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「債務整理」という言葉は法律用語として一つの手続を指すものではなく、性質の異なる複数の手続の総称として使われています。この記事では、一般に債務整理として挙げられる任意整理・特定調停・個人再生・自己破産(破産)の4つについて、裁判所と法テラス(日本司法支援センター)が公表している説明だけを根拠に、それぞれが「何をする手続なのか」を整理します。どの手続が合うかという個別の判断はこの記事では扱いません(それは法律相談の領域であり、弁護士・司法書士の仕事です)。
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1. まず全体像|「裁判所を使うか」で分かれる
| 手続 | 裁判所を使うか | 公的な説明の出どころ |
|---|---|---|
| 任意整理 | 使わない(私的な話合い) | 法テラス「よくある相談」 |
| 特定調停 | 使う(調停=話合い) | 裁判所「民事調停」ページ |
| 個人再生 | 使う(再生計画の認可) | 裁判所「個人再生」ページ |
| 破産(自己破産) | 使う(財産の換価・配当) | 裁判所「破産」ページ |
2. 任意整理|裁判所などの公的機関を使わない話合い
法テラスは任意整理を「裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続」と説明しています(2026年8月28日確認)。合意にもとづいて支払いを続ける手続なので、同ページには実行には原資の確保や家計管理が必要という趣旨の記載もあります。
法テラス「任意整理とは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-001.html(2026年8月28日確認)
3. 特定調停|裁判所での話合い
裁判所の民事調停の案内には、「借金をされている方等がこのままでは支払を続けていくことが難しい場合に生活の再生等を図るために債権者と返済方法を話し合う手続として、特定調停があります。」と記載されています(2026年8月28日確認)。調停は「裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、話合いによりお互いが合意することで紛争の解決を図る手続」です(同ページ)。
法テラスは特定調停と任意整理の関係について、どちらも貸金業者との交渉により返済総額の減額・返済期間の延長などを目的とする点は共通で、特定調停は「裁判所を利用して行う手続」、任意整理は「裁判所を利用しない手続」という違いがあると説明しています(2026年8月28日確認)。
裁判所「民事調停」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_01/index.html/法テラス「特定調停と任意整理には、どのような違いがありますか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-sonota-007.html(いずれも2026年8月28日確認)
4. 個人再生|再生計画どおり返済すると残りの免除を受けられる手続
裁判所の案内によれば、個人再生手続は通常の再生手続を簡素化した手続で、次の2類型があります(2026年8月28日確認)。
- 小規模個人再生=「将来において継続的に収入を得る見込みがあって、無担保債務の総額が5000万円以下の人が申し立てることのできる」手続
- 給与所得者等再生=上記のうち「給与所得者など将来の収入を確実で簡単に把握することが可能な人」が申し立てられる手続
同ページには、「再生計画が認可され、債務者が再生計画のとおりに返済すると、残りの債務の免除を受けることができます」とあり、再生計画は「原則として3年間で債務の一定割合を分割して返済するもので、その返済総額が、債務者が自分の財産を処分して返済に当てる場合の額(清算価値)を上回らなければなりません」と説明されています。給与所得者等再生では、返済総額が可処分所得額の2年分以上である必要がある旨も記載されています。
裁判所「個人再生」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_18/index.html(2026年8月28日確認)
5. 破産(自己破産)|財産を換価して配当し、免責の許可で債務を免れる手続
裁判所は破産手続を「裁判所が破産手続の開始を決定し、破産管財人を選任して、その破産管財人が債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当する手続」と説明しています(2026年8月28日確認)。破産管財人を選任しないまま手続を終了する場合もある旨も記載されています。
重要なのは、破産手続と債務を免れることは別だという点です。同ページには、債務を免れるためには免責の許可を受ける必要があり(個人の破産手続の申立てがあれば原則として免責許可の申立てもあったとみなされる)、「破産をすることになった事情に浪費や詐欺行為などがある場合には免責の許可が受けられないこともあります」と明記されています。
裁判所「破産」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_16/index.html(2026年8月28日確認)
6. どれを選ぶかは、この記事では扱わない
4つの手続は「裁判所を使うか」「返済を続けるか」「財産を処分するか」が根本的に異なります。どれが合うかは収入・債務額・財産・家族の状況で変わる個別の法律判断であり、当サイトはそれを行いません。検討する場合は、まず相談しようとしている弁護士・司法書士が実在するかを公式検索で確認し、費用面に不安があれば法テラスの立替制度という公的制度があることを知っておいてください。
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よくある質問
「債務整理」はどれか1つの手続の名前ですか?
いいえ。この記事で挙げた4つの手続などの総称として使われる言葉です。裁判所・法テラスの公表資料でも、任意整理・特定調停・個人再生・破産はそれぞれ別の手続として説明されています(2026年8月28日確認)。
自己破産をすれば当然に借金がなくなるのですか?
裁判所の説明では、債務を免れるためには免責の許可を受ける必要があり、浪費や詐欺行為などの事情がある場合には免責の許可が受けられないこともあると明記されています(裁判所「破産」・2026年8月28日確認)。
個人再生は誰でも申し立てられますか?
裁判所の説明では、小規模個人再生は「将来において継続的に収入を得る見込みがあって、無担保債務の総額が5000万円以下の人」が申し立てられる手続とされています(裁判所「個人再生」・2026年8月28日確認)。要件に当てはまるかどうかの判断は弁護士・司法書士にご相談ください。
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本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。
