預金が差し押さえられる仕組み|債権執行の手続と第三債務者への陳述催告を民事執行法の条文と裁判所の公表情報で確かめる

整理する前チェック|預金が差し押さえられる仕組み

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預金の口座が差し押さえられるとき、法律の側では「債権執行」という手続が動いています。先に結論として、確認できたのは次の5点です。①手続は執行裁判所の差押命令で始まる(民事執行法143条)②差押命令は債務者に取立て等を、第三債務者に債務者への弁済を禁止する(145条1項)③効力は差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる(145条5項)④差押債権者の申立てがあれば、第三債務者は2週間以内に債権の存否等を陳述するよう催告される(147条1項)⑤差押禁止債権を定める152条1項各号・2項の列挙に、預貯金債権は現れない。根拠はe-Gov法令検索の本則と裁判所の公表情報だけです。給料の「4分の3・33万円」は152条と施行令2条の話で、給料の差押えはいくらまでかで扱っています。本記事は預貯金債権の側であり、個別の事案でいくら残るかは述べません。

1. 預金の差押えは「債権執行」という手続|民事執行法143条・144条

裁判所の手続案内「債権執行(債務名義に基づく差押え)」は、この手続の概要をこう説明しています(原文・2026年9月12日確認)。

判決や和解調書どおりにお金が支払われない場合などに、債務者の給与や銀行預金等を差し押さえ、債権者が債務者の勤務先や銀行等から支払を受けること等により、債権を回収する手続です。

法律上の入口は民事執行法143条です。e-Gov法令検索で民事執行法(昭和54年法律第4号・lawId=354AC0000000004)の本則を確認しました(2026年9月12日)。見出しは「債権執行の開始」です(原文)。

金銭の支払又は船舶若しくは動産の引渡しを目的とする債権(動産執行の目的となる有価証券が発行されている債権を除く。以下この節において「債権」という。)に対する強制執行(第百六十七条の二第二項に規定する少額訴訟債権執行を除く。以下この節において「債権執行」という。)は、執行裁判所の差押命令により開始する。

どの裁判所が扱うかは144条にあります(原文)。

1 債権執行については、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、この普通裁判籍がないときは差し押さえるべき債権の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
2 差し押さえるべき債権は、その債権の債務者(以下「第三債務者」という。)の普通裁判籍の所在地にあるものとする。ただし、船舶又は動産の引渡しを目的とする債権及び物上の担保権により担保される債権は、その物の所在地にあるものとする。

「第三債務者」という語は、この144条2項のかっこ書きで定義されています。裁判所の手続案内も、申立先を「原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。」、費用を「手数料(原則として4000円)及び郵便料」(郵便料は裁判所ごとに異なると明記)と書き、申立て前に債務名義の取得が要ると記載しています。143条が除く少額訴訟債権執行は、167条の2第2項が「裁判所書記官の差押処分により開始する。」と定めます。債務名義の入口の1つは支払督促が届いたらで扱っています。

民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月12日確認・本則から抽出)/裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_08/index.html(2026年9月12日確認)

2. 差押命令は何を禁止し、いつ効力が生じるか|民事執行法145条

145条の見出しは「差押命令」です。1項から3項と5項は次のとおりです(原文)。

1 執行裁判所は、差押命令において、債務者に対し債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。
2 差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する。
3 差押命令は、債務者及び第三債務者に送達しなければならない。
5 差押えの効力は、差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる。

145条の項条文が書いていること
1項債務者に債権の取立てその他の処分を禁止し、第三債務者に債務者への弁済を禁止する
2項差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する
3項債務者及び第三債務者に送達しなければならない
4項裁判所書記官は、送達に際し、債務者に対し、153条1項・2項による差押命令の取消しの申立てができる旨その他最高裁判所規則で定める事項を教示しなければならない
5項効力は第三債務者に送達された時に生ずる
6項差押命令の申立てについての裁判に対しては執行抗告をすることができる
7項・8項債務者に送達できない場合、執行裁判所は差押債権者に送達場所の申出(場合により公示送達の申立て)を命ずることができ、申出がないときは差押命令を取り消すことができる
民事執行法145条の各項。1項から3項・5項は原文、4項・6項から8項は条文の要旨です。

裁判所の手続案内も「3 差押え」で「差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が生じます。」と説明しており、効力が生じる時点は条文と同じです。2項が「審尋しないで発する」と書いているため、条文上、差押命令は当事者の言い分を聴く手続を経ずに発せられます。これは条文にそう書かれているという指摘であり、当サイトの評価ではありません。

民事執行法(昭和54年法律第4号)145条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月12日確認・本則から抽出)/裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_08/index.html(2026年9月12日確認)

3. 差押えの範囲|民事執行法146条・149条

146条の見出しは「差押えの範囲」、149条は差押えが一部競合した場合の効力の規定です(いずれも原文)。

第百四十六条 1 執行裁判所は、差し押さえるべき債権の全部について差押命令を発することができる。
2 差し押さえた債権の価額が差押債権者の債権及び執行費用の額を超えるときは、執行裁判所は、他の債権を差し押さえてはならない。
第百四十九条 債権の一部が差し押さえられ、又は仮差押えの執行を受けた場合において、その残余の部分を超えて差押命令が発せられたときは、各差押え又は仮差押えの執行の効力は、その債権の全部に及ぶ。債権の全部が差し押さえられ、又は仮差押えの執行を受けた場合において、その債権の一部について差押命令が発せられたときのその差押えの効力も、同様とする。

民事執行法(昭和54年法律第4号)146条・149条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月12日確認・本則から抽出)

4. 銀行に債権の存否を答えさせる手続|民事執行法147条の陳述の催告

裁判所の手続案内は、手続の流れの「1 申立て」で次のように書いています(原文・2026年9月12日確認)。

差押えの対象となる債権が現実に存在するかどうかやその額等を知りたい場合には、陳述催告の申立て(第三債務者に対して、差押債権の有無などにつき回答を求める申立て)をすることができます。陳述催告の申立ては、債権差押命令申立てと同時にしてください。

その根拠が147条です。見出しは「第三債務者の陳述の催告」です(原文)。

1 差押債権者の申立てがあるときは、裁判所書記官は、差押命令を送達するに際し、第三債務者に対し、差押命令の送達の日から二週間以内に差押えに係る債権の存否その他の最高裁判所規則で定める事項について陳述すべき旨を催告しなければならない。
2 第三債務者は、前項の規定による催告に対して、故意又は過失により、陳述をしなかつたとき、又は不実の陳述をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。

条文の部分書かれていること
きっかけ差押債権者の申立てがあるとき(申立てがなければ催告は行われない書き方になっています)
誰が催告するか裁判所書記官
いつ差押命令を送達するに際し
誰に第三債務者
期限差押命令の送達の日から二週間以内
何を差押えに係る債権の存否その他の最高裁判所規則で定める事項
答えなかった場合故意又は過失により陳述をしなかったとき、または不実の陳述をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる(2項)
民事執行法147条1項・2項の文言を項目に分けたもの。表現はいずれも条文の語です。

147条1項は、陳述すべき事項の細目を「その他の最高裁判所規則で定める事項」として規則に委ねています。本記事は法律(民事執行法)の条文の範囲で書いており、規則の各条の内容は扱っていません(145条4項・207条1項各号が同じ言い方で委ねている事項も同じ)。なお、裁判所の規則集の子ページ「民事事件関係(50音順)」には「民事執行規則(PDF:1.14MB)」が公開されています(2026年9月12日確認)。

民事執行法(昭和54年法律第4号)147条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月12日確認・本則から抽出)/裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_08/index.html(2026年9月12日確認)/裁判所「規則集」内「民事事件関係(50音順)」 https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/kisokusyu/minzi_kisoku/index.html(2026年9月12日確認)

5. 取り立てられるのはいつか|155条1項の「一週間」と156条の供託

155条1項と2項は次のとおりです(原文)。

1 金銭債権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から一週間を経過したときは、その債権を取り立てることができる。ただし、差押債権者の債権及び執行費用の額を超えて支払を受けることができない。
2 差し押さえられた金銭債権が第百五十二条第一項各号に掲げる債権又は同条第二項に規定する債権である場合(差押債権者の債権に第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る金銭債権が含まれているときを除く。)における前項の規定の適用については、同項中「一週間」とあるのは、「四週間」とする。

2項が読み替えの対象として挙げているのは152条1項各号・2項の債権だけで、預貯金債権はその列挙に現れません。これは条文の構成についての指摘です。裁判所の民事事件Q&A(債権執行手続)も、取立てについて次のように書いています(原文)。

債権者は、債務者に対する差押命令の送達日から1週間(※)を経過すると、第三債務者からその債権を取り立てることができます(ただし、差押債権目録に記載した差押額を超えて支払を受けることはできません。)。
※給料等の差押えの場合で、養育費等の請求を含まない場合は4週間

同Q&Aは、書面の出し分けの具体例として「預貯金債権の差押えにおいて、差押債権額が100万円、預貯金として存在した額が80万円で、80万円全額を取り立てた場合」を挙げ、第三債務者が支払わない場合については「第三債務者に対し、被差押債権の給付を求める訴え(取立訴訟といいます。)を提起して、債権の回収をはかることになります。」と記載しています(いずれも原文)。155条3項は、支払を受けたときは「その債権及び執行費用は、支払を受けた額の限度で、弁済されたものとみなす。」と定めています。

第三債務者の側には供託の規定があります。156条1項は、差押えに係る金銭債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託することができると定め、2項は、差し押さえられていない部分を超えて発せられた差押命令等の送達を受けたときなどについて供託しなければならないと定めています。裁判所の手続案内も「第三債務者が供託をした場合は、裁判所が配当等を行うので、直接取り立てることはできません。」と書いています。

民事執行法(昭和54年法律第4号)155条・156条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月12日確認・本則から抽出)/裁判所「民事事件Q&A(債権執行手続)」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(2026年9月12日確認)/裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_08/index.html(2026年9月12日確認)

6. 差押禁止債権を定める152条の列挙|預貯金債権は挙げられていない

民事執行法152条の見出しは「差押禁止債権」です。1項各号・2項が挙げているのは次のものです(条文の語のまま)。

条文の位置挙げられている債権
152条1項1号債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
152条1項2号給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
152条2項退職手当及びその性質を有する給与に係る債権
民事執行法152条1項各号・2項が列挙している債権。割合(四分の三)と政令で定める額は給料の差押えはいくらまでかで扱っています。

今回取得した民事執行法の全文(e-Gov法令API)を機械で全文検索したところ、本則で「預貯金」という語が現れるのは207条(債務者の預貯金債権等に係る情報の取得)だけで、152条には現れませんでした(附則に読み替えが1か所ありますが、当サイトは附則を使用しません)。ここまでが、条文の構成として確認できた事実です。当サイトは、この事実から預貯金債権についての結論を導きません。

なお153条1項は、差押禁止債権の範囲の変更を定めています(原文)。

執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部若しくは一部を取り消し、又は前条の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができる。

3項は申立てがあったときの第三債務者への給付の禁止、4項は取消しの申立てを却下する決定に対する執行抗告を定めています。裁判所の民事事件Q&Aは、この差押範囲変更(減縮)の対象を「差押えによって債務者の生活に著しい支障が生じる場合(例えば、生活保護費や年金の振込口座が差し押さえられ、生活が成り立たなくなる場合)など」と書き、「また、差押範囲変更が認められても、債務者の債務が減るわけではありません。」とも記載しています(いずれも原文)。申立先・申立時期・裏付け資料の一覧は同じQ&Aを扱った記事にまとめています。

民事執行法(昭和54年法律第4号)152条・153条・207条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月12日確認・本則から抽出)/裁判所「民事事件Q&A(債権執行手続)」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(2026年9月12日確認)

7. どの金融機関かを調べる手続|民事執行法207条と民法466条の5

差押えの前提として、債権者が口座の所在を調べる手続が207条に置かれています。見出しは「債務者の預貯金債権等に係る情報の取得」で、1項は、197条1項各号のいずれかに該当するときに、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、執行裁判所が情報の提供を命じなければならないと定めています。ただし、同項ただし書は「当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。」と定めており、命令が無条件になされる書き方ではありません。1号が挙げる「銀行等」には、条文上、銀行・信用金庫・労働金庫・信用協同組合・農業協同組合・漁業協同組合・農林中央金庫・株式会社商工組合中央金庫などが列挙されています。対象は、その銀行等に対する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権)への強制執行等の申立てに必要な事項として最高裁判所規則で定めるものです。207条1項が要件として参照する197条1項は次のとおりです(原文)。

1 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
一 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。
二 知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。

207条が参照する民法(明治29年法律第89号・lawId=129AC0000000089)466条の5は、見出しが「預金債権又は貯金債権に係る譲渡制限の意思表示の効力」で、預貯金債権の定義を置いています(原文・2026年9月12日確認)。

1 預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権(以下「預貯金債権」という。)について当事者がした譲渡制限の意思表示は、第四百六十六条第二項の規定にかかわらず、その譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。
2 前項の規定は、譲渡制限の意思表示がされた預貯金債権に対する強制執行をした差押債権者に対しては、適用しない。

裁判所の民事事件Q&A(情報取得手続)も、申立てには197条1項1号または2号の主張・立証が要ると書き、第三者について「㋒預貯金情報 銀行や信用金庫などの金融機関が第三者となります。2つ以上の金融機関を第三者として申し立てることもできます。」と記載しています(原文)。同Q&Aは、財産開示手続を先に行っている必要を㋐不動産情報・㋑勤務先情報のみに掛けており、㋒預貯金情報には掛けていません。

民事執行法(昭和54年法律第4号)197条・207条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月12日確認・本則から抽出)/民法(明治29年法律第89号)466条の5 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認・本則から抽出)/裁判所「民事事件Q&A(情報取得手続)」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(2026年9月12日確認)

8. この記事で扱わないこと

どの手続を選ぶか、範囲変更の申立てと債務整理のどちらを先に検討するかは個別の判断であり、当サイトは扱いません。民事執行規則の各条の内容は、本記事の範囲外として扱いません。個別の金融機関の取扱い、差押禁止債権が口座に振り込まれた後の取扱い、裁判例は、本記事の範囲外として扱いません。手続ごとの公的な定義は債務整理の4つの方法任意整理自己破産個人再生特定調停、給料の差押えは給料の差押えはいくらまでか、手元に残る財産は自由財産、依頼の通知と取立ては受任通知で取立てが止まる仕組み、請求してきた相手の確認は債権回収会社(サービサー)は本物か、時効は消滅時効の援用で確認できます。相談先は借金の公的な相談窓口一覧、依頼先の実在確認は日弁連・日司連の検索で確認する手順実在確認ナビ、費用は法テラスの無料法律相談の条件費用立替制度、計算は返済計算の道具にあります。

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よくある質問

預金の差押えは、いつ効力が生じるのですか。

民事執行法145条5項は「差押えの効力は、差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる。」と定めています。裁判所の手続案内も「差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が生じます。」と説明しています。なお145条2項は「差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する。」と定めています。

銀行は、債権があるかどうかを答えるのですか。

民事執行法147条1項は、差押債権者の申立てがあるときは、裁判所書記官が差押命令を送達するに際し、第三債務者に対し、送達の日から二週間以内に差押えに係る債権の存否その他の最高裁判所規則で定める事項について陳述すべき旨を催告しなければならないと定めています。2項は、故意又は過失により陳述をしなかったとき、または不実の陳述をしたときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずると定めています。「その他の最高裁判所規則で定める事項」の細目は、本記事では扱いません。

差し押さえられた預金は、いつ債権者に渡るのですか。

民事執行法155条1項は、金銭債権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から一週間を経過したときはその債権を取り立てることができると定めています。155条2項が「一週間」を「四週間」と読み替える対象は152条1項各号に掲げる債権または同条2項に規定する債権で、預貯金債権はその列挙に現れません。第三債務者が156条により供託した場合について、裁判所は「裁判所が配当等を行うので、直接取り立てることはできません。」と説明しています。

預金は差押禁止債権ではないのですか。

民事執行法152条1項1号は「債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権」、2号は「給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権」、2項は「退職手当及びその性質を有する給与に係る債権」を挙げています。今回確認した限り、本則で「預貯金」の語が現れるのは207条だけで、152条には現れませんでした。当サイトは、この条文の構成から先の結論は述べません。


民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/民法(明治29年法律第89号) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_08/index.html/裁判所「民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月12日確認)

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最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・裁判所)のみを根拠に作成しています。条文は民事執行法(昭和54年法律第4号)および民法(明治29年法律第89号)の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。147条1項・145条4項・207条1項各号が「最高裁判所規則で定める」としている事項について、本記事は規則の各条の内容を扱っていません(裁判所の規則集の子ページには「民事執行規則(PDF:1.14MB)」が公開されています)。個別の金融機関の取扱い、差押禁止債権が口座に振り込まれた後の取扱い、裁判例は記載していません。裁判所の民事事件Q&Aは、各項目の冒頭に「【※運用に関する記載は、一例を記載したものであり、記載された内容と異なる運用をしている庁もあります。】」と注記しています。

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