消滅時効の援用とは|民法145条・166条の条文と法テラスの説明で「援用が必要」という仕組みを確認する

整理する前チェック|消滅時効の援用とは

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PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

長く放置した借金について「時効」という言葉を見かけることがあります。民法は、時効期間が過ぎたことと、その効果を主張することを別のこととして組み立てています。この記事では、援用とは条文上どう定められているのか、消滅時効の期間はどう規定されているのか、そして期間が進行し直す場面が条文でどう書かれているのかを、e-Gov法令検索の条文と法テラスの公表情報だけで確認します。

先に断っておきます。この記事は、特定の借金について時効が完成しているかどうかの判定や、その結果どうなるかという効果の断定を行いません。ある債権について時効期間が経過しているかどうかは、取引の経過・請求や裁判の有無・支払いの履歴を突き合わせなければ判断できない個別の法律判断です。それは弁護士・司法書士の仕事です。

1. 法テラスの説明|期間の経過だけでは消えない

法テラスの公式FAQは、「消滅時効とは何ですか。」「消滅時効の期間は何年ですか。」の両方の設問に対し、次のように説明しています(2026年9月2日確認・両ページとも同一の本文)。

債務は、原則として、弁済期(借金や利息の支払期日)から5年を経過すると、時効によって消滅します。

もっとも、時効期間が経過したからといって、自動的に借金や利息(債務)が消滅するわけではありません。債務を消滅させるためには、時効期間が経過した後に、債務者が消滅時効を援用(一定の事実を自分の利益のために主張すること)する意思表示をすることが必要です。

ここに出てくる「援用」=一定の事実を自分の利益のために主張することという説明が、法テラスによる援用の定義です。

法テラス「消滅時効とは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-sonota-008.html/「消滅時効の期間は何年ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-sonota-009.html(いずれも2026年9月2日確認)

2. 条文|民法145条(時効の援用)

民法145条の原文は次のとおりです(e-Gov法令検索で本則を確認・2026年9月2日)。

時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

条文が定めているのは、援用がなければ裁判所が時効によって裁判をすることができないという点です。かっこ書きで、消滅時効については保証人・物上保証人・第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者も「当事者」に含まれると定められています。

民法(明治29年法律第89号) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月2日確認・本則から抽出)

3. 条文|民法166条(債権等の消滅時効)

消滅時効の期間は民法166条が定めています。1項の原文は次のとおりです。

債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

2項は、債権または所有権以外の財産権について、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは時効によって消滅すると定めています。

法テラスの説明にある「原則として、弁済期から5年」は、1項1号の枠組みに対応する説明です。どの時点が「知った時」「行使することができる時」に当たるかは、契約や取引の経過によって決まる個別の判断であり、当サイトはその判断を行いません。

4. 期間が進行し直す・完成しない場面の条文

民法は、時効期間が単純に経過し続けるとは限らない場面も定めています。関係する条文を、条文の内容のまま挙げます。

条文定めていること(要旨・かぎ括弧は原文)
147条1項(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)裁判上の請求・支払督促・民事訴訟法275条1項の和解または民事調停法/家事事件手続法による調停・破産手続参加/再生手続参加/更生手続参加がある場合には、その事由が終了する(権利が確定することなく終了した場合はその終了の時から6箇月を経過する)までの間は、時効は完成しない
147条2項確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は1項各号の事由が終了した時から新たにその進行を始める
152条1項(承認による時効の更新)「時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。」
169条1項(判決で確定した権利の消滅時効)確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年とする
民法の本則より。条文はe-Gov法令検索で確認できます(2026年9月2日確認)。

152条1項の「権利の承認」がどのような行為を指すかは条文には具体的に書かれていません。何が承認に当たるかの判断も個別の法律判断です。当サイトは「こうすれば時効が完成する」「これをすると振り出しに戻る」といった行動の指南は行いません。

5. 過払金の返還請求権にも時効の定めがある

時効は、支払う側だけの話ではありません。法テラスは、過払金返還請求権の時効について、返還を請求することができることを知った時から5年、または借金の返済を終えた時(貸金業者との取引が終了した時)から10年で消滅すると説明しています。また、完済して現在は取引がない貸金業者に対しても「請求することができます。ただし、過払金返還請求権が時効により消滅している場合は、請求できません。」としています(2026年8月28日確認)。

この点は当サイトの過払い金とは何か・いつまで請求できるか完済した借金でも過払い金は請求できるかで詳しく確認しています。

6. 「時効かもしれない」と思ったときに当サイトが言えること

言えるのは次の3つだけです。

  1. 民法145条により、援用がなければ裁判所が時効によって裁判をすることはできない=期間の経過と主張は別だと条文に書かれている
  2. 期間の起算点、147条・152条・169条に当たる事情の有無は、取引の経過を見なければ確認できない
  3. したがって判断は弁護士・司法書士に相談する領域である

相談先を探す段階では、まずその相談先が実在するかを公式検索で確認してください。相談先の実在確認ナビで手順を表示できます。費用面に不安がある場合は法テラスの費用立替制度無料法律相談の条件を確認できます。SNS上のやり取りだけで相手を本人と判断しないよう日弁連が注意喚起している点、また「債務を整理します」と現金を預かる整理屋について金融庁が注意喚起している点もあわせてご確認ください。

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よくある質問

時効期間が過ぎていれば、それだけで債務はなくなるのですか?

法テラスは「時効期間が経過したからといって、自動的に借金や利息(債務)が消滅するわけではありません」と説明し、援用の意思表示が必要だとしています(2026年9月2日確認)。民法145条も、援用がなければ裁判所が時効によって裁判をすることができないと定めています。個別の状況の判断は弁護士・司法書士にご相談ください。

「援用」とはどういう意味ですか?

法テラスは援用を「一定の事実を自分の利益のために主張すること」と説明しています(2026年9月2日確認)。具体的な方法や書面の作り方については、当サイトは個別助言に当たるため扱いません。

消滅時効の期間は5年ですか、10年ですか?

民法166条1項は、1号で「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき」、2号で「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき」と定めています。どちらの起算点がいつになるかは個別の事情によります。なお169条1項は、確定判決等で確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものでも時効期間は10年とすると定めています。

債権者から裁判を起こされた場合はどうなりますか?

民法147条1項は、裁判上の請求などがある場合には、その事由が終了するまでの間は時効は完成しないと定め、同条2項は、確定判決等によって権利が確定したときは時効が新たに進行を始めると定めています。裁判所からの書類が届いた場合の対応は個別の法律判断になりますので、弁護士・司法書士にご相談ください。

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最終更新:2026年9月2日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・法テラス)のみを根拠に作成しています。条文は民法の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。過払金の時効に関する記述は2026年8月28日に確認した法テラスの公式FAQに基づきます。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。

本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。