等について、『換価の猶予』や『納付の猶予』を受けることができます。」と書いています(更新日:2025年9月11日・2026年9月29日確認)。

    換価の猶予は「保険料等を一時に納付することにより事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあり、かつ、保険料等の納付に対する誠実な意思を有すると認められる場合は、猶予を受けようとする保険料等の納期限から6カ月以内に申請することで」受けることができ、認められた場合は分割納付ができ「猶予期間における延滞金の一部が免除されます。」。納付の猶予は「災害等によって事業所の財産に相当な損害を受け、厚生年金保険料等の納付が困難となった場合など」で、認められた場合は一定の期間納付が猶予され「猶予期間における延滞金の全部または一部が免除されます。」とされています。国税の換価の猶予と、要件の書き方も6か月という期限もそろっています。

    日本年金機構「厚生年金保険料等の猶予(換価の猶予・納付の猶予)」(更新日:2025年9月11日) https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/nofu/kankayuyo.html(2026年9月29日確認)

    10. この記事で扱わないこと

    自分の滞納がどの条文に当たるか、申請すれば許可されるか、いくらまで分割できるか、延滞税がいくら減るか。これらはいずれも本記事の範囲外です。猶予の許可・不許可、猶予する金額と期間は税務署(地方税は地方団体の長)の審査によるものであり、国税庁の手引も「税務署では、提出された申請書及び添付書類の内容を確認して、猶予の許可・不許可や、猶予を許可する金額・期間などの審査を行います。」と書いているためです。また、破産手続と租税等の請求権の関係は免責不許可事由と裁量免責、差押えの範囲は給料の差押えはいくらまでかと預金の差押えで扱っています。手続全体の位置づけは債務整理の4つの方法、公的な相談先は借金の公的な相談窓口一覧をご覧ください。税金の猶予の相談先は、税務署または自治体の窓口です。

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    換価の猶予と納税の猶予はどちらを使うのですか?

    国税庁の手引は2つを別の制度として並べており、要件も条文も別です。換価の猶予は国税徴収法151条(職権)・151条の2(申請)、納税の猶予は国税通則法46条です。151条の2は「納期限から六月以内にされたその者の申請に基づき」という期限つきで、46条1項は「その災害のやんだ日から二月以内にされたその者の申請に基づき」と定められています。どちらに当たるかは当サイトでは判断しません。税務署にご確認ください(2026年9月29日確認)。

    猶予されると税金は減るのですか?

    国税庁の手引が効果として挙げているのは、換価(売却)や差押えの猶予と、延滞税の軽減・免除です。本税が減るという記載は当サイトが確認した一次情報の範囲では見当たりません。国税通則法63条1項は、換価の猶予等をした期間に対応する部分の延滞税について「二分の一に相当する金額は、免除する」と定めています(2026年9月29日確認)。

    猶予の期間はどのくらいですか?

    国税徴収法151条1項ただし書は「その猶予の期間は、一年を超えることができない」、151条の2第1項は「一年以内の期間を限り」、国税通則法46条2項・3項も「一年以内の期間を限り」と定めています。延長については同法46条7項が「既にその者につきこれらの規定により納税の猶予をした期間とあわせて二年を超えることができない」としています。国税庁の手引も「当初の猶予期間と合わせて最長2年以内の範囲で」と書いています(2026年9月29日確認)。

    申請すれば督促は止まりますか?

    国税庁の手引には「換価の猶予の申請があった場合、又は換価の猶予が許可された場合であっても、督促状が申請者に送付されますのでご了承ください。」という注記があります。これ以上の記載は当サイトが確認した範囲では見当たりません(2026年9月29日確認)。個別の取扱いは所轄の税務署にご確認ください。


    国税庁「猶予の申請の手引」(令和8年4月) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/yuyo-tebiki/index.htm/国税庁「G-9 換価の猶予の申請手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200039.htm/国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号) https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066/国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号) https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147/地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226/日本年金機構「厚生年金保険料等の猶予(換価の猶予・納付の猶予)」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/nofu/kankayuyo.html(いずれも2026年9月29日確認)

    関連記事

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月29日/このページは公表されている一次情報(国税庁の猶予の申請の手引および手続案内ページ、e-Gov法令検索の国税通則法・国税徴収法・地方税法、日本年金機構の公表ページ)のみを根拠に作成しています。条文はいずれも本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。要件の数・号数は原文を機械で読み出して数えた値です。猶予の許可・不許可の見通し、猶予される金額や期間、延滞税の具体的な計算、各自治体の条例で定める期間や運用、個別の申請書の書き方は、本記事では扱っていません。申請の可否と手続は所轄の税務署または自治体の窓口にご確認ください。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士・税理士にご相談ください。

  • 信用情報の開示結果の見方|CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターが公表する説明資料で項目と記号を確かめる

    信用情報の開示結果の見方|CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターが公表する説明資料で項目と記号を確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    信用情報を開示すると、手元に届くのは記号と区分の並んだ書面です。「$」「A」「○」「×」「異動」「延滞解消」といった表示が何を指すのかは、3機関がそれぞれ自分の書面について説明資料を公表しています。この記事は、その説明資料に書かれている項目名と記号の意味を、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター(以下「センター」)の公表資料の記載だけで確認した記録です(いずれも2026年9月29日確認)。3機関の書面は、名称も構成も記号も別々です。ある機関の記号の意味を、別の機関の書面に当てはめることはできません。また、記号から「審査がどうなるか」を読み取ることは、どの機関の説明資料にも書かれていません。当サイトもそれは扱いません。開示そのものの手続(手数料・日数)は信用情報の開示方法にまとめています。

    1. 書面の名称と、説明資料の所在

    まず、3機関で書面の名前が違います。CICは「信用情報開示報告書」、JICCは「信用情報記録開示書」、センターは「登録情報開示報告書」です(2026年9月29日確認)。

    説明資料も別々に公表されています。CICは「情報開示報告書の見方について」のページに3点のPDF(「信用情報開示報告書の見方」「開示報告書の各項目の説明について(表示項目の詳細説明)」「クレジット・ガイダンスの見方」)を掲載しています。JICCは「開示結果の見方」のページに2点のPDF(「開示書に関するよくあるお問い合わせ」「<詳細版>『信用情報記録開示書』項目説明書」)を掲載しています。センターは「本人開示の手続き」のページに「登録情報開示報告書の見方」のPDFを掲載しており、末尾に「(2025年8月)」と記載されています。以下で引く記載は、いずれもこれらの資料の原文です。

    CIC「情報開示報告書の見方について」 https://www.cic.co.jp/mydata/report/index.html/JICC「開示結果の見方」 https://www.jicc.co.jp/kaiji/viewpoint/全国銀行個人信用情報センター「本人開示の手続き」 https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/(いずれも2026年9月29日確認)

    2. CIC|報告書は5つの情報で構成されています

    CICの「開示報告書の各項目の説明について」は、「信用情報開示報告書」の表示項目を5つのまとまりに分けて説明しています(機械で読み出して数えた値・2026年9月29日確認)。原文の見出しは次のとおりです。

    • 1.クレジット情報:「お客様がクレジット会社等(会員会社)と契約した内容や支払状況を表す情報」
    • 2.申込情報:「お客様が新規にクレジットやローンの申込みをした際に、クレジット会社等(会員会社)が、支払能力を調査するためにアクセスした情報」
    • 3.利用記録:「クレジット会社等(会員会社)がお客様の情報にアクセスした記録」
    • 4.参考情報:「お客様が申請した本人申告情報等」
    • 5.クレジット・ガイダンス情報:「会員から提供された信用情報をCICが分析・数値化した情報」

    「1.クレジット情報」はさらに《属性》《契約内容》《お支払の状況》《割賦販売法の登録内容》《貸金業法の登録内容》《入金状況》に分かれ、項目には通し番号が振られています。番号は1の「登録元会社」から始まり、《貸金業法の登録内容》の47「終了状況」まで続きます。冒頭の「2.保有期限」については、原文に「契約が終了している場合に表示」「保有期限に表示された年月の月末に情報が削除」という注記があります。情報の種類ごとの期間そのものは信用情報はいつまで登録されるのかで各社の公表表を引いています。

    CIC「『信用情報開示報告書』表示項目の説明」(開示報告書の各項目の説明について) https://www.cic.co.jp/mydata/report/documents/kaijishosai.pdf(2026年9月29日確認・全5ページ)

    3. CIC|《入金状況》の記号は8種類

    開示結果でいちばん目を引くのが、横に並んだ記号の列です。CICの説明資料はこの欄について、「お客様がクレジット会社等へ入金した状況が記号で表示されます」とし、表示の仕方を「一番左が最新の状況で、右に進むほど過去にさかのぼり24ヵ月表示」と書いています。記号の意味は原文で次のとおりです(2026年9月29日確認)。

    記号内容(原文)
    $請求どおり(もしくは、それ以上)の入金があった
    P請求額の一部が入金された
    Rお客様以外から入金があった
    Aお客様の事情でお約束の日に入金がなかった(未入金)
    Bお客様の事情とは無関係の理由で入金がなかった
    C入金されていないが、その原因がわからない
    –請求もなく入金もなかった(例:クレジットの利用がない場合)
    空欄クレジット会社等から情報の更新がなかった(例:クレジットの利用がない場合)

    同じ欄について、資料は「※下記状況に該当し登録があった場合、最終行に下記のコメントが表示されます。」として、未成年時の延滞に関する2種類のコメント、支払停止の抗弁の申し立てに関するコメント、災害等が起こった地域に居住している場合のコメントを挙げています。この欄は、記号のならびを見て支払いの履歴をたどるためのものです。資料には、どの記号がいくつ並ぶとどうなる、という記載はありません。

    CIC「『信用情報開示報告書』表示項目の説明」《入金状況》 https://www.cic.co.jp/mydata/report/documents/kaijishosai.pdf(2026年9月29日確認・3ページ目)

    4. CIC|「26.返済状況」の異動と、その先の欄

    《お支払の状況》のなかに「26.返済状況」という欄があり、資料は「支払の遅れが3ヵ月以上あった場合等の状況を表示」と説明しています。ここに表示される語が「異動」で、該当する場合として原文は3つを挙げています。

    ・返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの
    ・返済ができなくなり保証契約における保証履行が行われたもの
    ・裁判所が破産を宣告したもの(破産手続開始の決定がされたもの)

    これに該当しない場合の表示は「(空欄)」で、該当した場合には「(異動発生日)」に「延滞等が発生した日付を表示」とあります。その先の欄も原文のまま挙げます。「27.経過状況」は「『異動』発生後の経過状況」として更新停止・支払条件変更・支払総額変更の3つ、「28.補足内容」は法的手続(「破産手続の申請が行われたもの」)・解消(「支払が遅れていた未払い金を解消したもの」)の2つ、「31.終了状況」は完了・本人以外弁済・貸倒・移管終了・法定免責・(空欄)の6つです。「法定免責」の説明は原文で「支払免除が法的に認められたもの(破産)」、「(空欄)」は「契約が継続中のもの」です。免責そのものの条文は免責不許可事由と裁量免責で扱っています。

    CIC「『信用情報開示報告書』表示項目の説明」《お支払の状況》 https://www.cic.co.jp/mydata/report/documents/kaijishosai.pdf(2026年9月29日確認・2ページ目)

    5. CIC|クレジット・ガイダンスの指数は200〜800

    2024年以降、CICの開示結果には「クレジット・ガイダンス」という欄が加わっています。CICの公式ページは、指数を「200~800」の3桁の数値と説明し、算出理由は最大4つ表示されるとしています。指数が出せない場合には「指数が算出できませんでした。」と記載されるとも書かれています。提供開始は消費者向けが2024年11月28日、クレジット会社等向けが2025年4月1日です(2026年9月29日確認)。項目説明の資料では、指数を「お客様ご本人のクレジット取引実績に基づき算出した『信用状態』を表す指標」、算出理由を「指数に大きく影響を与えた信用情報の項目(状態)の説明」と説明しています。指数が何点であれば何が起きるか、という記載は当サイトが確認した一次情報の範囲では見当たりません。なお、専用PDF「クレジット・ガイダンスの見方」は画像で作られており、本記事の実査では本文テキストを取り出せませんでした。

    CIC「クレジット・ガイダンス」 https://www.cic.co.jp/credit-guidance//CIC「『信用情報開示報告書』表示項目の説明」 https://www.cic.co.jp/mydata/report/documents/kaijishosai.pdf(いずれも2026年9月29日確認)

    6. JICC|「ファイルD」と「ファイルM」に分かれています

    JICCの「信用情報記録開示書」は、CICとは分け方が違います。項目説明書は、表紙・概要のあとに「ファイルD」と「ファイルM」という2つのファイルを置き、それぞれの見方を別に説明しています。原文の説明は、ファイルDが「貸金業者からの借入情報等、キャッシングの契約が主に登録されています」、ファイルMが「クレジットや金融機関等の契約が主に登録されています。金額は、1,000円単位です」です(2026年9月29日確認)。

    どちらのファイルにも「3.契約状態」という欄があり、区分は原文で「(1)契約中 (2)契約中(残高0円) (3)契約終了 (4)譲渡済」の4つ、これに開示後の「(調査中)」が加わります。「(4)譲渡済」の説明は「会員が当社未加盟の事業者に債権を譲渡した状態 ※譲渡時点の状態で登録」です。ファイルMには「26.重複債権」という欄があり、「ファイルDにも同じ契約情報が登録されていることを表す情報」と説明されています。つまり同じ契約が2つのファイルに出てくることがある、と資料自身が書いています。

    JICC「<詳細版>『信用情報記録開示書』項目説明書」(2025年8月版) https://www.jicc.co.jp/kaiji/viewpoint(2026年9月29日確認・全9ページ)

    7. JICC|「異動参考情報等」に並ぶ語

    JICCで記号に当たるのが、「7.異動参考情報等」の欄に入る語です。ファイルDとファイルMで語の一覧が別になっています。ファイルDの説明から、原文の語と説明をそのまま挙げます(2026年9月29日確認)。

    • 延滞:「入金予定日から3か月以上何ら入金がなく元金、利息ともに遅延している情報」(元金延滞・利息延滞はそれぞれ元金のみ・利息のみ)
    • 延滞解消:「『延滞』、『元金延滞』、『利息延滞』のいずれかが登録されており、延滞分すべて入金され延滞状況が解消された、残債すべてが入金され完済、または包括契約で残高が0円になった、延滞分利息が入金された、和解により残高が見直されたなどの情報」
    • 債務整理:「お客様が債務に関する整理行為をとった情報(お客様に抗弁権等の存するものを含む。)」
    • 破産申立:「お客様が破産を申し立てた情報」/特定調停:「お客様が特定調停を申し立てた情報」/民事再生:「お客様が民事再生法(小規模個人再生手続、給与所得者等再生手続等)の適用を申し立てた情報」
    • 債権回収:「契約先が強制執行や支払督促等の法的手続き等を行った情報」
    • 保証履行:「保証会社がお客様に代わって契約先に支払いを行った情報」/カード強制解約:「お客様の返済能力の欠如を理由に、契約先が強制的に包括契約を解約した情報」
    • 本人否認:「お客様が契約の事実を否認し、契約先がそれを認めた情報」

    ファイルMの側には、代わりに元本・手数料遅延/元本遅延/手数料遅延/遅延解消/代位弁済/強制解約/返済条件変更/返済総額変更/債権譲渡などの語が並びます。同じ「遅延」でも、ファイルMの説明は「約定返済日から61日以上、または3か月以上」という書き方で、ファイルDの「入金予定日から3か月以上」とは文言が異なります。資料がそう書き分けているため、当サイトもそろえずにそのまま記載します。民事再生の2つの類型そのものは小規模個人再生と給与所得者等再生の違いで条文を引いています。

    JICC「<詳細版>『信用情報記録開示書』項目説明書」ファイルD/ファイルM<債権情報>の見方 https://www.jicc.co.jp/kaiji/viewpoint(2026年9月29日確認・4ページ目および6ページ目)

    8. センター|入金区分は5種類、返済区分・完了区分は18項目

    センターの「登録情報開示報告書の見方」は、登録情報を①取引情報 ②官報情報 ③本人申告情報 ④照会記録情報の4つとして冒頭に挙げています。取引情報の欄には「残債額・入金区分履歴」があり、資料は「『残債額・入金区分』の履歴を最大2年分表示します」と書いています。入金区分の記号は原文で次の5種類です(2026年9月29日確認)。

    入金区分説明(原文)
    ○請求を受けた金額全額またはそれ以上の入金があった
    △請求を受けた金額の一部の入金があった
    ×請求を受けた金額の入金がなかった
    P請求を受けた金額について、事情により入金がなかった
    -請求がなかった(請求はないが、入金があった場合を含む)

    さらにその下に「返済区分」「延滞解消日」「完了区分」「完了区分発生日」「返済区分発生日」の欄があり、そこに入る項目名として資料は1から18までの番号を振った一覧を載せています(機械で数えた値)。【ご契約中の状況を示すもの】が成約・延滞・延滞解消日、【ご契約の終了またはこれに準ずる状況があったことを示すもの】が完了・代位弁済・保証履行・強制回収手続・保証債務未履行・移管・一括化・完了区分発生日、【ご契約終了後の状況を示すもの】が代位弁済後完済・求償債権完済・保証債務完済・代位弁済後移管・求償債権移管・保証債務移管・返済区分発生日です。「代位弁済」と「保証履行」は同じ出来事の登録者違いで、原文は「返済を受けた金融機関等が情報を登録する場合は『5 代位弁済』、返済をした保証会社等が情報を登録する場合は『6 保証履行』となります」と説明しています。金額の表示についても注記があり、「限度額・残債額等の金額は、すべて『千円』単位で表示します。ただし、限度額の定めがない場合は『F』、千円未満の場合は『X』(英数字のエックス)と表示します。」とされています。設定期限の定めがない場合の表示は「9999-99-99」です。

    全国銀行個人信用情報センター「登録情報開示報告書の見方」(2025年8月) https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/pcic/open/kaiji_viewpoint2025.pdf(2026年9月29日確認・全6ページ)

    9. センター|官報情報・不渡情報・照会記録情報の欄

    同じ資料は、報告書の他の欄についてもそれぞれ説明を置いています。官報情報の欄については「破産手続開始、民事再生手続開始決定(給与所得者/小規模個人/その他再生)の別と決定日を表示します」「官報に掲載された事件番号(裁判所の整理番号)を表示します」とあり、よくあるご質問では「当センターに登録されている官報情報は、破産・民事再生手続開始決定となります。免責に関する情報は登録しておりません。」と明記されています。不渡情報については「不渡情報の提供は2022年11月4日以降行っておりません。過去に不渡となった手形等の有無にかかわらず、0/0(情報なし)と表示します。」とあります。照会記録情報の照会目的は新規与信判断・信用状況再調査・転居先調査の3区分で、「会員に対して照会記録情報を回答するのは照会目的が新規与信判断の場合に限ります。」という注記が付いています。

    この資料には、報告書の性格についての注記もあります。「本報告書は、いかなる場合も証明書として使用することはできません。」、および「銀行等の当センターの会員が本報告書(本人開示書面)の提示等を求めることはありませんので、ご不審な点がある場合は、当センターまでその旨お申出ください。」です。相談先そのものの確認手順は日弁連・日司連の公式検索で実在を確認する手順にまとめています。

    全国銀行個人信用情報センター「登録情報開示報告書の見方」(2025年8月) https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/pcic/open/kaiji_viewpoint2025.pdf(2026年9月29日確認・1ページ目・4〜6ページ目)

    10. 記載が事実と違うと思ったときの、各資料の書き方

    3機関とも、開示結果の内容そのものを機関の判断で変えるとは書いていません。JICCの資料は表紙の注意書きで「登録されている内容が事実と異なっている場合は、対象となる情報の登録会社へお問い合わせください。」とし、あわせて「当社へのお問い合わせも可能ですが、開示日から2か月経過した場合は、再度、信用情報の開示手続きをお願いしております。」と書いています。センターのよくあるご質問は「開示報告書に掲載の内容が事実でない場合、情報を登録した会員または当センターに対し、異議を申し立てることができます。誤りであることが判明した場合には、会員が登録情報の訂正・削除を行います(当センターは信用情報をお預かりしている立場ですので、内容を変えることはできません)。」とし、続けて「なお、掲載内容が事実である場合には、登録情報の訂正・削除は行われません。」と書いています。いずれも「登録した会社が直す」という構造です。

    センターのよくあるご質問には、借入の申込みを断られた理由について「会員は、個人信用情報を参考にして自社の審査基準にもとづいて審査しています。したがいまして、私ども個人信用情報機関は、理由を把握しておりません(個人信用情報機関は審査を行っておりません)。」という記載もあります。

    JICC「<詳細版>『信用情報記録開示書』項目説明書」1ページ目 https://www.jicc.co.jp/kaiji/viewpoint/全国銀行個人信用情報センター「登録情報開示報告書の見方」【よくあるご質問】 https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/pcic/open/kaiji_viewpoint2025.pdf(いずれも2026年9月29日確認)

    11. この記事で扱わないこと

    記号や区分から、これから借入れやクレジットの申込みがどう扱われるかを読み取ること。開示結果を見て、どの手続を選ぶべきかを決めること。特定の記載を「消す」方法。これらはいずれも本記事の範囲外です。前二者は3機関の説明資料に記載がなく、最後のものは各資料が「登録した会社が事実に基づいて訂正・削除する」という形でのみ説明しているためです。手続そのものの位置づけは債務整理の4つの方法、公的な相談先は借金の公的な相談窓口一覧、費用の公的制度は法テラスの費用立替制度をご覧ください。

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    3機関の記号は共通ですか?

    共通ではありません。CICの《入金状況》は「$」「P」「R」「A」「B」「C」「-」「空欄」の8種類、センターの「入金区分」は「○」「△」「×」「P」「-」の5種類で、記号も種類の数も別です。JICCの項目説明書には、これらに相当する記号一覧の欄は見当たらず、契約状態や「異動参考情報等」は語で表示されます(2026年9月29日確認)。

    「異動」とはどの欄の表示ですか?

    CICの「26.返済状況」に表示される語です。CICの資料は該当する場合として「返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの」「返済ができなくなり保証契約における保証履行が行われたもの」「裁判所が破産を宣告したもの(破産手続開始の決定がされたもの)」の3つを挙げ、該当しない場合は「(空欄)」と書いています(2026年9月29日確認)。JICCとセンターの資料に、同じ意味の「異動」という区分名は見当たりません。

    開示結果は証明書として使えますか?

    センターの「登録情報開示報告書の見方」は「本報告書は、いかなる場合も証明書として使用することはできません。」と書いています。また同資料は、会員である銀行等が本人開示書面の提示等を求めることはないとし、不審な点があればセンターに申し出るよう案内しています(2026年9月29日確認)。CIC・JICCの資料に同趣旨の記載があるかは、当サイトが確認した範囲では同じ文言では確認できませんでした。

    指数が何点なら大丈夫ですか?

    当サイトが確認した一次情報の範囲では、そのような基準は記載されていません。CICは指数を「200~800」の3桁の数値とし、算出理由を最大4つ表示すると公表していますが、点数と結果を結びつける記載は見当たりません。センターの資料も「個人信用情報機関は審査を行っておりません」と明記しています(2026年9月29日確認)。当サイトも点数の読み替えは行いません。


    CIC「情報開示報告書の見方について」 https://www.cic.co.jp/mydata/report/index.html/CIC「『信用情報開示報告書』表示項目の説明」 https://www.cic.co.jp/mydata/report/documents/kaijishosai.pdf/CIC「クレジット・ガイダンス」 https://www.cic.co.jp/credit-guidance//JICC「開示結果の見方」 https://www.jicc.co.jp/kaiji/viewpoint/JICC「<詳細版>『信用情報記録開示書』項目説明書」(2025年8月版・同ページ掲載PDF)/全国銀行個人信用情報センター「本人開示の手続き」 https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open//同「登録情報開示報告書の見方」(2025年8月) https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/pcic/open/kaiji_viewpoint2025.pdf(いずれも2026年9月29日確認)

    関連記事

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月29日/このページは公表されている一次情報(CICの情報開示報告書の見方のページおよび表示項目の説明PDF・クレジット・ガイダンスのページ、JICCの開示結果の見方のページおよび項目説明書PDF、全国銀行個人信用情報センターの本人開示の手続きのページおよび登録情報開示報告書の見方PDF)のみを根拠に作成しています。記号・区分の意味はいずれも各資料の原文を転記したもので、当サイトによる解釈は加えていません。項目数・記号の種類の数は原文を機械で読み出して数えた値です。CICの「クレジット・ガイダンスの見方」PDFは画像で作られており本文テキストを取り出せなかったため、指数の範囲等はCIC公式ページの記載を出典としています。開示結果から審査の結果や今後の取扱いを読み取ること、記載の削除を求める具体的な手順、各社の実際の運用は、本記事では扱っていません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 依頼した弁護士とトラブルになったら|紛議調停(弁護士法41条)と市民窓口を日弁連の公表情報と条文で確かめる

    依頼した弁護士とトラブルになったら|紛議調停(弁護士法41条)と市民窓口を日弁連の公表情報と条文で確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    すでに弁護士へ依頼している人が、報酬の金額や辞任・解任をめぐって話し合いがつかなくなったとき、公的にはどこへ持ち込む道があるのか。この記事は、日本弁護士連合会(日弁連)が公表しているページと、e-Gov法令検索の弁護士法の条文だけで、その持ち込み先の輪郭を確認した記録です。先に結論として、一次情報にはっきり書かれているのは次の3点です。①日弁連は「市民窓口」「紛議調停」「懲戒請求」を別々の制度として並べていること、②紛議調停の根拠条文は弁護士法41条で、弁護士会が「調停をすることができる」と書かれていること、③紛議の調停に関する規定は、弁護士法33条2項12号により各弁護士会の会則に記載しなければならない事項とされていること。当サイトは、個別の事案が懲戒事由・紛議に当たるかの判断をしません。特定の法律事務所や弁護士の優劣・評価も扱いません。

    1. 日弁連は3つの制度を別々に並べている

    日弁連の「弁護士とトラブルになったら」というページを取得しました(2026年9月13日・HTTP 200)。ページは次の一文で制度を切り分けています(原文)。

    弁護士会には、弁護士の活動についての不満や苦情などをお伺いする制度、弁護士とのトラブルを解決する制度、弁護士について懲戒を求める手続として、次のものがあります。

    そのうえで、ページ内の見出しは「市民窓口」「紛議調停」「懲戒請求」「セクハラ・性別による差別的取扱い」の順に並んでいます。つまり「苦情を伝える窓口」と「トラブルを解決する手続」と「懲戒を求める手続」は、同じページの中で別々の項目として書かれています。この記事が主に扱うのは前の2つ(市民窓口・紛議調停)です。懲戒については条文の位置だけを示し、手続の内容は任意整理の弁護士報酬の上限(弁護士法56条・58条を引用)の記事に譲ります。

    日本弁護士連合会「弁護士とトラブルになったら」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition/claim.html(2026年9月13日確認)

    2. 市民窓口|日弁連の説明

    同じページの「市民窓口」の項は、次のとおりです(原文・全文)。

    弁護士は事件処理を依頼された場合、可能な限り依頼者の法的利益を守るように活動します。しかし、弁護士の行っている活動について依頼者や相手方、あるいは第三者から見て問題があると思われる場合があります。

    全国の弁護士会には、弁護士の活動に関する苦情などを受け付ける「市民窓口」が設けられています。弁護士の活動で納得できない場合があった場合には、まずその弁護士の所属する弁護士会の市民窓口にご相談ください。

    この項に添えられているリンクは、日弁連の「弁護士会一覧」(全国の弁護士会・弁護士会連合会)の1本だけです。各弁護士会の市民窓口の名称・電話番号・受付時間・費用は、このページには書かれていません。当サイトはそれらを実取得していないため、本記事には書きません。所属弁護士会をどう調べるかは日弁連の弁護士検索で相談先の実在を確認する手順と実在確認ナビにまとめています。

    日本弁護士連合会「弁護士とトラブルになったら」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition/claim.html/同「全国の弁護士会・弁護士会連合会」 https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html(いずれも2026年9月13日確認)

    3. 紛議調停|日弁連の説明

    続く「紛議調停」の項は、次のとおりです(原文・全文)。

    最初の約束より高い報酬を請求されたとか、弁護士の辞任・解任の際にトラブルが生じて容易に話し合いがつかないなどの弁護士とのトラブルについては、弁護士会が間に入って解決の道を探る紛議調停という制度があります。

    全国の弁護士会には、紛議調停委員会が設置されており、その弁護士の所属する弁護士会に紛議調停の申立をすることができます。

    このページに書かれているのはここまでです。申立ての書式、手数料、審理にかかる期間、調停委員の構成、成立した調停の効力については、このページに記載がありません。当サイトは各弁護士会の会規を実取得していないため、これらは本記事では扱いません。報酬の金額そのものについて日弁連の規程が置いている上限は、任意整理の弁護士報酬の上限で条文を確認できます。

    日本弁護士連合会「弁護士とトラブルになったら」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition/claim.html(2026年9月13日確認)

    4. 根拠条文|弁護士法41条(紛議の調停)

    e-Gov法令検索の法令APIで、弁護士法(昭和24年法律第205号・lawId=324AC1000000205)の本文を取得しました(2026年9月13日・HTTP 200)。第四十一条の見出しは「紛議の調停」で、条は1項だけです。原文は次の一文です。

    弁護士会は、弁護士の職務又は弁護士法人の業務に関する紛議につき、弁護士、弁護士法人又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。

    この条にはただし書も括弧書きもなく、他の条を準用する文言もありません。当サイトは、この条文に書かれていること以上の説明をしません。

    弁護士法(昭和24年法律第205号) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205(2026年9月13日確認・法令API `/api/1/lawdata/324AC1000000205` で取得したXMLの本則から抽出)

    5. 41条の文言を分解する

    一文なので、条文が置いている要素を順に切り分けます。以下はすべて条文の文言の整理であり、当サイトによる解釈や見通しではありません。

    条文の部分書かれていること
    調停をする主体弁護士会
    対象となる紛議弁護士の職務又は弁護士法人の業務に関する紛議
    請求できる者弁護士、弁護士法人又は当事者その他関係人
    始まり方これらの者の請求により(弁護士会が職権で始める、とは書かれていません)
    効果の書きぶり調停を「することができる」(「しなければならない」とは書かれていません)
    期間・費用・様式条文に記載なし
    調停が成立した場合の効力条文に記載なし
    弁護士法41条の文言を項目に分けたもの。表現はいずれも条文の語です。

    日弁連のページが「弁護士会が間に入って解決の道を探る」と説明している部分は、条文の側では「弁護士会は(中略)調停をすることができる」という書き方になっています。個別の申立てが受理されるか、どのような結論になるかについて、当サイトは判断しません。

    弁護士法(昭和24年法律第205号) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    6. 手続の中身は各弁護士会の会則に置かれている|33条2項12号

    41条は手続の中身を書いていません。その行き先は33条にあります。弁護士法第三十三条の見出しは「会則」で、1項は次のとおりです(原文)。

    弁護士会は、日本弁護士連合会の承認を受けて、会則を定めなければならない。

    2項の柱書と、そこに並ぶ16の号のうち12号は次のとおりです(原文)。

    弁護士会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

    十二 会員の職務に関する紛議の調停に関する規定

    3項は「前項に掲げる事項を変更するときは、日本弁護士連合会の承認を受けなければならない。」と定めています。つまり、紛議の調停に関する規定は、各弁護士会の会則に置くことが法律で義務づけられており、その制定・変更には日弁連の承認が要る、という構造が条文に書かれています。各弁護士会の会則そのものは当サイトでは実取得していないため、個別の弁護士会がどう定めているかは本記事では扱いません。

    なお文言としては、41条が「弁護士の職務又は弁護士法人の業務に関する紛議」と書くのに対し、33条2項12号は「会員の職務に関する紛議の調停」と書いています。ここでは両者の表現が異なるという事実を指摘するだけで、意味の異同については述べません。

    弁護士会そのものの位置づけは31条・32条にあります。31条1項は「弁護士会は、弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士及び弁護士法人の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。」、32条は「弁護士会は、地方裁判所の管轄区域ごとに設立しなければならない。」と定めています。

    弁護士法(昭和24年法律第205号) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    7. 懲戒請求は別の手続|条文の位置だけを示します

    日弁連のページが3つ目に挙げている「懲戒請求」は、紛議調停とは別の条文に置かれています。弁護士法第五十八条1項の原文は次のとおりです。

    何人も、弁護士又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。

    第五十七条1項は「弁護士に対する懲戒は、次の四種とする。」と書き、戒告・二年以内の業務の停止・退会命令・除名の4つを号で挙げています。また第六十三条の見出しは「除斥期間」で、本文は次のとおりです(原文)。

    懲戒の事由があつたときから三年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない。

    日弁連の「懲戒制度」ページも、同じ内容を条番号(57条1項・58条・63条)とともに説明しています。同ページには次の注記があります(原文)。

    ※ 最初から日弁連に懲戒の請求をすることはできません。まず、その弁護士等の所属弁護士会に請求してください。

    懲戒事由の条文(56条)と懲戒請求の位置づけは任意整理の弁護士報酬の上限の記事で扱っています。繰り返しますが、当サイトは個別の事案が懲戒事由・紛議に当たるかの判断をしません。

    弁護士法(昭和24年法律第205号) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205/日本弁護士連合会「懲戒制度」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition/chokai.html(いずれも2026年9月13日確認)

    8. 3つの制度の書かれ方を並べる

    ここまでに確認した原文を、そのまま並べた表です。どれを選ぶべきかという助言ではありません。

     市民窓口紛議調停懲戒請求
    弁護士法の条文この語の出現数は、取得した弁護士法のXML全体を機械で検索して0か所(下の計測を参照)41条(見出し「紛議の調停」)・33条2項12号56条〜58条・63条ほか
    日弁連の説明「弁護士の活動に関する苦情などを受け付ける」「弁護士会が間に入って解決の道を探る」「その弁護士の所属する弁護士会に請求します」
    持ち込み先その弁護士の所属する弁護士会の市民窓口その弁護士の所属する弁護士会(紛議調停委員会が設置されている)その弁護士の所属弁護士会(日弁連へ直接ではない)
    条文上の請求権者条文なし弁護士、弁護士法人又は当事者その他関係人(41条)何人も(58条1項)
    期間の定め記載なし条文・日弁連ページとも記載なし懲戒の事由があったときから3年(63条)
    日弁連「弁護士とトラブルになったら」「懲戒制度」の記載と、弁護士法の本則の条文を並べたもの。

    表の1行目について補足します。e-Gov法令APIで取得した弁護士法のXML全体(目次・本則・附則を含む)を機械で検索したところ、「紛議」は3か所(33条2項12号・41条の見出し・41条の本文)、「調停」は4か所(この3か所と73条)で、「市民窓口」「苦情」「見舞金」はいずれも0か所でした。市民窓口は、この計測の範囲では弁護士法の条文上の名称ではなく、日弁連のページが説明している窓口の呼び名です。

    弁護士法(昭和24年法律第205号) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205/日本弁護士連合会「弁護士とトラブルになったら」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition/claim.html(いずれも2026年9月13日確認)

    9. 横領の被害には別の制度がある|依頼者見舞金制度

    日弁連の「弁護士に関するお問い合わせ」の下には、「弁護士とトラブルになったら」「懲戒制度」と並んで「依頼者見舞金制度について」のページが置かれています(子ページは以上の3本)。同ページの説明は次のとおりです(原文)。

    依頼者見舞金制度は弁護士、弁護士法人または弁護士・外国法事務弁護士共同法人の業務に伴い、弁護士が預かり保管していた依頼者の金員を横領する事件が発生した場合、その被害を受けた依頼者の方に対し、所定の手続を経て、日本弁護士連合会からお見舞い金を支給するものです。

    同ページが挙げる支給対象は「次の2点を満たす場合」で、見出しはそれぞれ「依頼者の方または依頼者に準じる方(自然人に限ります)」と「2017年4月1日以降に横領があり、その被害金額が30万円を超えること」です。あわせて次の記載があります。

    • 「外国法事務弁護士による横領は、この制度の対象外です(弁護士法人や弁護士・外国法事務弁護士共同法人に所属している外国法事務弁護士による横領も同様です。)。」
    • 「被害額の一部が填補・賠償されているときは、その額を除いた額が30万円を超える場合に対象となります。」
    • 申請先は弁護士会で、注記は「※2 被害を与えた弁護士がその当時所属していた弁護士会。不明な場合は、現在所属する弁護士会かすでに弁護士でないときは最後に所属していた弁護士会。」
    • 申請の期限は「財産を失ったことを知った時から3年を経過した場合、または対象行為の時から5年を経過して申請した場合は原則として支給対象外となります。」
    • 支給上限は「被害者1人当たり500万円の枠内で決定」「同じ弁護士に被害者が複数いる場合は、弁護士1人につき総額2,000万円の枠内で決定」

    金額については、同ページに「お見舞い金という性格上、支給が確約されたものではなく、(中略)」という注意書きがあり、続けて「500万円以上の被害を受けた場合であっても、支給金額は500万円を下回る場合があります。」と書かれています。当サイトは、個別の事案がこの制度の対象になるかどうかの判断をしません。

    日本弁護士連合会「依頼者見舞金制度について」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition/mimaikin.html/同「弁護士に関するお問い合わせ」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition.html(いずれも2026年9月13日確認)

    10. この記事で扱わないこと

    紛議調停を申し立てるべきかどうか、申し立てた場合にどうなるか、報酬の請求額が妥当かどうかは、いずれも個別の判断です。当サイトはこれらを扱いません。特定の法律事務所・弁護士の優劣や評価も述べません。申立ての書式・手数料・期間、各弁護士会の市民窓口の名称や連絡先、各弁護士会の会則の中身は、今回の実査で取得した一次情報に記載がなかったため書いていません。

    依頼する前に確認できることとして、公式検索で実在を確認する手順、依頼時の面談に関する日弁連の規程、司法書士に依頼できる範囲(140万円)、非弁行為(弁護士法72条)、実在する弁護士をかたる詐欺への注意があります。費用の面は債務整理の費用の目安と法テラスの費用立替制度に、手続の公的な定義は債務整理の4つの方法と任意整理とはにまとめています。公的な相談窓口の一覧は借金の相談窓口、返済額の計算は返済計算ツールで確認できます。

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    紛議調停はどこに申し立てるのですか?

    日弁連は「全国の弁護士会には、紛議調停委員会が設置されており、その弁護士の所属する弁護士会に紛議調停の申立をすることができます。」と説明しています(2026年9月13日確認)。弁護士法41条も、調停をする主体を「弁護士会」と書いています。所属弁護士会の調べ方は日弁連の弁護士検索の手順にまとめています。

    申立ての費用や期間はどれくらいですか?

    弁護士法41条にも、日弁連の「弁護士とトラブルになったら」のページにも、費用・期間の記載はありません。手続の中身は弁護士法33条2項12号により各弁護士会の会則に置かれる事項とされており、当サイトは各弁護士会の会則を実取得していないため、金額や日数は本記事では扱いません。

    市民窓口と紛議調停と懲戒請求は同じものですか?

    日弁連の同じページの中で、別々の項目として並べられています。紛議調停は弁護士法41条に、懲戒請求は同法58条1項に条文の根拠があります。「市民窓口」という語は、e-Gov法令APIで取得した弁護士法のXML全体を機械で検索した範囲では0か所でした。どれを選ぶべきかについて、当サイトは判断しません。

    報酬が高いと感じた場合はどうすればよいですか?

    日弁連は紛議調停の説明の冒頭で「最初の約束より高い報酬を請求されたとか、弁護士の辞任・解任の際にトラブルが生じて容易に話し合いがつかないなど」を例として挙げています(2026年9月13日確認)。個別の請求額が妥当かどうかは当サイトでは判断しませんので、弁護士・司法書士にご相談ください。任意整理の報酬について日弁連の規程が置いている上限は任意整理の弁護士報酬の上限で確認できます。

    懲戒請求はいつまでできますか?

    弁護士法63条(除斥期間)は「懲戒の事由があつたときから三年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない。」と定めています。日弁連の「懲戒制度」ページも同じ内容を同法63条として説明しています(2026年9月13日確認)。個別の事案の起算点について、当サイトは判断しません。


    日本弁護士連合会「弁護士とトラブルになったら」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition/claim.html/同「懲戒制度」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition/chokai.html/同「依頼者見舞金制度について」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition/mimaikin.html/同「弁護士に関するお問い合わせ」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/petition.html/同「全国の弁護士会・弁護士会連合会」 https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html/弁護士法(昭和24年法律第205号) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205(いずれも2026年9月13日確認)

    関連記事

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月13日/このページは公表されている一次情報(日本弁護士連合会の公表ページ、e-Gov法令検索の法令APIで取得した弁護士法)のみを根拠に作成しています。条文は弁護士法の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。紛議調停の申立書式・手数料・審理期間・調停委員の構成・成立した調停の効力、各弁護士会の会則および市民窓口の名称・連絡先・費用、弁護士会の個数は、今回取得した一次情報に記載がなかったため記載していません。日弁連の弁護士検索・弁護士情報検索の検索結果は転載していません。個別の事案が懲戒事由・紛議に当たるかどうかの判断は行っていません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 再生計画どおりに払えなくなったら|民事再生法234条の計画変更・235条のハードシップ免責・236条の取消しを条文で確かめる

    再生計画どおりに払えなくなったら|民事再生法234条の計画変更・235条のハードシップ免責・236条の取消しを条文で確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    個人再生は、再生計画が認可され、その計画のとおりに返済すると残りの債務の免除を受けられる裁判所の手続です。では、認可された後に計画どおりの返済が続けられなくなった場合、法律はどんな手続を用意しているのか。民事再生法は、小規模個人再生の特則の中に234条(再生計画の変更)・235条(計画遂行が極めて困難となった場合の免責)・236条(再生計画の取消し)という3つの条文を置いています。この記事は、その3条の原文と、これらが準用・参照している条文(175条・176条・189条・244条・229条3項・232条)をe-Gov法令検索の法令全文で確認した記録です。先に、条文にはっきり書かれている3点を挙げます。①234条1項は「再生計画で定められた債務の期限を延長することができる」と定め、変更後の債務の最終の期限は「再生計画で定められた債務の最終の期限から二年を超えない範囲」で定めなければならないとしていること、②235条1項は4つの号の「いずれにも該当する場合」に裁判所が「免責の決定をすることができる」という書き方をしていること、③236条は小規模個人再生についての取消しの規定で、189条2項を準用していること。個別の事情がこれらの条文に当てはまるかどうか、申立てをすればどうなるかという見通しは、当サイトでは述べません。

    1. 条文の場所|第十三章第一節「小規模個人再生」の中にあります

    民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の法令全文をe-Gov法令APIで取得し(2026年9月13日)、章と節の構成を機械で走査しました。第十三章の章題は原文で「第十三章 小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則」で、次の2節に分かれています。

    節節題(原文)含まれる条
    第一節小規模個人再生221条〜238条(この中に234条・235条・236条があります)
    第二節給与所得者等再生239条〜245条
    民事再生法 第十三章の節構成。取得した法令XMLの Chapter/Section 要素を走査して確認したもの(2026年9月13日)。

    つまり234条・235条・236条は、条文の位置としては小規模個人再生についての規定です。給与所得者等再生にどう及ぶかは244条の準用の問題になるので、第5節で別に確認します。なお裁判所は、個人再生手続の特徴として「通常再生手続を簡素化した手続である点に特徴があり、個人再生手続では、過半数の債権額を有する債権者が反対しないという消極的同意で足ります。」と説明しています(2026年9月13日確認)。

    民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号) https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」個人再生手続 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html#qa_minzi_39(いずれも2026年9月13日確認)

    2. 234条=再生計画の変更|条文が定めているのは「債務の期限の延長」です

    234条の見出しは「(再生計画の変更)」で、3項からなります。原文は次のとおりです。

    第二百三十四条 小規模個人再生においては、再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときは、再生債務者の申立てにより、再生計画で定められた債務の期限を延長することができる。この場合においては、変更後の債務の最終の期限は、再生計画で定められた債務の最終の期限から二年を超えない範囲で定めなければならない。

    2 前項の規定により再生計画の変更の申立てがあった場合には、再生計画案の提出があった場合の手続に関する規定を準用する。

    3 第百七十五条(第二項を除く。)及び第百七十六条の規定は、再生計画の変更の決定があった場合について準用する。

    1項は2つの文からできています。前半が「延長することができる」という定め、後半(「この場合においては…」)が、変更後の最終期限の上限についての「定めなければならない」という定めです。以下は条文の文言を項目に分けたものであり、当サイトによる解釈や見通しではありません。

    条文の部分書かれていること(234条1項)
    対象となる手続小規模個人再生(条文の主語が「小規模個人再生においては」)
    いつの話か再生計画認可の決定があった後
    事由やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったとき(何が「やむを得ない事由」かは条文に定義がありません)
    誰の申立てか再生債務者の申立て
    変更できる内容再生計画で定められた債務の期限を延長すること(条文が挙げているのは期限の延長です)
    上限変更後の債務の最終の期限は、再生計画で定められた債務の最終の期限から二年を超えない範囲で定めなければならない
    民事再生法234条1項の文言を項目に分けたもの。表現はいずれも条文の語です。

    条文は「延長することができる」という書き方で、申立てがあれば延長されるとは書かれていません。当サイトは、どんな事情が「やむを得ない事由」に当たるか、申立てが認められるかについては述べません。返済期間そのもの(229条2項の「三月に一回以上」「三年後」「五年を超えない範囲内で」)は個人再生の最低弁済額の記事で扱っています。

    234条3項が準用している175条・176条の中身

    234条3項は「第百七十五条(第二項を除く。)及び第百七十六条の規定は、再生計画の変更の決定があった場合について準用する」と書いています。準用先を読まずに書かないため、175条・176条の原文も取得しました(2026年9月13日確認)。

    • 175条1項=「再生計画の認可又は不認可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。」
    • 175条2項=約定劣後再生債権を有する者の即時抗告を制限する規定。234条3項の括弧書きにより、この2項は準用の対象から除かれています。
    • 175条3項=「議決権を有しなかった再生債権者が第一項の即時抗告をするには、再生債権者であることを疎明しなければならない。」
    • 175条4項=3項の規定を、第18条において準用する民事訴訟法336条の規定による抗告および同法337条の規定による抗告の許可の申立てについて準用する旨の定め。
    • 176条=「再生計画は、認可の決定の確定により、効力を生ずる。」

    民事再生法234条・175条・176条・229条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    3. 235条=計画遂行が極めて困難となった場合の免責

    235条の見出しは、原文で「(計画遂行が極めて困難となった場合の免責)」です。取得した民事再生法の法令全文XML(附則を含む)を機械で検索したところ、「ハードシップ」という語の出現は0件でした。「ハードシップ免責」は検索で使われる呼び方であって、条文の言葉ではありません。また、見出し(ArticleCaption)に「免責」を含む条を全条にわたって走査すると、178条(再生債権の免責)と235条の2条だけです。

    235条1項の原文は次のとおりです(柱書と4つの号)。

    第二百三十五条 再生債務者がその責めに帰することができない事由により再生計画を遂行することが極めて困難となり、かつ、次の各号のいずれにも該当する場合には、裁判所は、再生債務者の申立てにより、免責の決定をすることができる。

    一 第二百三十二条第二項の規定により変更された後の各基準債権及び同条第三項ただし書に規定する各再生債権に対してその四分の三以上の額の弁済を終えていること。

    二 第二百二十九条第三項各号に掲げる請求権(第二百三十二条第四項(同条第五項ただし書において準用する場合を含む。)の規定により第百五十六条の一般的基準に従って弁済される部分に限る。)に対してその四分の三以上の額の弁済を終えていること。

    三 免責の決定をすることが再生債権者の一般の利益に反するものでないこと。

    四 前条の規定による再生計画の変更をすることが極めて困難であること。

    柱書の書き方を落とさずに読むと、条文は「その責めに帰することができない事由により再生計画を遂行することが極めて困難となり」という事由と、「次の各号のいずれにも該当する」ことの両方を置いた上で、裁判所が「免責の決定をすることができる」としています。号は4つで、「いずれにも該当する場合」と書かれています(いずれかではありません)。4号は「前条の規定による再生計画の変更をすることが極めて困難であること」=前節の234条の変更に触れる号です。当サイトは、どんな事情が各号に当たるかというあてはめは行いません。

    1号・2号に出てくる言葉は、条文自身が定義しています

    1号・2号は他の条文の言葉を使っています。参照先の原文も取得して確認しました(いずれも2026年9月13日確認・要旨)。

    1号・2号の語その語が置かれている条文
    基準債権231条2項3号が、無異議債権および評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権および84条2項各号に掲げる請求権を除く)を「以下『基準債権』という。」と定義しています
    232条2項の規定により変更された後の232条2項=小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定したときに、すべての再生債権者の権利が「第百五十六条の一般的基準に従い、変更される」という規定(229条3項各号に掲げる請求権および再生手続開始前の罰金等は除かれています)
    同条第三項ただし書に規定する各再生債権232条3項のただし書=債権者がその責めに帰することができない事由により債権届出期間内に届出をすることができず、その事由が230条3項の決定前に消滅しなかったもの、または再生債権の評価の対象となったもの
    229条3項各号に掲げる請求権悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権、故意または重大な過失により加えた人の生命・身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権、夫婦間の協力扶助・婚姻費用の分担・子の監護・扶養の各義務に係る請求権など(詳細は最低弁済額の記事で扱っています)
    156条の一般的基準156条=「再生債権者の権利を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準(…)を定めなければならない。」
    235条1項1号・2号が参照している条文。いずれも民事再生法の本則から抽出(2026年9月13日確認)。

    235条は全部で9項あります。2項以降に書かれていることは次のとおりです(条文の語による要旨)。

    項条文に書かれていること
    2項1項の申立てがあったときは、裁判所は届出再生債権者の意見を聴かなければならない
    3項免責の決定があったときは、再生債務者および届出再生債権者に対して、その主文および理由の要旨を記載した書面を送達しなければならない
    4項1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる
    5項免責の決定は、確定しなければその効力を生じない
    6項免責の決定が確定した場合には、再生債務者は、履行した部分を除き、再生債権者に対する債務(229条3項各号に掲げる請求権および再生手続開始前の罰金等を除く)の全部についてその責任を免れる
    7項免責の決定の確定は、別除権者が有する53条1項に規定する担保権、再生債権者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利、および再生債務者以外の者が再生債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない
    8項再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合の、2項・3項の読み替え(「届出再生債権者」に「住宅資金特別条項によって権利の変更を受けた者」を加える読み替え)
    9項6項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての免責の効力は、租税条約等実施特例法11条1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる
    民事再生法235条2項〜9項の要旨。括弧書き・ただし書を落とさずに原文から整理したもの(2026年9月13日確認)。

    民事再生法235条・232条・231条・229条・156条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    4. 236条=再生計画の取消し|189条とセットで読む条文です

    236条の見出しも「(再生計画の取消し)」で、1項だけの条文です。原文は次のとおりです。

    第二百三十六条 小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が、再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回ることが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。この場合においては、第百八十九条第二項の規定を準用する。

    注目すべきは「明らかになったときも」という助詞と、「第百八十九条第二項の規定を準用する」という2文目です。189条は通常の再生手続の「(再生計画の取消し)」の条文で、その1項は次の3つの事由を挙げています(原文)。

    第百八十九条 再生計画認可の決定が確定した場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。

    一 再生計画が不正の方法により成立したこと。

    二 再生債務者等が再生計画の履行を怠ったこと。

    三 再生債務者が第四十一条第一項若しくは第四十二条第一項の規定に違反し、又は第五十四条第二項に規定する監督委員の同意を得ないで同項の行為をしたこと。

    小規模個人再生について通常の再生手続の規定のうち適用されないものを並べているのは238条です。その原文を機械で走査すると、「百八十九」という文字が現れるのは1箇所だけで、それは「第百八十五条(第百八十九条第八項、第百九十条第二項及び第百九十五条第七項において準用する場合を含む。)」という括弧の中です。189条そのものは、238条が並べる適用除外の列挙には挙げられていません。これは条文の文字を数えた結果の指摘であり、個別の事案でどう扱われるかについて当サイトは述べません。

    236条が準用する189条2項、および取消しの決定が確定した場合について定める189条7項は次のとおりです(原文)。

    2 前項第一号に掲げる事由を理由とする同項の申立ては、再生債権者が再生計画認可の決定に対する即時抗告により同号の事由を主張したとき、若しくはこれを知りながら主張しなかったとき、再生債権者が同号に該当する事由があることを知った時から一月を経過したとき、又は再生計画認可の決定が確定した時から二年を経過したときは、することができない。

    7 第四項の決定が確定した場合には、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復する。ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない。

    6項・7項・8項が「第四項の決定」と書いているのは原文どおりの表記です(4項は、裁判所が再生計画取消しの決定をしたときの裁判書の送達と公告について定める項です)。7項のただし書(「ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない。」)も条文の一部です。

    民事再生法236条・189条・238条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    5. 給与所得者等再生ではどうなるか|244条の準用の列挙を1字ずつ確認する

    個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の2類型があります。第二節(給与所得者等再生)の244条は、第一節の規定のうちどれを準用するかを列挙しています(原文)。

    第二百四十四条 第二百二十一条第三項から第五項まで、第二百二十二条から第二百二十九条まで、第二百三十二条から第二百三十五条まで及び第二百三十七条第二項の規定は、給与所得者等再生について準用する。

    列挙を機械で照合すると、次のことが読み取れます。いずれも条文の文字についての事実です。

    条244条の列挙に含まれるか
    234条(再生計画の変更)含まれる(「第二百三十二条から第二百三十五条まで」の範囲内)
    235条(計画遂行が極めて困難となった場合の免責)含まれる(同上・範囲の末尾)
    236条(再生計画の取消し)列挙に含まれていません(範囲は235条までで、237条は2項だけが挙げられています)
    民事再生法244条の準用の列挙と、234条・235条・236条の対応(2026年9月13日確認)。

    給与所得者等再生の再生計画の取消しについては、第二節の中に242条が置かれています(原文)。

    第二百四十二条 給与所得者等再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回り、又は再生計画が前条第二項第七号に該当することが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。この場合においては、第百八十九条第二項の規定を準用する。

    236条と読み比べると、242条には「又は再生計画が前条第二項第七号に該当することが明らかになったとき」という部分が加わっています。「前条第二項第七号」=241条2項7号は、計画弁済総額が、条文の定める区分に応じた収入の合計額から所得税等に相当する額と「再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額」を控除した額に二を乗じた額以上の額であると認めることができないときを、給与所得者等再生の再生計画不認可事由として挙げる号です(同条3項は、この一年分の費用の額を政令で定めるとしています)。裁判所も給与所得者等再生について「債務者の年収額から生活に必要な費用を差し引いた額(可処分所得額)の2年分以上の額を返済することも必要になります。」と説明しています(2026年9月13日確認)。この下限そのものは最低弁済額の記事で扱っています。

    民事再生法244条・242条・241条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」個人再生手続 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html#qa_minzi_39(いずれも2026年9月13日確認)

    6. 235条の免責の決定が確定した後の「七年」という起算点

    235条1項の免責の決定は、別の手続の条文の中でも起算点として使われています。民事再生法239条5項2号は、給与所得者等再生を行うことを求める旨の申述について、次のイからハまでに定める日から七年以内に申述がされたことを、小規模個人再生により行う旨の決定をする事由の1つとして挙げています(原文・イからハまでの右側が「それぞれイからハまでに定める日」)。

    号の枝事由(原文)起算日(原文)
    イ給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと当該再生計画認可の決定の確定の日
    ロ第二百三十五条第一項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
    ハ破産法第二百五十二条第一項に規定する免責許可の決定が確定したこと当該決定の確定の日
    民事再生法239条5項2号イ〜ハ(2026年9月13日確認・本則から抽出)。同法241条2項6号は「第二百三十九条第五項第二号に規定する事由があるとき」を給与所得者等再生の再生計画不認可事由として挙げています。

    破産法(平成十六年法律第七十五号)の側にも、対になる規定があります。252条1項10号は、次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったことを免責不許可事由の1つとして挙げ、そのハを次のように定めています(原文)。

    ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと/当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日

    ※原文は左欄に事由、右欄に「定める日」を置く2欄構成です。上の引用では2欄を「/」で区切って示しています(語句の省略はしていません)。

    破産法252条1項の11の号と、同条2項(いわゆる裁量免責の規定)は免責不許可事由の記事で扱っています。当サイトは、実際にどの手続が選べるか、七年の起算がどうなるかという個別の判断は行いません。

    民事再生法239条・241条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225/破産法(平成十六年法律第七十五号)252条 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075(いずれも2026年9月13日確認・本則から抽出)

    7. 裁判所が公表している手続の案内(申立先・費用)

    ここまでの3条は条文で確認したものです。手続の入口についての裁判所の案内は次のとおりです(2026年9月13日確認・原文)。

    • 申立先=「原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。」
    • 申立てに必要な費用=「収入印紙1万円分」/「連絡用の郵便料、予納金」
    • 同ページの注記=「※連絡用の郵便料等については、裁判所ごとに異なりますので、申立先の裁判所へ確認してください。」
    • 申立てに必要な書類=「裁判所ごとに異なりますので、申立先の裁判所へ確認してください。」

    再生計画の内容については、同ページに「原則として3年間で債務の一定割合を分割して返済するもので、その返済総額が、債務者が自分の財産を処分して返済に当てる場合の額(清算価値)を上回らなければなりません」と記載されています。本記事の軸である234条・235条・236条の要件は、この案内ページではなく条文(前節までのとおり)を根拠としています。

    裁判所「個人再生」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_18/index.html(2026年9月13日確認)

    8. この記事で扱わないこと

    「やむを得ない事由」「その責めに帰することができない事由」「極めて困難」といった要件に個別の事情が当たるかどうか、4分の3という割合を具体的にどう計算するか、申立てをした場合の見通し、申立ての書式や個人再生委員の関与といった運用は、いずれも本記事では扱いません(民事再生規則・最高裁判所規則の様式は今回実査していません)。手続の全体像は債務整理の4つの方法と個人再生とは・自己破産とはで、返済額の下限は最低弁済額で確認できます。毎月の返済額の整理には当サイトの返済計算ツールが使えます。相談先を探す段階では、弁護士・司法書士が実在するかを公式検索で確認する手順と実在確認ナビ、費用については法テラスの立替制度、公的な窓口は借金の相談窓口をご覧ください。

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    「ハードシップ免責」は法律用語ですか?

    235条の見出しは原文で「(計画遂行が極めて困難となった場合の免責)」です。e-Gov法令APIで取得した民事再生法の法令全文XML(附則を含む)を機械検索したところ、「ハードシップ」という語の出現は0件でした(2026年9月13日)。検索で使われる呼び方であって、条文の言葉ではありません。

    再生計画の期限はどこまで延ばせると条文に書かれていますか?

    234条1項の後半が「変更後の債務の最終の期限は、再生計画で定められた債務の最終の期限から二年を超えない範囲で定めなければならない。」と定めています。前半は「延長することができる」という書き方で、申立てが認められるかどうかについては条文に書かれていません。個別の判断は弁護士・司法書士にご相談ください。

    給与所得者等再生でも234条・235条は使われるのですか?

    244条は「第二百三十二条から第二百三十五条まで」の規定を給与所得者等再生について準用すると列挙しており、234条・235条はこの範囲に含まれます。一方、236条は列挙に含まれておらず、給与所得者等再生の再生計画の取消しについては242条が別に置かれています(2026年9月13日確認)。

    再生計画が取り消されると、債権はどうなると条文に書かれていますか?

    189条7項は「第四項の決定が確定した場合には、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復する。ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない。」と定めています(「第四項の決定」は原文どおりの表記で、4項は取消しの決定をしたときの送達・公告についての項です)。236条は、この189条のうち2項を準用する旨を定めています。


    出典(再掲):民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号) https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225/破産法(平成十六年法律第七十五号) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075/裁判所「個人再生」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_18/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html#qa_minzi_39(いずれも2026年9月13日確認)

    関連記事

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月13日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・裁判所)のみを根拠に作成しています。条文は民事再生法および破産法の本則から抽出し、括弧書き・ただし書・柱書は省略せずに引用しています(省略する場合はその旨を明示しています)。要件のあてはめ、申立ての見通し、民事再生規則・様式、個人再生委員の関与といった運用は本記事では扱っていません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 小規模個人再生と給与所得者等再生の違い|民事再生法230条の書面等投票と241条の不認可事由を条文で確かめる

    小規模個人再生と給与所得者等再生の違い|民事再生法230条の書面等投票と241条の不認可事由を条文で確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の2つの類型があります。この記事は、その2つが条文のうえでどこがどう違うのかを、e-Gov法令検索の民事再生法(平成11年法律第225号)の本則と、裁判所・日本弁護士連合会・法テラスの公表情報だけで確認した記録です。先に結論として、条文にはっきり書かれている違いは次の3点です。①小規模個人再生には再生計画案の「決議」があり(230条)、給与所得者等再生にはその代わりに届出再生債権者からの「意見聴取」がある(240条)。②不認可事由を定める条文が別で、小規模個人再生は231条2項の5号、給与所得者等再生は241条2項の7号。③給与所得者等再生を準用の形で組み立てている244条は、230条と231条を準用の列挙に挙げていない。どちらの類型に当たるか、どちらを選ぶかという判断は、資料を見て行う個別の判断です。当サイトはそれを扱いません。

    1. 条文の置き場所|221条から238条まで/239条から245条まで

    民事再生法の本則で、この2類型は第十三章「小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則」に置かれています。本則を機械で読み出して数えたところ、小規模個人再生の条文は221条から238条までの18か条、給与所得者等再生の条文は239条から245条までの7か条でした(2026年9月13日確認)。

    入口の条文の書き方も対応しています。221条1項は小規模個人再生を求めることができる者を定め、239条1項はそのうちの一部という書き方をしています(原文)。

    第二百二十一条第一項に規定する債務者のうち、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「給与所得者等再生」という。)を行うことを求めることができる。

    裁判所の説明も同じ構造です。「個人再生」のページは、①を小規模個人再生、②を「①の中でも、給与所得者など将来の収入を確実で簡単に把握することが可能な人が申立てることができる給与所得者等再生」と書いています(2026年9月13日確認)。法テラスの公式FAQも、給与所得者等再生について「(1)の条件に加えて次の条件が必要となります。・収入が給料などで、その金額が安定していること」と説明しています。つまり条文上も公的な説明上も、2つは並列ではなく、後者が前者の内側にある形です。221条1項の「五千万円を超えないもの」という要件については個人再生の最低弁済額とはで条文を引いています。

    民事再生法(平成11年法律第225号)221条・239条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225(2026年9月13日確認・本則から抽出)/裁判所「個人再生」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_18/index.html/法テラス「個人再生にはどのような種類のものがありますか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-sonota-002.html(いずれも2026年9月13日確認)

    2. 決め方が違う|230条の決議と、240条の意見聴取

    最大の違いは、再生計画案を債権者にどう諮るかです。

    小規模個人再生=230条の決議(書面等投票)

    230条3項は、裁判所が再生計画案を決議に付する決定をする際の議決権行使の方法を、169条2項2号に掲げる方法に限定しています(原文)。

    再生計画案の提出があったときは、裁判所は、前二項の場合を除き、議決権行使の方法としての第百六十九条第二項第二号に掲げる方法及び第百七十二条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により議決権の不統一行使をする場合における裁判所に対する通知の期限を定めて、再生計画案を決議に付する旨の決定をする。

    その169条2項2号は「書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法」です。同項1号の「債権者集会の期日において議決権を行使する方法」と3号の選択方式は、230条3項では引かれていません。

    そして230条4項は、議決権者に通知すべき事項として、「再生計画案に同意しない者は裁判所の定める期間内に同項の規定により定められた方法によりその旨を回答すべき旨」を挙げています。回答するのは「同意しない者」の側です。

    給与所得者等再生=240条の意見聴取

    これに対し240条1項は、給与所得者等再生では再生計画案の提出があったとき、裁判所は一定の場合を除き「再生計画案を認可すべきかどうかについての届出再生債権者の意見を聴く旨の決定」をしなければならないと定めています。その除外事由は同項1号から4号までの4つで、1号は「再生計画案について次条第二項各号のいずれかに該当する事由があると認めるとき。」です。

    意見の中身も条文が限定しています。240条2項は、届出再生債権者に対して次の旨を通知しなければならないと定めています(原文)。

    前項の決定をした場合には、その旨を公告し、かつ、届出再生債権者に対して、再生計画案の内容又はその要旨を通知するとともに、再生計画案について次条第二項各号のいずれかに該当する事由がある旨の意見がある者は裁判所の定める期間内にその旨及び当該事由を具体的に記載した書面を提出すべき旨を通知しなければならない。

    条文の文言をそのまま読めば、小規模個人再生で回答するのは「同意しない」という意思であり、給与所得者等再生で提出するのは「241条2項各号のいずれかに該当する事由がある」という意見とその具体的な記載です。どちらが有利かという評価は当サイトでは行いません。

    244条は230条・231条を準用していません

    給与所得者等再生の条文が7か条で足りているのは、多くを小規模個人再生から準用しているからです。244条の全文は次のとおりです(原文)。

    第二百二十一条第三項から第五項まで、第二百二十二条から第二百二十九条まで、第二百三十二条から第二百三十五条まで及び第二百三十七条第二項の規定は、給与所得者等再生について準用する。

    この列挙には、230条(再生計画案の決議)・231条(再生計画の認可又は不認可の決定)・236条(再生計画の取消し)が入っていません。代わりに置かれているのが240条・241条・242条です。

    民事再生法169条・230条・240条・244条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    3. 「同意しない」をどう数えるか|230条6項・7項

    小規模個人再生で可決とみなされる要件は、230条6項が定めています(原文)。

    第四項の期間内に再生計画案に同意しない旨を同項の方法により回答した議決権者が議決権者総数の半数に満たず、かつ、その議決権の額が議決権者の議決権の総額の二分の一を超えないときは、再生計画案の可決があったものとみなす。

    条文が置いている条件は①頭数(議決権者総数の半数)②議決権の額(議決権の総額の二分の一)の2つで、「かつ」で結ばれています。裁判所の「裁判手続 民事事件Q&A」も、個人再生手続について次のように説明しています(原文)。

    通常再生手続を簡素化した手続である点に特徴があり、個人再生手続では、過半数の債権額を有する債権者が反対しないという消極的同意で足ります。

    議決権の額の基準は230条8項にあり、無異議債権については届出があった再生債権の額または担保不足見込額に応じて、評価済債権についてはその額に応じて議決権を行使できると定めています(同項が「無異議債権」「評価済債権」の定義を置いている条文です)。

    また230条7項は、議決権の一部のみを行使した議決権者がいる場合の数え方について、「当該議決権者一人につき、議決権者総数に一を、再生計画案に同意しない旨を第四項の方法により回答した議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。」と定めています。個別の事案で誰が議決権者になり、どの額で数えられるかは、届出と異議・評価の結果によって決まる事項です。当サイトはその見通しを述べません。

    民事再生法230条6項・7項・8項 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月13日確認)

    4. 不認可事由の条文が別|231条2項(5号)と241条2項(7号)

    本則を機械で読み出して数えたところ、231条2項の号は5号(一号から五号)、241条2項の号は7号(一号から七号)でした。231条2項各号の中身(五千万円・十分の一・五分の一・百万円・三百万円といった条文上の下限)は個人再生の最低弁済額とはで原文を引いていますので、ここでは2つの条文の対応関係だけを並べます。

    241条2項の号条文が定める不認可事由(要旨)小規模個人再生の対応
    1号174条2項1号または2号に規定する事由(住宅資金特別条項を定めた再生計画の場合は同項1号または202条2項2号)があるとき231条1項が174条2項を引用(3号・4号を含む)
    2号「再生計画が再生債権者の一般の利益に反するとき。」174条2項4号は「再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。」
    3号住宅資金特別条項を定めたものである場合に202条2項3号の事由があるとき231条1項が202条2項を引用
    4号再生債務者が、給与若しくはこれに類する定期的な収入を得ている者に該当しないか、またはその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないとき対応する号なし(231条2項1号は「継続的に又は反復して収入を得る見込みがないとき」)
    5号231条2項2号から5号までに規定する事由のいずれかがあるとき231条2項2号〜5号そのもの
    6号239条5項2号に規定する事由があるとき(=7年以内)対応する号なし
    7号計画弁済総額が、イ〜ハの区分に応じた額から「最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額」を控除した額に二を乗じた額以上であると認めることができないとき対応する号なし
    民事再生法241条2項各号と、小規模個人再生側の条文の対応。要旨は条文の文言に基づく整理で、条文にこの形の表があるわけではありません。

    細かい点ですが、174条2項4号は「再生計画の決議が」、241条2項2号は「再生計画が」再生債権者の一般の利益に反するとき、と書かれています。給与所得者等再生には決議がないため、条文の主語も揃えられている形です。また241条2項1号が174条2項のうち1号と2号だけを引いているのは、同項3号が「再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。」という決議を前提とした事由だからと読める書き方になっています(この読み方は条文の文言に基づく整理です)。

    民事再生法174条2項・231条・241条2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    5. 給与所得者等再生にしかない号|4号・6号・7号

    上の表で「対応する号なし」となった3つが、給与所得者等再生に固有の条文です。

    241条2項4号|「得る見込みがある者」と「得ている者」

    入口の239条1項は「給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者」と書いていますが、不認可事由の241条2項4号は「給与若しくはこれに類する定期的な収入を得ている者に該当しないか、又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないとき。」と書かれています。条文の文言が異なるという事実だけを記録します。個別の収入がどちらに当たるかの判断は当サイトでは行いません。

    241条2項6号→239条5項2号|3つの起算日から7年以内

    239条5項2号は、次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合に、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に給与所得者等再生を求める申述がされたことを事由として挙げています(原文の各号)。

    号事由起算日
    イ給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと当該再生計画認可の決定の確定の日
    ロ235条1項(244条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
    ハ破産法252条1項に規定する免責許可の決定が確定したこと当該決定の確定の日
    民事再生法239条5項2号イ〜ハ(2026年9月13日確認・本則から抽出)。同号は241条2項6号が引用しています。

    239条5項の柱書は、この事由が明らかであると認めるときは、裁判所は再生手続開始の決定前に限り「再生事件を小規模個人再生により行う旨の決定をする」と定めています。ただし同項ただし書は、再生債務者が3項本文により小規模個人再生による手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は申立てを棄却しなければならないとしています。この「7年」は、破産の側から見ると破産法252条1項10号の免責不許可事由と鏡合わせの関係にあります(同号の条文は免責不許可事由とはで引いています)。

    241条2項7号|可処分所得の2年分

    7号の計算式(イ〜ハの区分に応じた額から一年分の費用の額を控除し、二を乗じる)は個人再生の最低弁済額とはで扱っています。イ・ロ・ハの区分がいずれも「再生計画案の提出前二年間」を基準にしていること、イが「再就職その他の年収について五分の一以上の変動を生ずべき事由が生じた場合」を切り出していることが、条文の書き方です。裁判所も、小規模個人再生の返済の要件として①3年間(最長5年間)の分割、②無担保債務の総額に応じた下限、③清算価値以上の3つを挙げたうえで「給与所得者等再生では、その3つに加えて、債務者の年収額から生活に必要な費用を差し引いた額(可処分所得額)の2年分以上の額を返済することも必要になります。」と説明しています(2026年9月13日確認)。

    民事再生法239条5項・241条2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月13日確認)

    6. 「一年分の費用の額」を定める政令は実在します|平成13年政令第50号

    241条3項は、7号の「一年分の費用の額」について「再生債務者及びその扶養を受けるべき者の年齢及び居住地域、当該扶養を受けるべき者の数、物価の状況その他一切の事情を勘案して政令で定める。」と規定しています。その政令は「民事再生法第二百四十一条第三項の額を定める政令」(平成十三年政令第五十号)としてe-Gov法令検索に収録されています(2026年9月13日確認)。同令1条は次のとおりです(原文)。

    民事再生法(以下「法」という。)第二百四十一条第三項の一年分の費用の額は、次に掲げる額の合計額とする。
    一 個人別生活費の額
    二 世帯別生活費の額
    三 冬季特別生活費の額
    四 住居費の額
    五 勤労必要経費の額

    本則を機械で読み出して数えたところ、この政令は1条から7条までの7か条と、枝番を含めて23の別表で構成されていました。別表第一「居住地域の区分の表」は第一区から第六区までの6区分で、第六区は「第一区から第五区まで以外の市町村」です。個人別生活費・世帯別生活費・冬季特別生活費は、この6区分それぞれに別表が用意されています。

    金額の決まり方について、条文に書かれている事実を2つだけ挙げます。①2条2項は、個人別生活費の表で使う年齢を「再生債務者が再生計画案を提出した日以後の最初の四月一日における年齢」としています。②6条1項は勤労必要経費を「再生債務者の収入が勤労に基づいて得たものである場合には」と条件付きで定め、同条3項は「第一項に規定する場合以外の場合においては、勤労必要経費の額は、ないものとする。」としています。別表の具体的な金額と、それを当てはめた計算結果は、資料を見て行う個別の作業です。当サイトでは扱いません。

    民事再生法第二百四十一条第三項の額を定める政令(平成十三年政令第五十号) https://laws.e-gov.go.jp/law/413CO0000000050(2026年9月13日確認・本則および別表から抽出)

    7. 計画の取消しの条文も別|236条と242条

    認可の決定が確定した後の取消しについても、条文は2本に分かれています。小規模個人再生の236条は、計画弁済総額が、認可の決定があった時点で破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回ることが明らかになったときを、再生債権者の申立てによる取消しの事由として定めています。給与所得者等再生の242条は次のとおりです(原文)。

    給与所得者等再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回り、又は再生計画が前条第二項第七号に該当することが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。この場合においては、第百八十九条第二項の規定を準用する。

    「又は再生計画が前条第二項第七号に該当することが明らかになったとき」の部分が、236条にはない事由です。241条2項7号=可処分所得の2年分の下限が、認可後の取消事由としても働く書き方になっています。

    一方、244条が準用している222条から229条までと232条から235条までは、2類型に共通します。住宅資金特別条項の適用場面を除き、個人再生委員(223条)、債権者一覧表に基づくみなし届出(225条)、届出再生債権に対する異議(226条)、再生債権の評価(227条)、再生計画による権利の変更の内容と弁済期の定め(229条)、再生計画の効力(232条)、計画遂行が極めて困難となった場合の免責(235条)は、条文上どちらの類型でも同じ規定が働きます。

    民事再生法236条・242条・244条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    8. 書式の側から見える違い

    日本弁護士連合会は「個人再生手続参考書式」として、東京地方裁判所で利用されている東京地裁モデルの書式一覧を公開しています。その一覧には書式1「再生手続開始申立書(小規模個人再生)」と書式2「再生手続開始申立書(給与所得者等再生)」が別の書式として並んでおり、書式8として「可処分所得額算出シート」が置かれています(2026年9月13日確認)。同ページは書式8に※の注記を付け、エクセルの計算式の関係で⑮の値が1少なく表示される場合がある旨をあらかじめ留意するよう書いています。またページ冒頭には、掲載の書式が東京地裁モデルであること、地域によってはその地域の書式のみを専用的に利用している所があること、利用前に申立てを予定している地方裁判所に利用書式を問い合わせるよう求める注記があります。書式そのものの中身は転載しません。リンク先でご確認ください。

    裁判所側の「個人再生手続で使う書式」ページに掲載されているダウンロードファイルは、機械で数えたところ3点(再生債権の名義変更届出書、再生債権の(一部・全部)取下書、再生計画認可決定確定証明申請書)でした(2026年9月13日確認)。申立てに必要な書類について、裁判所の「個人再生」ページは「裁判所ごとに異なりますので、申立先の裁判所へ確認してください。」と記載しています。申立てに必要な費用として同ページが挙げているのは「収入印紙1万円分」と「連絡用の郵便料、予納金」で、連絡用の郵便料等は裁判所ごとに異なるため申立先の裁判所へ確認するよう※で注記されています。相談前にそろえる資料の考え方は債務整理の相談に持っていく資料にまとめています。

    日本弁護士連合会「個人再生手続参考書式」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/oyakudachi/kojinsaisei.html/裁判所「個人再生手続で使う書式」 https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_hasan/kojinsaisei/index.html/裁判所「個人再生」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_18/index.html(いずれも2026年9月13日確認)

    9. この記事で扱わないこと

    自分がどちらの類型に当たるか、どちらを選ぶことになるか、可処分所得や清算価値がいくらになるか、債権者が同意しない旨を回答するかどうか。これらはいずれも資料と個別の事情を見て行う判断であり、当サイトは扱いません。手続そのものの位置づけは個人再生とはと債務整理の4つの方法、条文上の弁済額の下限は個人再生の最低弁済額とは、住宅ローンがある場合の特則は住宅資金特別条項、破産との違いは自己破産とはで扱っています。相談先を選ぶ前には日弁連・日司連の公式検索で実在を確認する手順と実在確認ナビをご覧ください。費用の公的制度は法テラスの費用立替制度と立替基準額、今の返済の整理には返済の計算ツールが使えます。

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    2つの類型のいちばん大きな違いは何ですか?

    条文の違いとしては、再生計画案を債権者に諮る仕組みが別であることです。小規模個人再生には230条の決議があり、同条3項は議決権行使の方法を169条2項2号の「書面等投票」に限定しています。給与所得者等再生にはその代わりに240条の意見聴取が置かれ、244条の準用の列挙に230条と231条は入っていません(2026年9月13日確認・本則から抽出)。どちらが向いているかという判断は当サイトでは行いません。

    債権者が反対すると小規模個人再生はどうなるのですか?

    230条6項は、同意しない旨を回答した議決権者が議決権者総数の半数に満たず、かつその議決権の額が議決権者の議決権の総額の二分の一を超えないときは可決があったものとみなす、と定めています。裁判所も「過半数の債権額を有する債権者が反対しないという消極的同意で足ります」と説明しています(2026年9月13日確認)。個別の事案で誰が議決権者になり、どう数えられるかは当サイトでは判断しません。

    給与所得者等再生には「7年」の制限があると聞きました。

    241条2項6号が239条5項2号を引用しています。同号は、イ=給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと(起算日は当該再生計画認可の決定の確定の日)、ロ=235条1項に規定する免責の決定が確定したこと(起算日は当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日)、ハ=破産法252条1項に規定する免責許可の決定が確定したこと(起算日は当該決定の確定の日)の3つを挙げ、それぞれの日から7年以内に申述がされたことを事由としています。小規模個人再生の231条2項には対応する号がありません(2026年9月13日確認・本則から抽出)。

    可処分所得を計算する政令は公開されているのですか?

    「民事再生法第二百四十一条第三項の額を定める政令」(平成十三年政令第五十号)がe-Gov法令検索に収録されています。同令1条は一年分の費用の額を個人別生活費・世帯別生活費・冬季特別生活費・住居費・勤労必要経費の5つの合計額とし、別表第一は居住地域を第一区から第六区までの6区分に分けています(2026年9月13日確認)。別表の金額と、それを当てはめた計算は当サイトでは扱いません。弁護士・司法書士にご相談ください。


    民事再生法(平成11年法律第225号) https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225/民事再生法第二百四十一条第三項の額を定める政令(平成十三年政令第五十号) https://laws.e-gov.go.jp/law/413CO0000000050/裁判所「個人再生」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_18/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html/裁判所「個人再生手続で使う書式」 https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_hasan/kojinsaisei/index.html/日本弁護士連合会「個人再生手続参考書式」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/oyakudachi/kojinsaisei.html/法テラス「個人再生にはどのような種類のものがありますか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-sonota-002.html(いずれも2026年9月13日確認)

    関連記事

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月16日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索の民事再生法および平成十三年政令第五十号、裁判所の個人再生ページ・民事事件Q&A・個人再生手続で使う書式、日本弁護士連合会の個人再生手続参考書式、法テラスの公式FAQ)のみを根拠に作成しています。条文はいずれも本則(政令は本則および別表)から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。条数・号数・別表の数は原文を機械で読み出して数えた値です。政令別表の具体的な金額、東京地裁モデル書式の中身、各裁判所の運用、どちらの類型に当たるかというあてはめは、本記事では扱っていません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 財産開示手続と第三者からの情報取得手続とは|債権者が債務者の財産を調べる手続を民事執行法と裁判所の公表情報で確かめる

    財産開示手続と第三者からの情報取得手続とは|債権者が債務者の財産を調べる手続を民事執行法と裁判所の公表情報で確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    返済が滞り、判決や公正証書などが債権者の手にある状態になると、「勤務先や口座を調べられるのか」という疑問が出てきます。これについて民事執行法は、財産開示手続と第三者からの情報取得手続という2つの手続を置いています。この記事は、その2つが条文上どういう仕組みなのかを、e-Gov法令検索の民事執行法(昭和54年法律第4号)の本則と裁判所の手続案内・民事事件Q&Aだけで確認した記録です。先に結論として、一次情報にはっきり書かれているのは次の3点です。①どちらの手続も入口は「執行力のある債務名義の正本」など(民事執行法197条1項・205条1項・207条1項)であること、②申立てには、配当等の手続で完全な弁済を得ることができなかったこと(197条1項1号)、または知れている財産に対する強制執行を実施しても完全な弁済を得られないことの疎明があったこと(同項2号)のいずれかが要ること、③給与(勤務先)の情報だけは申立てできる債権者が条文で限られており、裁判所は「貸金等の債務名義や上記以外の一般の先取特権を有する債権者は、㋑勤務先情報の申立てをすることはできません」と記載していること。個別の事案で何が起きるかは当サイトでは判断しません。

    1. 2つの手続は民事執行法のどこにあるか

    民事執行法の本則には第四章 債務者の財産状況の調査という章があり、その中が第一節 財産開示手続(196条〜203条)と第二節 第三者からの情報取得手続(204条〜211条)に分かれています(2026年9月12日確認)。名前のとおり、前者は債務者本人に裁判所で財産を述べさせる手続、後者は市町村や銀行など第三者から情報を出させる手続です。

    裁判所は「財産開示」の手続案内で、次のように説明しています(2026年9月12日確認・原文)。

    ①執行力のある債務名義を有する金銭債権の債権者、②一般の先取特権を有する債権者が、債務者の財産がどこにあるかわからない場合等に、債務者の財産に関する情報を得るため、債務者(開示義務者)に裁判所に出頭してもらい、財産の状況について陳述してもらう手続です。この手続の結果を踏まえて、債権執行や不動産の強制競売などを申し立てるかを検討することができます。一般先取特権を有する債権者としては、例えば、雇用関係に基づいて生じた債権を有する者(民法306条2号、308条)や、子の監護の費用を有する者(民法306条3号、308条の2)等が挙げられます。

    「情報取得」の手続案内の冒頭は次のとおりです(原文)。

    債務者の銀行預金や給与、不動産等に関する情報を、債権者が特定した銀行や市町村、登記所等から提供してもらう手続です。この手続の結果を踏まえて、債権執行や不動産の強制競売などを申し立てるかを検討することができます。

    いずれのページも、これらが調べるだけの手続である点を注記しています。情報取得のページの注記は「※情報取得手続は、債務者の財産を調査するのみの手続です。債権を回収するためには、債権差押えなどの強制執行や担保権実行を別途行う必要があります。」、財産開示のページの注記は「※債権者が債権を回収するには、陳述によって知り得た債務者の財産に対し、別途強制執行の申立てをする必要があります。」です(いずれも原文・2026年9月12日確認)。

    なお、両ページは上の注記の直後に「※養育費等の特則」という見出しを置き、次の2文を記載しています(両ページとも同じ文・原文・2026年9月13日確認)。

    令和8年4月から、養育費等の扶養義務に係る定期金債権に基づいて債務者の給与等を差し押さえようとする場合、債務者の財産を調査するための手続と、その手続で判明した給与の差押え手続を1回の申立てでできるようになりました。この手続をワンストップ執行手続と言います。

    この注記は両ページでこのあとも続いていますが、本記事では上の2文だけを引用し、それ以降は省略します。本記事ではこの特則の内容には立ち入りません。

    管轄も条文にあります。財産開示手続について196条は「管轄」という見出しで次のように定めています(原文)。

    この節の規定による債務者の財産の開示に関する手続(以下「財産開示手続」という。)については、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。

    第三者からの情報取得手続については204条が同じく「管轄」の見出しで、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所を執行裁判所とし、その普通裁判籍がないときは情報の提供を命じられるべき者の所在地を管轄する地方裁判所とする、と定めています。裁判所の両ページは、申立先をいずれも「債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。」と記載しています。

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/裁判所「財産開示」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_11/index.html/裁判所「情報取得」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_12/index.html(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出。両ページの「※養育費等の特則」の注記は2026年9月13日に再確認)

    2. 入口は「執行力のある債務名義の正本」

    財産開示手続の実施決定について、197条1項は次のように定めています(原文・柱書と各号の全文)。

    執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
    一 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。
    二 知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。

    ここでいう債務名義は、民事執行法22条が「強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。」として列挙しているものです。1号が確定判決、2号が仮執行の宣言を付した判決、4号が仮執行の宣言を付した支払督促、5号が「金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載され、又は記録されているもの」(執行証書)、7号が「確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)」です。つまりこの2つの手続は、訴訟や支払督促などが先にあって初めて使えるものだという構造が条文から読み取れます。訴えられた段階の手続は裁判所から訴状が届いたらと支払督促が届いたらで扱っています。

    197条2項は、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者についても同じ枠組みを置いています。また197条3項は、繰り返しの申立てに制限を置いています(原文・柱書と各号の全文)。

    前二項の規定にかかわらず、債務者(債務者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、債務者が法人である場合にあつてはその代表者。第一号において同じ。)が前二項の申立ての日前三年以内に財産開示期日(財産を開示すべき期日をいう。以下同じ。)においてその財産について陳述をしたものであるときは、財産開示手続を実施する旨の決定をすることができない。ただし、次の各号に掲げる事由のいずれかがある場合は、この限りでない。
    一 債務者が当該財産開示期日において一部の財産を開示しなかつたとき。
    二 債務者が当該財産開示期日の後に新たに財産を取得したとき。
    三 当該財産開示期日の後に債務者と使用者との雇用関係が終了したとき。

    裁判所の民事事件Q&Aも、財産開示手続の申立ての要件として「強制執行等の手続によって完全な弁済を受けられなかった、又は受けられないこと(民事執行法197条1項各号、2項各号)」と「(必要な場合のみ)債務者が申立ての日前3年以内に財産開示期日においてその財産を開示した者でないこと(民事執行法197条3項)」の2つを挙げ、1号の申立てでは配当表または弁済金交付計算書の写しなど、2号の申立てでは「財産調査結果報告書」記載の資料が証拠書類になると説明しています(2026年9月12日確認)。

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出。197条1項各号と22条1項各号の文言は2026年9月13日にe-Gov法令検索の本則で再確認)

    3. 財産開示期日に何が行われるか

    実施決定が確定すると、198条1項により執行裁判所が財産開示期日を指定し、198条2項により申立人と債務者(債務者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、債務者が法人である場合にあつてはその代表者)が呼び出されます。この198条2項2号に掲げる者が、199条以下でいう開示義務者です。199条1項は次のとおりです(原文)。

    開示義務者(前条第二項第二号に掲げる者をいう。以下同じ。)は、財産開示期日に出頭し、債務者の財産(第百三十一条第一号又は第二号に掲げる動産を除く。)について陳述しなければならない。

    期日では、執行裁判所が開示義務者に質問を発することができ(199条3項)、申立人も「執行裁判所の許可を得て開示義務者に対し質問を発することができる」と定められています(199条4項)。裁判所の手続案内は、この点に運用上の限定を添えています(原文)。

    申立人(申立人が法人の場合は代表者)、同代理人弁護士、同許可代理人は、財産開示期日に出頭し、執行裁判所の許可を得て、開示義務者に対し質問することができます(民事執行法199条4項)が、探索的な質問や債務者を困惑させる質問は許可されません。

    期日そのものは非公開です。199条6項は「財産開示期日における手続は、公開しない。」と定めています(原文)。また200条1項は、一部を開示した開示義務者について、申立人の同意がある場合などに執行裁判所の許可を受けたときは、その余の財産について陳述することを要しないという例外を置いています。

    裁判所の手続案内が示す流れは、①申立てに理由があると認めるときは実施決定をして債務者に送達、②「債務者への送達から1週間を経過したときは、実施決定が確定します。」、③確定したら財産開示期日とともに債務者(開示義務者)の財産目録提出期限が指定される、という順です(原文・2026年9月12日確認)。同ページは、期日への出頭について「ウェブ会議システムを利用して財産開示期日に出頭することができます」とし、申立人については裁判所が相当と認める場合に、開示義務者については申立人に異議がないなど一定の要件を満たし裁判所が相当と認める場合に認められると記載しています。

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/裁判所「財産開示」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_11/index.html(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)

    4. 出頭・陳述について条文が置いている罰則

    財産開示期日に関しては、民事執行法213条が罰則を置いています。同条の見出しは「陳述等拒絶の罪」です。1項の柱書は次のとおりです(原文)。

    次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

    1項は6つの号を並べていますが、1号から4号は売却基準価額の審尋や執行官の質問など財産開示以外の場面に関する号です(ここでは1号〜4号を略します)。財産開示期日に関するのは5号と6号で、それぞれ次のとおりです(原文)。

    五 執行裁判所の呼出しを受けた財産開示期日において、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓を拒んだ開示義務者

    六 第百九十九条第七項において準用する民事訴訟法第二百一条第一項の規定により財産開示期日において宣誓した開示義務者であつて、正当な理由なく第百九十九条第一項から第四項までの規定により陳述すべき事項について陳述をせず、又は虚偽の陳述をしたもの

    あわせて、裁判所の手続案内は流れの最後に「開示義務者が財産開示期日に出頭しなかった場合、原則として、財産開示手続は終了します。」と記載しています(原文)。当サイトは、この条文が個別の事案でどう扱われるかについては述べません。条文にこう書かれている、という事実の記録です。

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/裁判所「財産開示」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_11/index.html(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)

    5. 第三者からの情報取得手続で取れる4種類

    裁判所の「情報取得」のページは、第三者から入手できる情報を㋐〜㋓の4つに整理しています。同ページの記載と、対応する条文は次のとおりです。

    区分裁判所ページの記載条文第三者(Q&Aの記載)
    ㋐ 不動産情報債務者名義の不動産(土地・建物)の所在地や家屋番号205条(債務者の不動産に係る情報の取得)「東京法務局」
    ㋑ 勤務先情報債務者に対する給与の支払者(債務者の勤務先)の名称や住所206条(債務者の給与債権に係る情報の取得)①市区町村か②日本年金機構など厚生年金を扱う団体
    ㋒ 預貯金情報債務者の有する預貯金口座の情報(支店名、口座番号、額)207条1項1号(銀行等)銀行や信用金庫などの金融機関
    ㋓ 振替社債等情報債務者名義の株式・社債・国債等の銘柄及び額又は数207条1項2号(振替機関等)振替機関又は口座管理機関である証券会社等の金融商品取引業者や銀行など
    裁判所「情報取得」ページの㋐〜㋓の記載と、民事執行法の対応条文。第三者の欄は裁判所の民事事件Q&A「情報取得手続の第三者について教えてください。」の記載です(2026年9月12日確認)。

    条文の側から見ると、205条1項は「債務者が所有権の登記名義人である土地又は建物その他これらに準ずるものとして法務省令で定めるもの」について、法務省令で定める登記所に情報の提供を命じる形です。207条1項は、1号で銀行等に対する預貯金債権、2号で振替機関等の振替口座簿に記載・記録された振替社債等を挙げています。207条1項の柱書は、これらの各号に掲げる者であつて「最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したもの」に対して情報の提供を命じる、という書き方です。

    裁判所「情報取得」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_12/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html/民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出。205条1項・207条1項の柱書は2026年9月13日にe-Gov法令検索の本則で再確認)

    6. 勤務先の情報は、申し立てられる債権者が条文で限られている

    4種類のうち㋑勤務先情報だけは、条文が請求権の種類で入口を絞っています。206条1項の柱書は次のとおりです(原文・各号は下の表に分けて示します)。

    執行裁判所は、第百九十七条第一項各号のいずれかに該当するときは、第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。

    柱書が引いている「第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務」は、同条の見出し「扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例」のとおり、次の4つです(原文)。

    号条文の文言
    一民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
    二民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
    三民法第七百六十六条及び第七百六十六条の三(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
    四民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
    民事執行法151条の2第1項各号(同項柱書が「次に掲げる義務」として掲げるもの)。206条1項の柱書はこれらに係る請求権と、人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権を挙げています。

    206条1項の各号は二欄組みで、1号の左欄が市町村、右欄が地方税法317条の2第1項ただし書に規定する給与に係る債権への強制執行等の申立てに必要となる事項(当該市町村が債務者の市町村民税に係る事務に関して知り得たものに限る)、2号の左欄が日本年金機構、国家公務員共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団、右欄が厚生年金保険法3条1項3号に規定する報酬または同項4号に規定する賞与に係る債権への申立てに必要となる事項です。

    この絞り込みについて、裁判所の「情報取得」ページの注記は、最後を次の一文で結んでいます(原文)。

    貸金等の債務名義や上記以外の一般の先取特権を有する債権者は、㋑勤務先情報の申立てをすることはできません。

    なお、給料そのものの差押えの範囲は別の条文(152条)の話です。その内容は給料の差押えはいくらまでか|民事執行法152条の「4分の3」と施行令2条の「33万円」で条文をたどっています。

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/裁判所「情報取得」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_12/index.html(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)

    7. 不動産・勤務先の情報には「財産開示が先」という要件がある

    205条2項は、不動産に係る情報の取得の申立てについて次のように定めています(原文)。

    前項の申立ては、財産開示期日における手続が実施された場合(当該財産開示期日に係る財産開示手続において第二百条第一項の許可がされたときを除く。)において、当該財産開示期日から三年以内に限り、することができる。

    この2項から5項までは、206条3項によって給与債権に係る情報の取得の申立てにも準用されています。裁判所の民事事件Q&Aも、情報取得手続の要件の2つ目として「財産開示手続を行っていること(民事執行法205条2項)(㋐不動産情報、㋑勤務先情報のみ)」を挙げ、㋐と㋑の申立てでは申立ての日より前3年以内に財産開示期日における手続が実施されたことの証明が必要だと説明しています(2026年9月12日確認)。㋒預貯金情報と㋓振替社債等情報については、この要件は条文にも裁判所の説明にも置かれていません。

    債務者に決定が届くかどうかも、区分によって条文の作りが違います。205条3項は、申立てを認容する決定がされたときはその決定を債務者に送達しなければならないと定め、4項が執行抗告、5項が「確定しなければその効力を生じない」と定めています(206条3項により給与債権の場合も同じ)。一方、預貯金債権等について定める207条には債務者への送達の規定がなく、3項は「前二項の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。」とだけ定めています。裁判所の「情報取得」ページも、㋐㋑については「債務者及び申立人に対して、情報提供命令正本が送付されます。債務者は1週間以内に執行抗告をすることができます。」、㋒㋓については「第三者及び申立人に対し、情報提供命令正本が送付されます。」と、流れを分けて記載しています(原文・2026年9月12日確認)。

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/裁判所「情報取得」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_12/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)

    8. 情報が提供された後に債務者へ届くもの

    第三者が出した情報の扱いは208条にあります(原文・1項と2項の全文)。

    第二百五条第一項、第二百六条第一項若しくは第二項又は前条第一項若しくは第二項の申立てを認容する決定により命じられた情報の提供は、執行裁判所に対し、書面でしなければならない。

    前項の情報の提供がされたときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところにより、申立人に同項の書面の写しを送付し、かつ、債務者に対し、同項に規定する決定に基づいてその財産に関する情報の提供がされた旨を通知しなければならない。

    裁判所の「情報取得」ページは、この通知について「通知書は、第三者から(第三者が2人以上いる場合は、最後の)情報提供書が提出された後一定期間が過ぎた時点で、事件ごとに1回送付します。通知書には、情報提供命令の写しが同封されます。」と記載しています(原文)。第三者が回答するまでの時間については、同ページが「提出期限の定めはありませんが、基本的には、2週間程度が一つの目安となります。ただし、第三者の状況等によっては、回答に時間を要する場合があります。」と書いています(原文)。また民事事件Q&Aは、取下げについて「第三者から裁判所に情報提供書が届いた以降は、申立てを取り下げることはできません。」と記載しています(原文・2026年9月12日確認)。

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/裁判所「情報取得」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_12/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)

    9. 裁判所が公表している費用

    申立てに要する費用として、裁判所の各ページが記載している金額は次のとおりです(原文の記載をそのまま引いたもの・2026年9月12日確認)。郵便料や予納金の額は裁判所ごとに異なるとされており、両ページとも「各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧」で確認するよう案内しています。

    手続裁判所ページの記載
    財産開示手続手数料(1個の申立てにつき2000円)及び郵便料
    第三者からの情報取得手続手数料(1個の申立てにつき1000円)、民事執行予納金(各裁判所によって異なります。)及び郵便料
    ㋒預貯金情報・㋓振替社債等情報の場合の加算第三者に対する報酬として、第三者1名ごとに2000円の予納金が必要になります
    裁判所「財産開示」「情報取得」の「申立てに必要な費用」欄の記載。いずれも債権者(申立人)が納める費用です。

    なお両ページは、同一の債権者が複数の債務名義に基づいて申し立てる場合も1個の申立てとなること、債権者が複数の場合は申立ての個数が債権者の数で判断されること、債務者については1名ごとに申し立てることを記載しています。

    裁判所「財産開示」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_11/index.html/裁判所「情報取得」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_12/index.html(いずれも2026年9月12日確認)

    10. 得られた情報の使い道には条文上の制限がある

    どちらの手続にも、得られた情報の目的外利用を禁じる規定が置かれています。202条1項と210条1項は、ほぼ同じ文型です(原文)。

    申立人は、財産開示手続において得られた債務者の財産又は債務に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従つて行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。

    申立人は、第三者からの情報取得手続において得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従つて行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。

    記録の閲覧等にも制限があります。201条は「財産開示事件の記録の閲覧等の制限」という見出しで、財産開示事件の記録中財産開示期日に関する部分についての17条の規定による請求ができる者を、申立人、債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者、債務者または開示義務者に限っています。第三者からの情報取得手続についても209条が同様の制限を置いています。

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月12日確認・本則から抽出)

    11. この記事で扱わないこと

    個別の請求に理由があるか、どの手続を選ぶか、期日でどう対応するかは、いずれも個別の判断であり、当サイトは扱いません。手続ごとの公的な定義は債務整理の4つの方法と、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産で確認できます。弁護士・司法書士に依頼した場合の取立て規制の条文は受任通知と貸金業法21条1項9号、破産で手元に残せる財産の条文は自由財産、時効の援用の仕組みは消滅時効の援用とは、請求してきた相手が債権回収会社の場合の確認手順は債権回収会社(サービサー)は本物かにまとめています。相談先を選ぶ前には日弁連・日司連の公式検索で実在を確認する手順と実在確認ナビをご覧ください。費用が心配な場合は法テラスの費用立替制度と無料法律相談の条件、公的な相談窓口は借金の相談窓口にあります。

    また、裁判所の「財産開示」「情報取得」の両ページに記載のある「※養育費等の特則」(ワンストップ執行手続)は、本記事では扱いません。両ページの当該注記の2文は本文の「1.」の節に原文のまま引いていますが、その手続の中身や施行の根拠となる条文は本記事では引いていないため、その内容にも触れていません。

    裁判所「財産開示」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_11/index.html/裁判所「情報取得」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_12/index.html(いずれも2026年9月13日確認)

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    財産開示手続は、誰でも申し立てられるのですか?

    民事執行法197条1項は「執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより」と定め、あわせて1号(配当等の手続で完全な弁済を得ることができなかったとき)または2号(知れている財産に対する強制執行を実施しても完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき)のいずれかに該当することを求めています。197条2項は、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者についての規定です。

    勤務先を調べられるのはどんな債権者ですか?

    206条1項は、151条の2第1項各号に掲げる義務(夫婦間の協力及び扶助、婚姻から生ずる費用の分担、子の監護に関する義務、民法877条から880条までの規定による扶養の義務)に係る請求権、または人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者の申立てによる、と定めています。裁判所の「情報取得」ページは、注記の最後を「貸金等の債務名義や上記以外の一般の先取特権を有する債権者は、㋑勤務先情報の申立てをすることはできません。」と結んでいます(2026年9月12日確認)。

    預貯金の照会がされたことは、本人に知らされますか?

    208条2項は、情報の提供がされたときは執行裁判所が申立人に書面の写しを送付し、かつ債務者に対して情報の提供がされた旨を通知しなければならない、と定めています。裁判所の「情報取得」ページは、この通知書は最後の情報提供書が提出された後一定期間が過ぎた時点で事件ごとに1回送付され、情報提供命令の写しが同封されると記載しています。なお㋐不動産情報と㋑勤務先情報については、205条3項(206条3項で準用)により、申立てを認容する決定そのものが債務者に送達されます。

    財産開示手続はいくらかかりますか?

    裁判所の「財産開示」ページは「手数料(1個の申立てにつき2000円)及び郵便料」と記載しています。第三者からの情報取得手続は「手数料(1個の申立てにつき1000円)、民事執行予納金(各裁判所によって異なります。)及び郵便料」で、㋒預貯金情報・㋓振替社債等情報では第三者1名ごとに2000円の予納金が必要になると記載されています。いずれも申立てをする債権者側が納める費用で、郵便料・予納金の額は裁判所ごとに異なるとされています(2026年9月12日確認)。


    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/裁判所「財産開示」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_11/index.html/裁判所「情報取得」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_12/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月12日確認)

    関連記事

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月13日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索の民事執行法、裁判所の手続案内「財産開示」「情報取得」および裁判手続 民事事件Q&A)のみを根拠に作成しています。条文はいずれも本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。条文が委任している最高裁判所規則・法務省令・内閣府令の細目、民事執行規則、裁判例、および各裁判所ごとの郵便料・予納金の額は、本記事では引いていないため、その内容にも有無にも触れていません。申立てが認められるかどうかなど個別の事案の見通しは判断の対象となるため記載していません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 仮差押えとは|判決が出る前に預金を押さえられる民事保全の手続を民事保全法20条・43条と裁判所の説明で確かめる

    仮差押えとは|判決が出る前に預金を押さえられる民事保全の手続を民事保全法20条・43条と裁判所の説明で確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    判決も支払督促も届いていないのに口座が動かせなくなった、という場面で出てくるのが「仮差押え」です。この記事は、その仮差押えが手続としてどこに位置づけられているのかを、裁判所の手続案内「民事保全」と、e-Gov法令検索の民事保全法・民事執行法の条文だけで確認した記録です。先に結論として、一次情報にはっきり書かれているのは次の3点です。①仮差押命令は「金銭の支払を目的とする債権について、強制執行をすることができなくなるおそれがあるとき、又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるとき」に発することができる(民事保全法20条1項)、②保全すべき権利と保全の必要性は「疎明しなければならない」(同法13条2項)、③保全執行は「保全命令の正本に基づいて実施する」(同法43条1項)。個別の事案で仮差押えが認められるか、認められた内容が妥当かは、当サイトでは判断しません。

    1. 仮差押えとは何か|裁判所の説明と民事保全法の条文

    裁判所は手続案内「民事保全」の「概要」で、民事保全という手続そのものを次のように説明しています(2026年9月13日確認・原文)。

    民事保全とは、民事訴訟手続でその存否を確定できるような権利又は権利関係を有する者が、その確定までに時間がかかることから生じる危険を回避するために、裁判所に暫定的な保全措置を求め、裁判所の決定の下にこれを執行する手続です。

    同じページは、仮差押えを次のように説明しています(原文)。

    (1)仮差押え(民事保全法20条)
    債務者に対して金銭債権を有する者が、債務者の財産状態が変わることにより将来の強制執行が不可能又は著しく困難になるおそれがある場合に、債務者の財産を仮に差し押さえる手続です。

    条文の側では、民事保全法1条が民事保全という用語の範囲を定めています(原文)。

    民事訴訟の本案の権利の実現を保全するための仮差押え及び係争物に関する仮処分並びに民事訴訟の本案の権利関係につき仮の地位を定めるための仮処分(以下「民事保全」と総称する。)については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

    そして20条1項が、仮差押命令を発することができる場合を定めています(原文)。

    仮差押命令は、金銭の支払を目的とする債権について、強制執行をすることができなくなるおそれがあるとき、又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。

    同条2項は「仮差押命令は、前項の債権が条件付又は期限付である場合においても、これを発することができる。」と定めています。条文は「発することができる」という書き方であり、どのような事情があれば認められるかを数値や例で定めているわけではありません。当サイトは、条文に書かれている以上のことを述べません。

    裁判所「民事保全」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_15/index.html(2026年9月13日確認)/民事保全法(平成元年法律第91号)1条・20条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    2. 保全命令は「3種類」|仮差押えと2つの仮処分

    裁判所の同じページは、保全命令手続について「保全命令手続は、以下の3種類です。」と書き、(1)仮差押え(民事保全法20条)、(2)係争物に関する仮処分(民事保全法23条1項)、(3)仮の地位を定める仮処分(民事保全法23条2項)を挙げています。「3種類」という数はページ原文の表記です。

    保全命令裁判所ページが挙げる条文条文の要件(民事保全法の原文の文言)
    (1)仮差押え民事保全法20条金銭の支払を目的とする債権について、強制執行をすることができなくなるおそれがあるとき、又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるとき(20条1項)
    (2)係争物に関する仮処分民事保全法23条1項その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、又は権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるとき(23条1項)
    (3)仮の地位を定める仮処分民事保全法23条2項争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするとき(23条2項)
    裁判所「民事保全」概要(2026年9月13日確認)が挙げる3種類と、民事保全法20条・23条の条文の文言。

    お金の請求に関わるのは(1)の仮差押えです。借金の返済を求められている場面で問題になるのは、通常この仮差押えの側です。なお23条4項は、仮の地位を定める仮処分命令については「口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない。ただし、その期日を経ることにより仮処分命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。」と定めており、この期日を要するという定めは仮処分命令(23条2項の仮処分)についての規定です。

    裁判所「民事保全」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_15/index.html/民事保全法20条・23条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091(いずれも2026年9月13日確認)

    3. 判決の前に発令される仕組み|「疎明」と「無審尋事件」

    民事保全法13条は、申立ての仕方と証明の程度を定めています(原文)。

    1項 保全命令の申立ては、その趣旨並びに保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性を明らかにして、これをしなければならない。
    2項 保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性は、疎明しなければならない。

    また3条は「民事保全の手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。」と定め、16条は「保全命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。ただし、口頭弁論を経ないで決定をする場合には、理由の要旨を示せば足りる。」と定めています。15条は「保全命令は、急迫の事情があるときに限り、裁判長が発することができる。」という定めです。

    裁判所の手続案内「手続の流れ」は、発令までの段取りを2通りに分けています。①無審尋事件の説明の冒頭は「金銭債権又は不動産の仮差押え事件等の審尋の必要がない事件」です(原文)。

    ①無審尋事件
    金銭債権又は不動産の仮差押え事件等の審尋の必要がない事件は、保全命令の発令までに、概ね以下の手続が執られます。
    ア 保全命令申立て
    イ 債権者の裁判官面接(数回にわたる場合があります。)
    ウ 担保決定(民事保全法14条参照)
    エ 供託書又は支払保証委託契約書提出
    オ 保全命令発令

    ②要審尋事件については「仮の地位を定める仮処分等の審尋の必要がある事件」として、ア 保全命令申立て、イ 債権者の裁判官面接、ウ 審尋期日呼出、エ 審尋期日の実施、オ 担保決定、カ 供託書又は支払保証委託契約書提出、キ 保全命令発令が挙げられています。つまり一次情報の上では、金銭債権の仮差押えは①「審尋の必要がない事件」の例として挙げられており、①に挙げられたア〜オの5段階の中に、債務者を呼ぶ期日は挙げられていません(審尋期日呼出・審尋期日の実施が段階として挙げられているのは②要審尋事件の側です)。17条は「保全命令は、当事者に送達しなければならない。」と定めており、送達自体は当事者に対して行われます。

    民事保全法3条・13条・15条・16条・17条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091/裁判所「民事保全」手続の流れ https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_15/index.html(いずれも2026年9月13日確認)

    4. 強制執行との違いは、条文の「よりどころ」の書き方に出ています

    強制執行の側は、民事執行法22条が根拠となる文書を列挙しています。柱書は「強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。」で、同条は柱書と14の号で構成されています(原文全体を機械で数えて確認)。号として挙げられているのは、1号「確定判決」、2号「仮執行の宣言を付した判決」、3号「抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)」、3号の2「仮執行の宣言を付した損害賠償命令」、3号の3「仮執行の宣言を付した届出債権支払命令」、4号「仮執行の宣言を付した支払督促」、4号の2「訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(中略)の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)」、5号の執行証書、6号の外国裁判所の判決、6号の2の仲裁判断、6号の3の暫定保全措置命令、6号の4の国際和解合意、6号の5の特定和解、7号「確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)」です。同条の全文(柱書+14号)を機械で検索した範囲では、「保全命令」「仮差押命令」「仮差押」「仮処分」という語はいずれも出てきません。

    一方、保全執行の側は民事保全法43条が定めています(原文)。

    1項 保全執行は、保全命令の正本に基づいて実施する。ただし、保全命令に表示された当事者以外の者に対し、又はその者のためにする保全執行は、執行文の付された保全命令の正本に基づいて実施する。
    2項 保全執行は、債権者に対して保全命令が送達された日から二週間を経過したときは、これをしてはならない。
    3項 保全執行は、保全命令が債務者に送達される前であっても、これをすることができる。

    読み取れる事実を並べます。①保全執行のよりどころは「保全命令の正本」である(43条1項本文)、②当事者以外の者に対する・その者のためにする保全執行には執行文の付された正本が要る(同項ただし書)、③2週間という期間の起算点は「債権者に対して保全命令が送達された日」である(同条2項)、④債務者への送達前でも保全執行はできる(同条3項)。なお民事保全法の本則を機械で検索すると「債務名義」の語は6回出てきますが、出現するのは52条・60条・62条・63条・64条・65条(いずれも仮処分の執行・仮処分の効力に関する条)で、43条には現れません。条文の書き方がこのように分かれているという事実の記載であり、個別の事案での意味づけは当サイトでは述べません。

    債務名義に基づく強制執行の側の手続は、預金が差し押さえられる仕組みと支払督促が届いたら、訴訟そのものの流れは裁判所から訴状が届いたらで条文をたどっています。

    民事執行法(昭和54年法律第4号)22条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/民事保全法43条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091(いずれも2026年9月13日確認・本則から抽出)

    5. 仮差押えの執行方法は、対象ごとに条文が分かれています

    民事保全法の第三章第二節「仮差押えの執行」は、対象ごとに方法を定めています。預金などの債権については50条1項です(原文)。

    民事執行法第百四十三条に規定する債権に対する仮差押えの執行は、保全執行裁判所が第三債務者に対し債務者への弁済を禁止する命令を発する方法により行う。

    「第三債務者」は、民事保全法12条4項本文が「仮に差し押さえるべき物又は係争物が債権(中略)であるときは、その債権は、その債権の債務者(以下「第三債務者」という。)の普通裁判籍の所在地にあるものとする。」という形で定義している語です。条文が「第三債務者」と呼んでいるのは、こうして「その債権の債務者」に当たる者です。個別の債権について誰がこれに当たるかの当てはめは、当サイトでは行いません。

    対象条文執行の方法(原文の文言)
    債権・その他の財産権民事保全法50条1項(4項でその他の財産権に準用)保全執行裁判所が第三債務者に対し債務者への弁済を禁止する命令を発する方法
    不動産民事保全法47条1項仮差押えの登記をする方法又は強制管理の方法により行う。これらの方法は、併用することができる
    動産民事保全法49条1項執行官が目的物を占有する方法により行う
    民事保全法47条1項・49条1項・50条1項(2026年9月13日確認・本則から抽出)。47条1項の「これらの方法は、併用することができる。」は同項の後段です。

    対象の特定については21条が定めています(原文)。「仮差押命令は、特定の物について発しなければならない。ただし、動産の仮差押命令は、目的物を特定しないで発することができる。」本文と、動産についてのただし書が分かれている点が条文の形です。動産の差押えが禁じられる範囲については、強制執行の側の条文を差押禁止動産とはで扱っています。

    民事保全法12条・21条・47条・49条・50条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091(2026年9月13日確認・本則から抽出)

    6. 給料が対象になる場合|民事執行法152条・153条が準用されています

    民事保全法50条5項は、債権に対する仮差押えの執行について民事執行法の規定を準用しています(原文)。

    民事執行法第百四十五条第二項から第六項まで、第百四十六条から第百五十三条まで、第百五十六条(第三項を除く。)、第百六十四条第五項及び第六項並びに第百六十七条の規定は、第一項の債権及びその他の財産権に対する仮差押えの執行について準用する。

    この列挙の中に、次の条が含まれています。

    • 民事執行法145条2項=「差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する。」
    • 同法145条5項=「差押えの効力は、差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる。」
    • 同法147条1項=差押債権者の申立てがあるときは、裁判所書記官が第三債務者に対し、差押命令の送達の日から2週間以内に差押えに係る債権の存否その他の最高裁判所規則で定める事項について陳述すべき旨を催告しなければならない、という定め
    • 同法152条=差押禁止債権。1項柱書は「次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。」で、2号に「給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権」が挙げられています。2項は退職手当及びその性質を有する給与に係る債権について「その給付の四分の三に相当する部分は、差し押さえてはならない。」と定め、3項は前条1項各号に掲げる義務に係る金銭債権を請求する場合について「四分の三」を「二分の一」と読み替える定めです。
    • 同法153条1項=執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部若しくは一部を取り消し、又は前条の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができる、という定め(差押禁止債権の範囲の変更)

    152条1項の括弧書きにある「政令で定める額」の具体的な金額は、この記事では政令の原文を取得していないため書きません。強制執行の側での金額と条文の関係は給料の差押えはいくらまでかにまとめています。また、範囲の変更の申立てを行うべきかどうかや、申し立てた場合の結論は個別の判断であり、当サイトでは扱いません。

    民事保全法50条5項 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091/民事執行法145条・147条・152条・153条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(いずれも2026年9月13日確認・本則から抽出)

    7. 担保と「仮差押解放金」という2つのお金

    民事保全法には、債権者側が立てる担保と、債務者側が供託する仮差押解放金という2つのお金が出てきます。まず担保は14条1項です(原文)。

    保全命令は、担保を立てさせて、若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てさせないで発することができる。

    裁判所の手続の流れでも「ウ 担保決定(民事保全法14条参照)」「エ 供託書又は支払保証委託契約書提出」が発令前の段取りとして挙げられています。担保の金額の水準は、裁判所のこのページにも条文にも記載がないため書きません。

    もう一方が仮差押解放金です。22条は次のように定めています(原文)。

    1項 仮差押命令においては、仮差押えの執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならない。
    2項 前項の金銭の供託は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

    そして51条1項が、その効果を定めています(原文)。

    債務者が第二十二条第一項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したことを証明したときは、保全執行裁判所は、仮差押えの執行を取り消さなければならない。

    50条3項は、第三債務者の側が供託した場合の扱いを定めています(原文)。「第三債務者が仮差押えの執行がされた金銭の支払を目的とする債権の額に相当する金銭を供託した場合には、債務者が第二十二条第一項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したものとみなす。ただし、その金銭の額を超える部分については、この限りでない。」ただし書まで含めて、このような定めが置かれています。

    民事保全法14条・22条・50条・51条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091/裁判所「民事保全」手続の流れ https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_15/index.html(いずれも2026年9月13日確認)

    8. 申立先・費用・申立てに必要な書類(裁判所の記載)

    申立先について、裁判所は次のように書いています(原文)。

    「本案の管轄裁判所」又は「仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所」の専属管轄となります。
    申立先の裁判所を調べたい場合は、該当する「申立書提出先一覧」をご覧ください。
     ・地方裁判所に申し立てる場合→「申立書提出先一覧(地方裁判所)」
     ・簡易裁判所に申し立てる場合→「申立書提出先一覧(簡易裁判所)」

    条文の側では、民事保全法12条1項が「保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。」と定め、6条が「この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。」と定めています。「申立書提出先一覧」の各ページはこの記事では取得していないため、その中身は書きません。

    費用の項は次の記載です(※の注記と、その直後の「なお」書きまで原文どおり引用します)。

    手数料は1件2000円です。
    ※郵便料は裁判所ごとに異なります。申立先の裁判所で必要な郵便料(等)については、「各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧」をご確認ください。
    なお、各地の裁判所のサイトで郵便料(等)を確認される際は、申立先の裁判所に応じて「地方裁判所」又は「簡易裁判所」ボタンをクリックしてください。

    郵便料の金額は同ページに記載がありません(裁判所ごとに異なると書かれ、各地の裁判所のページを確認するよう案内されています)。申立てに必要な書類の項は、申立書正本、立証を要する事由(主張事実)ごとに対応する証拠を挙げ、一般的な添付書類として①法定代理人や法人代表者の資格証明書(戸籍謄本、登記事項証明書、商業登記簿謄本等)、②代理人の委任状、③不動産等の登記事項証明書、④不動産の価額を証する書面(固定資産評価証明書)を挙げ、「詳しくは申立先の裁判所にご確認ください。」と結んでいます。これらはいずれも申立てをする債権者の側が用意する書類として記載されているものです。

    「留意点」の項には、次の記載もあります(原文)。

    民事保全法の適用を受けない保全処分(特殊保全処分)として、破産法28条による保全処分、会社更生法40条による保全処分、民事執行法55条及び77条による保全処分などがあります。

    破産法28条・会社更生法40条・民事執行法55条・77条の条文はこの記事では取得していないため、内容は書きません。裁判所のページがこうした保全処分の存在を挙げている、という事実までの記載です。

    裁判所「民事保全」申立先・申立てに必要な費用・申立てに必要な書類・留意点 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_15/index.html/民事保全法6条・12条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091(いずれも2026年9月13日確認)

    9. 不服申立ての手続は、条文のどこに置かれているか

    ここでは手続の存在と条文の位置だけを示します。何をどう申し立てるべきかは個別の判断であり、当サイトでは勧めも助言もしません。裁判所は「不服申立て」の項で次のように書いています(原文)。

    保全命令手続の裁判に対する不服申立方法としては、①保全申立てを却下する裁判に対する債権者の即時抗告(即時抗告期間は告知を受けた日から2週間の不変期間内)、②保全命令(仮差押え、仮処分)の裁判に対する債務者の保全異議、保全取消しの申立て、③保全異議申立て及び保全取消の裁判に対する保全抗告(保全抗告期間はその送達を受けた日から2週間の不変期間内)があります。

    民事保全法の本則では、これらは次の位置にあります。

    手続条文の位置条文の書き方(要点)
    債権者の即時抗告(却下された場合)19条1項「債権者は、告知を受けた日から二週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる」
    保全異議第二章第三節(26条〜36条)。26条が入口「保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができる」
    保全執行の停止等27条1項一定の事情につき「疎明があったときに限り」、裁判所が担保を立てさせて等、保全執行の停止又は既にした執行処分の取消しを命ずることが「できる」
    保全異議の結論32条1項「保全命令を認可し、変更し、又は取り消さなければならない」
    保全取消し第二章第四節(37条〜40条)37条=本案の訴えの不提起等による取消し(同条2項「前項の期間は、二週間以上でなければならない。」)/38条=事情の変更による取消し(2項「前項の事情の変更は、疎明しなければならない。」)/39条=特別の事情による取消し(仮処分命令についての規定)
    保全抗告第二章第五節(41条・42条)41条1項=「その送達を受けた日から二週間の不変期間内に、保全抗告をすることができる。ただし、抗告裁判所が発した保全命令に対する保全異議の申立てについての裁判に対しては、この限りでない。」
    民事保全法19条・26条・27条・32条・37条〜39条・41条の位置と文言(2026年9月13日確認・本則から抽出)。41条1項はただし書まで含めています。

    27条1項は「疎明があったときに限り」「命ずることができる」という書き方であり、申立てをすれば停止されると書かれているわけではありません。期間の数え方を含め、個別の日付や手続の選択については、書面の記載と申立先の裁判所、および弁護士・司法書士にご確認ください。

    裁判所「民事保全」不服申立て https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_15/index.html/民事保全法19条・26条・27条・32条・37条・38条・39条・41条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091(いずれも2026年9月13日確認・本則から抽出)

    10. この記事で扱わないこと

    請求されている金額が正しいか、仮差押えが認められるかどうか、どの手続を選ぶべきかは、いずれも個別の判断です。当サイトはこれらを扱いません。手続ごとの公的な定義は債務整理の4つの方法と、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産で確認できます。弁護士・司法書士に依頼した場合の取立て規制の条文は受任通知と貸金業法21条1項9号、司法書士が扱える範囲は司法書士の「140万円」、時効の援用の仕組みは消滅時効の援用とはにあります。費用が心配な場合の公的制度は法テラスの費用立替制度と無料法律相談の条件、公的な相談窓口の一覧は借金の相談窓口にまとめています。相談先を選ぶ前には日弁連・日司連の公式検索で実在を確認する手順と実在確認ナビをご覧ください。返済額の整理には返済計算ツールも使えます。

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    仮差押えは判決が出ていなくてもできるのですか?

    民事保全法1条は、民事保全を「民事訴訟の本案の権利の実現を保全するための仮差押え」等と定めており、裁判所は民事保全を「その確定までに時間がかかることから生じる危険を回避するため」の暫定的な保全措置と説明しています(2026年9月13日確認)。20条1項は、仮差押命令は金銭の支払を目的とする債権について、強制執行をすることができなくなるおそれがあるとき、又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる、と定めています。また13条2項は、保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性は「疎明しなければならない」と定めています。個別の事案で認められるかどうかは当サイトでは判断しません。

    強制執行と仮差押えは、条文の上で何が違うのですか?

    民事執行法22条の柱書は「強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。」と定め、同条は柱書と14の号で構成されています。号に挙げられているのは確定判決、仮執行の宣言を付した判決、仮執行の宣言を付した支払督促、執行証書などで、同条の全文を機械で検索した範囲では「保全命令」「仮差押命令」の語は出てきません。一方、民事保全法43条1項は「保全執行は、保全命令の正本に基づいて実施する。」と定め、ただし書で、保全命令に表示された当事者以外の者に対し又はその者のためにする保全執行は執行文の付された保全命令の正本に基づいて実施する、としています。条文の書き方がこのように分かれているという事実の記載です。

    給料も仮差押えの対象になるのですか。範囲の定めはありますか?

    民事保全法50条5項は、債権に対する仮差押えの執行について民事執行法146条から153条までを準用しています。その中の民事執行法152条1項は、柱書で「その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。」と定め、2号に「給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権」を挙げています。同条3項は、前条1項各号に掲げる義務に係る金銭債権を請求する場合について「四分の三」を「二分の一」と読み替える定めです。政令で定める額の具体的な金額は、この記事では政令の原文を取得していないため記載していません。

    仮差押えの執行が取り消される定めはどこにありますか?

    民事保全法22条1項は、仮差押命令において「仮差押えの執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならない」と定めています。そして51条1項は、債務者が22条1項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したことを証明したときは、保全執行裁判所は仮差押えの執行を取り消さなければならない、と定めています。50条3項は、第三債務者が仮差押えの執行がされた金銭の支払を目的とする債権の額に相当する金銭を供託した場合には債務者が供託したものとみなす(ただし、その金銭の額を超える部分については、この限りでない)と定めています。金額の当てはめや個別の見通しは当サイトでは述べません。

    申立ての手数料はいくらと書かれていますか?

    裁判所の手続案内「民事保全」の「申立てに必要な費用」は「手数料は1件2000円です。」と記載しています。同じ項には「※郵便料は裁判所ごとに異なります。申立先の裁判所で必要な郵便料(等)については、「各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧」をご確認ください。」と、その直後に「なお、各地の裁判所のサイトで郵便料(等)を確認される際は、申立先の裁判所に応じて「地方裁判所」又は「簡易裁判所」ボタンをクリックしてください。」という案内が続いています(2026年9月13日確認)。郵便料の金額は同ページに記載がありません。


    裁判所「民事保全」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_15/index.html/民事保全法(平成元年法律第91号) https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091/民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(いずれも2026年9月13日確認)

    関連記事

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月13日/このページは公表されている一次情報(裁判所の手続案内「民事保全」、e-Gov法令検索の民事保全法・民事執行法)のみを根拠に作成しています。条文はいずれもe-Gov法令APIで取得した原文XMLの本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。民事保全法の法令番号は取得したXMLのLawNumが「平成元年法律第九十一号」、民事執行法は「昭和五十四年法律第四号」であることを確認しています。郵便料の金額、民事執行法152条1項の政令で定める額、「申立書提出先一覧」各ページの内容、破産法28条・会社更生法40条・民事執行法55条77条の保全処分の内容、担保の金額の水準、裁判官面接の実際の回数、個別の事案の見通しは、一次情報を取得していない、または判断の対象となるため記載していません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 自己破産と仕事の資格|破産手続開始の決定で制限を受ける資格と、破産法255条の復権を条文で確かめる

    自己破産と仕事の資格|破産手続開始の決定で制限を受ける資格と、破産法255条の復権を条文で確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    裁判所は、破産手続開始の決定がされると「法律上の資格制限を受けることがあります」と説明しています。ただし、その「資格制限」が具体的にどの法律のどの条文に置かれているのかは、この一文からは分かりません。この記事では、①公的機関が何と書いているか、②その「資格制限」が実際に置かれている条文の形、③破産法255条が定める「復権」との関係の3点を、e-Gov法令検索の本則と裁判所・法テラスの公表情報だけで確認します。先に結論:破産法そのものには職業や資格の一覧は置かれておらず、破産法255条2項は「人の資格に関する法令の定めるところによる」と書いています。個別の仕事が続けられるかどうかの見通しは、当サイトでは述べません。

    1. 公的機関はどこまで書いているか

    裁判所の「民事事件Q&A」には、「破産手続開始の決定がされると何か制限(デメリット)があるのですか。」という設問があります。回答の全文は次のとおりです(2026年9月12日確認)。

    破産手続開始の決定がされても、選挙権や被選挙権を失うことはありませんが、法律上の資格制限を受けることがあります。また、債務者は、破産手続が終わるまでの間、裁判所の許可なしに転居することができません。さらに、郵便物が破産管財人に配達され、破産管財人がその内容を調査することがありますし、破産管財人の職務に協力する義務も負います。

    法テラスの公式FAQ「自己破産のメリット・デメリットは何ですか。」も、デメリットの1つとして次の行を挙げています(2026年9月12日確認)。

    ・破産手続が終了するまでの間、職業・転居・長期の旅行等について、一定の制限を受ける場合がある。

    同じページには「なお、自己破産をしたからといって、選挙権がなくなる、戸籍や住民票に記載される、銀行の普通預金口座も使用できなくなる、ということはありません。」とも書かれています。どちらの説明も「資格制限を受けることがある」「制限を受ける場合がある」という書き方で、対象となる資格や職種の名前は挙げていません。転居の制限・官報・家族への影響については自己破産は家族に影響するか・職場に知られるかの記事で条文を扱っています。同記事は法テラスの公式FAQ・破産法37条1項ほか・官報の発行に関する法律の範囲で確認した記録で、本文に「どの職業がどこまで制限されるのかという具体的な資格・職種の範囲は、当サイトが確認した一次情報には記載がありません」と書いています。本記事は、その先にある個別の業法の条文(警備業法・宅地建物取引業法・貸金業法)と破産法255条を、2026年9月12日にe-Gov法令検索で確認して扱います。確認した一次情報の範囲が違うという関係です。

    裁判所「民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html/法テラス「自己破産のメリット・デメリットは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-002.html(いずれも2026年9月12日確認)

    2. 破産法は「人の資格に関する法令」に投げている|255条2項

    e-Gov法令検索で破産法(平成16年法律第75号・lawId=416AC0000000075)の本則を取得し、全297条を機械的に走査しました(2026年9月12日)。本則に、制限される職業・資格の一覧は置かれていません。代わりに、復権を定める255条の2項が次のように書いています(原文)。

    2 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。

    つまり、誰がどの資格を制限されるのかは破産法ではなく、それぞれの資格を定めた法令(各業法など)の側に書かれているという構造です。以下の3節では、その「人の資格に関する法令」の実例を3本だけ、条文の原文で確認します。ここに挙げる3本は例示であり、全体の一覧ではありません。当サイトが実際にe-Govで原文を取得し、条・項・号の帰属まで確認できたものだけを載せています。挙げていない資格について、制限がある・ないのどちらも述べません。

    なお、起算点になる「破産手続開始の決定」について、破産法30条2項は「前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。」と定めています。裁判所は、破産手続の開始と免責は別の裁判であるとして、次のように説明しています(2026年9月12日確認)。

    破産手続開始時点の債務は、破産手続が開始されても、当然に返済を免れるものではなく、債務を免れるためには免責の許可を受ける必要があります(個人を債務者とする破産手続の申立てがあれば、原則として免責許可の申立てもあったとみなされます。)。

    破産法(平成16年法律第75号) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075(2026年9月12日確認・法令APIのXMLから本則のみ抽出)/裁判所「破産」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_16/index.html(2026年9月12日確認)

    3. 実例①|警備業法3条1号

    警備業法(昭和47年法律第117号)3条は、見出しが「警備業の要件」です。柱書と1号は次のとおりです(原文)。

    (警備業の要件)
    第三条 次の各号のいずれかに該当する者は、警備業を営んではならない。
    一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

    条文が置いているのは「警備業を営んではならない」という形の制限です。また同条10号は「法人でその役員(略)のうちに第一号から第七号までのいずれかに該当する者があるもの」を挙げており、1号は法人の役員を通じても働く書き方になっています。当サイトは、個別の会社・個別の立場がこの条文に当たるかどうかの判断は行いません。

    警備業法(昭和47年法律第117号) https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117(2026年9月12日確認・本則から抽出)

    4. 実例②|宅地建物取引業法5条1項1号・18条1項2号

    宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)では、本記事で原文を確認した2か所に同じ文言が置かれています。1つは業者の免許の基準、もう1つは宅地建物取引士の登録です(原文)。

    (免許の基準)
    第五条 国土交通大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の免許を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合(略)においては、免許をしてはならない。
    一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

    (宅地建物取引士の登録)
    第十八条 試験に合格した者で(略)当該試験を行つた都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
    一 宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
    二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

    5条は「免許をしてはならない」、18条1項は「登録を受けることができる。ただし…この限りでない」という書き方で、禁止の向け先(免許権者か、登録を受けようとする本人か)が違います。同じ法律の中でも、条文ごとに規定の形が異なる点だけ確認しておきます。

    宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号) https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176(2026年9月12日確認・本則から抽出)

    5. 実例③|貸金業法6条1項2号

    貸金業法(昭和58年法律第32号)6条の見出しは「登録の拒否」です(原文)。

    (登録の拒否)
    第六条 内閣総理大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき(略)は、その登録を拒否しなければならない。
    一 心身の故障により貸金業を適正に行うことができない者として内閣府令で定める者
    二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

    ここでは2号です。条文の号の番号は法律ごとに違うため、資格の話をするときは「何法の何条何項何号か」まで確認する必要があります。なお当サイトでは、同じ貸金業法の19条の2(帳簿の閲覧)を根拠とする取引履歴の開示請求を取引履歴の開示請求の記事で、債権回収会社(サービサー)が法務大臣の許可を受けているかを法務省が公表する一覧で照合する手順を債権回収会社の照合手順の記事で扱っています。本記事で確認したのは6条1項2号の文言だけで、貸金業者の登録そのものを照合する手順は扱いません。

    貸金業法(昭和58年法律第32号) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(2026年9月12日確認・本則から抽出)

    6. 3本に共通している文言

    3本とも、条文の文言は「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」で一致していました。条番号・項・号は法律ごとに異なります。

    法令条・項・号条文の見出し規定の形
    警備業法(昭和47年法律第117号)3条1号警備業の要件「警備業を営んではならない」
    宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)5条1項1号免許の基準「免許をしてはならない」
    宅地建物取引業法(同上)18条1項2号宅地建物取引士の登録「登録を受けることができる。ただし…この限りでない」
    貸金業法(昭和58年法律第32号)6条1項2号登録の拒否「その登録を拒否しなければならない」
    当サイトがe-Gov法令検索の本則で原文と帰属を確認できた4か所(2026年9月12日確認)。3本の法律の例示であり、資格制限の全体の一覧ではありません。

    共通しているのは、条文が禁じているのが「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」という状態だという点です。言い換えると、条文の文言は復権を得たかどうかを分岐にしています。そこで次に、破産法が「復権」をどう定めているかを見ます。

    7. 復権はどう定められているか|破産法255条1項・256条

    破産法255条1項は、復権する場合を4つ挙げています(原文)。

    (復権)
    第二百五十五条 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。
    一 免責許可の決定が確定したとき。
    二 第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。
    三 再生計画認可の決定が確定したとき。
    四 破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。

    号条文が挙げる事由条文が指している先
    1号免責許可の決定が確定したとき免責の許可(許可の要件は破産法252条。免責不許可事由の記事で扱っています)
    2号218条1項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき破産法218条(条見出し「破産債権者の同意による破産手続廃止の決定」)の1項。同項の柱書は「裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。」と定めており、1号が「破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。」です
    3号再生計画認可の決定が確定したとき条文の文言は「再生計画認可の決定が確定したとき。」のみ(本記事では民事再生法の条文は確認していないため、参照先の法令名は記載しません)
    4号破産手続開始の決定後、265条の罪について有罪の確定判決を受けることなく10年を経過したとき265条=見出し「詐欺破産罪」。法定刑は「十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」
    破産法255条1項各号と、各号が参照している条文(2026年9月12日確認・本則から抽出)。

    さらに255条1項の柱書は「次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。」と続いています。その256条1項は次のとおりです(原文)。

    (復権の決定)
    第二百五十六条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。

    256条は続けて、裁判所は申立てがあったときはその旨を公告しなければならないこと(2項)、破産債権者は公告が効力を生じた日から起算して3月以内に意見を述べることができること(3項)、申立てについての裁判に対しては即時抗告をすることができること(5項)を定めています。

    なお255条3項は、免責取消しの決定または再生計画取消しの決定が確定したときは、1項1号または3号による復権は将来に向かってその効力を失うと定めています。復権が一方向とは限らない書き方になっている点は、条文のとおりに確認しておきます。

    破産法(平成16年法律第75号) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075(2026年9月12日確認・255条/256条/218条/265条を本則から抽出)

    8. この記事で扱わないこと

    ここまでに書いたのは、公的機関の説明の文言と、e-Govで原文を確認できた条文の内容だけです。次のことは書いていません。

    • 実査していない資格・職種について、制限があるかないか(士業・保険募集人・その他。当サイトが原文を確認した3本の法律以外には触れません)
    • 個別の事案で復権がいつ起きるかの見通し、および勤務先との関係で実際にどうなるかの予測
    • 「破産しても仕事は失われない」といった結論の断定(裁判所は「資格制限を受けることがあります」、法テラスは「制限を受ける場合がある」と書いており、当サイトはその文言を超えて述べません)

    手続そのものの公的な定義は自己破産とは、個人再生とは、債務整理の4つの方法で確認できます。手元に残せる財産は自由財産の記事、裁判所に納める費用は予納金の記事、相談に持参する資料は債務整理の相談に持っていく資料にまとめています。相談先の実在確認は日弁連・日司連の検索手順と実在確認ナビから行えます。費用が心配な場合は法テラスの立替制度と無料法律相談の条件、公的な窓口は借金の相談窓口をご覧ください。

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    破産法に、制限される職業の一覧は載っていますか。

    当サイトが破産法の本則(全297条)を走査した範囲では、職業・資格の一覧は置かれていませんでした。255条2項が「前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。」と定めており、資格ごとの規定はそれぞれの法令の側にあります。

    条文にはどのような文言で書かれているのですか。

    この記事で原文を確認した3本の法律では、いずれも「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」という同じ文言でした。条・項・号は法律ごとに異なり、警備業法3条1号、宅地建物取引業法5条1項1号と18条1項2号、貸金業法6条1項2号です。

    免責許可の決定が確定すると、条文上はどうなりますか。

    破産法255条1項1号は「免責許可の決定が確定したとき。」を復権する事由の1つとして挙げています。各業法の条文が対象にしているのは「復権を得ない者」ですので、条文の文言としてはその状態ではなくなる、ということになります。個別の事案の見通しは当サイトでは述べません。

    免責が受けられない場合でも復権することはありますか。

    破産法255条1項は、1号(免責許可の決定の確定)のほかに、2号(218条1項の規定による破産手続廃止の決定の確定)、3号(再生計画認可の決定の確定)、4号(破産手続開始の決定後、265条の罪について有罪の確定判決を受けることなく10年の経過)を挙げています。また256条1項は、破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部について責任を免れたときは、破産者の申立てにより裁判所が復権の決定をしなければならないと定めています。どの号に当たるかの判断は当サイトでは行いません。


    破産法(平成16年法律第75号) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075/警備業法(昭和47年法律第117号) https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117/宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号) https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176/貸金業法(昭和58年法律第32号) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/裁判所「民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html/裁判所「破産」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_16/index.html/法テラス「自己破産のメリット・デメリットは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-002.html(いずれも2026年9月12日確認)

    関連記事

    条件と注意事項を確認する

    広告先の条件は申込内容などによって変わります。表示内容と契約条件を確認して判断してください。

    「後悔しない任意整理するなら!」(イストワール法律事務所)広告・公式サイトへ/依頼前に費用と契約条件を確認してください

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・裁判所・法テラス)のみを根拠に作成しています。条文は破産法・警備業法・宅地建物取引業法・貸金業法の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。制限される資格の全体の一覧、実査していない資格・職種の可否、復権の時期の見通し、および民事再生法の条文は一次情報で確認していないため記載していません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。