司法書士に債務整理を依頼できる範囲|「140万円」の根拠を司法書士法と裁判所法の条文で確認する

整理する前チェック|司法書士に債務整理を依頼できる範囲

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債務整理の相談先を調べると「司法書士は140万円まで」という説明をよく見かけます。この記事は、その「140万円」が何の数字で、誰に・どこまで当てはまるのかを、司法書士法と裁判所法の条文そのもの(e-Gov法令検索)だけで確認するものです。

1. 司法書士が「代理」できる範囲は司法書士法第3条で決まっている

司法書士の業務は司法書士法(昭和25年法律第197号)第3条に列挙されています。裁判関係で重要なのは第1項第6号・第7号です(2026年8月28日確認・以下条文は同法から引用)。

  • 第1項第6号=「簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること」。対象は民事訴訟法の規定による手続などのうち、「訴訟の目的の価額が裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの」。ただし書きで、上訴の提起・再審・強制執行に関する事項は原則として代理できないとされています。
  • 第1項第7号=民事に関する紛争(簡易裁判所での民事訴訟手続の対象となるものに限る)であって紛争の目的の価額が同じ額を超えないものについて、相談に応じ、裁判外の和解について代理すること。

つまり条文上、司法書士が代理・和解交渉できるのは「簡易裁判所の手続」かつ「裁判所法第33条第1項第1号に定める額以下」の範囲です。

2. その額を定めているのが裁判所法第33条第1項第1号=140万円

参照先の裁判所法(昭和22年法律第59号)第33条第1項第1号は次のとおりです(2026年8月28日確認)。

簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
一 訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)

「司法書士は140万円まで」の140万円は、この簡易裁判所の事物管轄の額のことです。

e-Gov法令検索「司法書士法」(昭和25年法律第197号)第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197/e-Gov法令検索「裁判所法」(昭和22年法律第59号)第33条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000059(いずれも2026年8月28日・e-Gov法令APIで条文確認)

3. しかも「すべての司法書士」ではない|認定司法書士の3要件

司法書士法第3条第2項は、第6号〜第8号の業務(条文上の名称は「簡裁訴訟代理等関係業務」)を行えるのは、次のいずれにも該当する司法書士に限ると定めています(2026年8月28日確認)。

  1. 法務大臣が指定する研修の課程を修了した者であること
  2. その申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した者であること
  3. 司法書士会の会員であること

一般に「認定司法書士」と呼ばれるのはこの認定を受けた司法書士のことです。日司連の公式検索では、司法書士ごとに簡裁代理権(簡裁訴訟代理等関係業務)の有無が表示されるので、依頼前に確認できます(2026年8月28日確認)。

4. 条文から言える「できないこと」

同じ条文から、次のことも読み取れます(いずれも条文の範囲での説明であり、個別事案の判断ではありません)。

場面条文上の帰結
紛争の目的の価額が140万円を超える交渉・訴訟の代理第3条1項6号・7号の範囲外(簡裁の事物管轄額を超える)
地方裁判所で行われる手続の訴訟代理第3条1項6号は「簡易裁判所における」手続に限定
上訴の提起・再審・強制執行に関する事項第3条1項6号ただし書きで原則代理不可(少額訴訟債権執行など条文上の例外あり)
認定を受けていない司法書士による代理・和解交渉第3条2項により簡裁訴訟代理等関係業務は認定司法書士に限る
司法書士法第3条から読み取れる範囲(2026年8月28日確認)。

なお、個人再生・自己破産は地方裁判所の手続ですが、司法書士法第3条第1項第4号には「裁判所若しくは検察庁に提出する書類…を作成すること」が司法書士の業務として定められています。裁判所提出書類の「作成」と、手続の「代理」は条文上別の事務です。自分の債務額がどの範囲に当たるか、どの資格者にどこまで依頼できるかの当てはめは個別判断になるため、法テラスや弁護士・司法書士本人に確認してください。

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よくある質問

「140万円」は借金の総額のことですか?

条文上は「訴訟の目的の価額」「紛争の目的の価額」が裁判所法第33条第1項第1号に定める額(140万円)を超えないこと、とされています(司法書士法第3条・2026年8月28日確認)。自分のケースでの価額の数え方の当てはめは個別判断のため、この記事では扱いません。弁護士・司法書士にご確認ください。

認定司法書士かどうかはどこで分かりますか?

日本司法書士会連合会の「司法書士検索」で、簡裁代理権(簡裁訴訟代理等関係業務)の有無が表示されます(2026年8月28日確認)。実在確認の記事で手順を説明しています。

司法書士は自己破産に一切関われないのですか?

司法書士法第3条第1項第4号は「裁判所若しくは検察庁に提出する書類」の作成を司法書士の業務と定めています(2026年8月28日確認)。「書類の作成」と「手続の代理」は条文上別の事務です。どの形の関与が受けられるかは依頼先に直接ご確認ください。

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最終更新:2026年8月28日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索の条文・日司連公式サイト)のみを根拠に作成しています。条文は2026年8月28日時点の現行法令をe-Gov法令APIで取得して確認しました。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。

本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。