債務整理の依頼に弁護士との面談は必要か|日弁連「債務整理事件処理の規律を定める規程」3条〜7条を原文で確かめる

整理する前チェック|債務整理の依頼に弁護士との面談は必要か

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債務整理を弁護士に依頼するとき、依頼する側の準備の話は多く出回っていますが、依頼を受ける側(弁護士)に課されている手続は、日本弁護士連合会(日弁連)の会規に条文として書かれています。この記事は、その会規である「債務整理事件処理の規律を定める規程」の第3条から第7条まで(あわせて8条・17条・18条・19条)を、日弁連が公開しているPDF原本と、同じく日弁連の公式解説ページ、そしてe-Gov法令検索の弁護士法だけで確認した記録です。先に結論として、原文にはっきり書かれているのは次の5点です。①受任する予定の弁護士が当該債務者と自ら面談をして4つの事項を聴取しなければならない(規程3条1項。ただし書に例外あり)、②事件処理の方針・見通し・弁護士費用と3つの不利益事項を説明しなければならない(4条1項)、③弁護士費用について誤解が生じないようにし、委任契約書の記載でも誤解が生じないように努める(5条)、④資力の乏しい者の権利保護のための制度を説明するよう努める(6条)、⑤受任した弁護士の氏名と法律事務所の所在場所を明示しなければならない(7条1項)。個別の事務所がこれらを守っているかどうかの評価は、当サイトでは行いません。

1. この規程は何で、なぜ弁護士を拘束するのか

PDF原本の冒頭には「債務整理事件処理の規律を定める規程(平成二十三年二月九日会規第九十三号)」とあり、その下に平成二七年一二月四日改正・令和三年三月五日・同三年六月一一日・同七年一二月五日の改正が並んでいます(2026年9月12日確認)。附則第1項は「この規程は、平成二十三年四月一日から施行する。」と定め、日弁連の解説ページも「この規程は、2011年4月1日以降に弁護士が新規受任する事件から適用されます。」と書いています。

会規が弁護士を拘束する根拠は、弁護士法にあります。e-Gov法令検索の本則から抽出した第二十二条は次のとおりです(原文)。

(会則を守る義務)
第二十二条 弁護士は、所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会則を守らなければならない。

規程第一条(目的)は、この規程が「臨時の措置として」置かれたものであり、「不適切な勧誘、受任及び法律事務処理」等への批判を受けて定められたものだと書いています。

どの手続が「債務整理事件」に入るか

規程の適用範囲は第二条の定義で決まります。第五号は次のとおりです(原文)。

五 債務整理事件 債務者に係る任意整理事件、破産手続開始申立事件、民事再生手続開始申立事件、特定調停申立事件及びこれらに類する事件(任意整理事件に付随して特定調停申立て等を行う場合を含む。)をいう。

つまり第3条から第7条までの手続は、任意整理だけでなく、自己破産個人再生特定調停の申立事件にも掛かる書き方になっています。報酬の上限の定め(規程12条〜16条)が「非事業者等任意整理事件」に限られているのとは、対象の広さが異なります。報酬の上限については任意整理の弁護士報酬の上限で条文をたどっています。

一方、第二条第一号は「債務者」の定義にただし書を置き、住宅資金の貸付けに係る債権等を除いた総債権者に対する債務の総額が五千万円を超える者を除くとしています。この枠から外れる場合にどう扱われるかは条文に書かれていないため、当サイトでは述べません。

日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf/日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html/弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)22条 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)

2. 規程3条|受任予定の弁護士が「自ら面談」して聴取する

第三条(聴取すべき事項等)第1項の本文は次のとおりです(原文。受任予定の弁護士を特定する括弧内の定義は中略しています)。

弁護士は、債務整理事件を受任するに当たっては、あらかじめ、当該事件を受任する予定の弁護士(中略)が、当該債務者と自ら面談をして、次に掲げる事項を聴取しなければならない。ただし、面談することに困難な特段の事情があるときは、当該事情がやんだ後速やかに、自ら面談をして、次に掲げる事項を聴取することで足りる。

中略した括弧は、受任予定の弁護士が複数いる場合は少なくともそのうちのいずれか一人、弁護士法人または共同法人の場合はその社員または使用人である弁護士のうち少なくともいずれか一人を指す、という定義です。聴取すべき事項は各号に列挙されています。

聴取すべき事項(原文)
債務の内容
当該債務者(当該債務者と生計を同じくする家族があるときは、当該家族を含む。)の資産、収入、生活費その他の生活状況
当該債務者が不動産を所有している場合にあっては、その処理に関する希望
前号に掲げるもののほか、当該債務整理事件の処理に関する意向
債務整理事件処理の規律を定める規程 第三条第1項各号(2026年9月12日確認・PDF原本から抽出)

相談に持っていく資料が「債務の内容」と「資産・収入・生活費その他の生活状況」に対応することは、相談に持っていく資料で法テラスと裁判所の公表情報から整理しています。

ただし書が働く場合でも、把握しないまま受任することはできない書き方です

第2項は、ただし書の特段の事情がある場合の取扱いを定めています(原文)。

弁護士は、前項ただし書に規定する特段の事情がある場合であっても、電話、書面、ファクシミリ、電子メールその他の適当な通信手段により、又は同居の親族を介するなどして、前項に掲げる事項を把握した上で受任しなければならない。この場合においては、当該弁護士が面談して聴取を行う場合と変わらない程度に、当該事項を的確に把握することができるように努める。

第3項は面談の単位を定めています(原文)。

第一項の面談は、債務者ごとに行わなければならない。ただし、当該債務整理事件の債務者及び当該債務整理事件に関連する他の債務整理事件の債務者について、その両者と同時に面談することが必要な場合その他特別な事情があるときは、この限りでない。

どのような事情が「面談することに困難な特段の事情」や「特別な事情」に当たるかは、条文に定義がありません。そのため当サイトは、個別の事案がこれに当たるかどうかを判断しません。

日弁連自身の説明

日弁連の公式ページ「債務整理の弁護士報酬のルールについて」は、規程の概要の先頭に「受任弁護士自らが行う個別面談による事情聴取の原則義務化」という見出しを置き、次のように説明しています(原文)。

弁護士は、依頼主と会わずに債務整理事件の依頼を受けてはいけないのが原則です(弁護士と会って依頼をするのが原則です)。
原則として、受任する弁護士が自ら個別面談をして、事件の依頼主の事情を聴かなければなりません(規程第3条)。

日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html/日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」3条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf(2026年9月12日確認・縦組みPDFからテキスト抽出)

3. 規程4条|方針・見通し・費用と、3つの不利益事項

第四条(事件処理方針等及び不利益事項の説明)第1項は次のとおりです(原文)。

弁護士は、債務整理事件を受任するに際し、事件処理の方針及び見通し、弁護士報酬及びその他の費用(以下「弁護士費用」という。)並びに当該方針に係る法的手続及び処理方法に関して生じることが予想される次に掲げる事項その他の不利益事項の説明をしなければならない。

列挙されている不利益事項は3つです。

説明すべき不利益事項(原文)
破産手続を選択したときは、法令の定めによる資格等の制限により当該債務者が就くことのできない職業があること。
当該債務者が信用情報機関(資金需要者の借入金返済能力に関する情報の収集及び金融機関に対する当該情報の提供を行うものをいう。)において借入金返済能力に関する情報を登録され、金融機関からの借入れ等に関して支障が生じるおそれのあること。
当該債務者が所有している不動産等の資産を失う可能性があること。
債務整理事件処理の規律を定める規程 第四条第1項各号(2026年9月12日確認・PDF原本から抽出)

第二号にいう信用情報機関に自分の情報がどう記録されているかは、本人開示で確認できます。手数料と日数は信用情報の開示方法にまとめています。登録される期間や内容は各機関の定めによるため、この記事では扱いません。

誰が、いつ説明するかも条文が決めています

第2項は「前項の説明は、前条に規定する聴取を行った弁護士において、自ら、当該聴取に引き続いて行わなければならない。」と定めています。そのうえで第3項は、聴取を行った弁護士の同席の下で他の受任弁護士が説明することができるとし、第4項は、引き続いて行うに十分な時間が不足するときその他正当な理由がある場合は、聴取後に遅滞なく、聴取を行った弁護士が自ら行うことができるとしています。第5項は次のとおりです(原文)。

前項の場合において、当該債務者が面談によらないで説明を受けることを希望するときは、電話、書面、ファクシミリ、電子メールその他の適当な通信手段を用いて説明をすることができる。この場合においては、当該弁護士が面談して行う場合と同じ程度に当該債務者が説明を理解することができるように努める。

日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」4条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf(2026年9月12日確認)

4. 規程5条と委任契約書|「努める」と書かれている部分

第五条(弁護士費用の説明等)は2項構成で、いずれも語尾が「努める」です(原文)。

第五条 弁護士は、前条の規定により弁護士費用について説明をするに当たっては、債務者に弁護士費用に関する誤解が生じないようにし、かつ、自らの弁護士報酬の額が適正かつ妥当であることの理解を得るよう努める。
2 弁護士は、弁護士費用に関する事項を委任契約書に記載するに当たっては、当該債務者に弁護士費用に関する誤解が生じないように努める。

委任契約書そのものについては、別の会規である弁護士職務基本規程(平成十六年十一月十日会規第七十号)に定めがあります。第三十条第1項は次のとおりです(原文)。

(委任契約書の作成)
第三十条 弁護士は、事件を受任するに当たり、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない。ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由がやんだ後、これを作成する。

同条第2項は、受任する事件が法律相談・簡易な書面の作成・顧問契約その他継続的な契約に基づくものであるときその他合理的な理由があるときは、委任契約書の作成を要しないと定めています。また第二十九条第2項は「弁護士は、事件について、依頼者に有利な結果となることを請け合い、又は保証してはならない。」と定めています。

日弁連の解説ページは依頼者側の心得として、弁護士から受け取った委任契約書・精算書・報告書などの書類は「ひとつのファイルにまとめるなどして保管しておきましょう」と書いています。費用の水準そのものについては、法テラスが公表する立替基準額任意整理の弁護士報酬の上限で、公表されている数字だけを扱っています。

日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」5条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf/日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」29条・30条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_070.pdf/日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html(いずれも2026年9月12日確認)

5. 規程6条|資力が乏しい場合の制度を説明する

第六条(民事法律扶助制度の説明)は次のとおりです(原文)。

第六条 弁護士は、債務整理事件を受任するに際しては、事案に応じ、当該債務者の経済生活の再生の観点から必要かつ相当と認められる場合には、法律扶助制度その他の資力の乏しい者の権利保護のための制度を説明し、当該債務者が当該制度の利用を希望するときは、その利用が可能となるように努める。

弁護士職務基本規程第三十三条にも同趣旨の定めがあり、「法律扶助制度、訴訟救助制度その他の資力の乏しい者の権利保護のための制度を説明し、裁判を受ける権利が保障されるように努める。」と書かれています。いずれも語尾は「努める」です。

その法律扶助について、日弁連の「弁護士費用が払えないとき」は、国民の権利の平等な実現を図るため「法律の専門家による援助や、裁判のための費用を援助するのが法律扶助の制度です」と説明し、法律扶助協会が行ってきた民事法律扶助事業は、総合法律支援法に基づいて2006年10月2日に業務を開始した日本司法支援センター(愛称「法テラス」)に引き継がれた、と書いています。立替制度の収入・資産の基準は法テラスの費用立替制度、無料法律相談の条件は無料法律相談の条件で確認できます。

日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」6条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf/「弁護士職務基本規程」33条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_070.pdf/日本弁護士連合会「弁護士費用が払えないとき」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/fujyo.html(いずれも2026年9月12日確認)

6. 規程7条|誰が受任したのかを明示する

第七条(受任弁護士等の明示等)第1項は次のとおりです(原文。氏名と所在場所の定義を示す括弧内は中略しています)。

債務整理事件を受任した弁護士、弁護士法人又は共同法人は、当該債務者に対し、速やかに、弁護士にあっては氏名(中略)及び法律事務所の所在場所(中略)を、弁護士法人又は共同法人にあっては当該弁護士法人又は共同法人の社員(中略)又は使用人である弁護士の氏名及び当該社員又は使用人である弁護士が所属する法律事務所の所在場所を明示しなければならない。

中略した括弧は、職務上の氏名を使用している者についてはその職務上の氏名を指すこと、法律事務所に名称がある場合はその名称を含むことなどを定める定義です。第2項は、共同受任した場合には受任した全ての弁護士・弁護士法人・共同法人が、明示すべき全ての事項について共同して明示しなければならないとしています。

復代理人については第3項と第4項に通知の定めがあります。第3項は、復代理人を選任したときは選任後速やかに、復代理人の氏名、法律事務所の所在場所及び所属弁護士会を、書面・ファクシミリ・電子メールその他これらに類する適当な方法により通知しなければならないと定め、第4項は復代理人に選任された弁護士自身にも同じ通知を求めています(第3項の通知が復代理人との連名によるものであるときを除く)。

なお弁護士職務基本規程第三十四条は「弁護士は、事件の依頼があったときは、速やかに、その諾否を依頼者に通知しなければならない。」と定めています。明示された氏名と事務所から相談先の実在を確かめる手順は日弁連・日司連の公式検索で実在を確認する手順実在確認ナビにまとめています。実在する弁護士の名前をかたる手口への注意喚起はニセ弁護士のSNS詐欺、資格のない者が報酬を得て法律事務を扱うことの条文は非弁行為とはで扱っています。

日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」7条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf/「弁護士職務基本規程」34条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_070.pdf(いずれも2026年9月12日確認)

7. 規程8条|過払金だけの依頼は原則として受けられない

第八条(過払金返還請求事件の受任等に関する規律)第1項は、過払金返還請求事件の依頼を受けるに当たって「当該債務者が負担している他の債務の有無、内容及び件数を確認し、当該債務者が負担する全ての債務に関する事項を把握するように努める」と定めています。第2項は次のとおりです(原文)。

弁護士は、債務者が負担している他の債務があることを知りながら、当該他の債務についての債務整理事件の依頼を受けずに過払金返還請求事件のみの依頼を受けてはならない。ただし、弁護士が当該他の債務について債務整理を行わない場合に生じる可能性のある不利益について説明し、その説明を受けても当該債務者が当該他の債務についての債務整理事件を依頼することを希望せず、かつ、その理由が不当な目的に基づくものではないと認められるときは、この限りでない。

日弁連の解説ページは、これを「過払金返還請求のつまみ食い(ほかに借金があるのに過払金だけを取り返して借金を整理しないこと)の依頼には原則として応じられません(規程第8条)。」と説明し、その理由を「借金(債務)の整理は、全体として整理しないとかえって取り返しのつかないことになりかねないからです。」と書いています。過払金という言葉の公的な定義と時効については過払い金とは何かで法テラスのFAQを引いています。

受任した後についても、第十七条第3項が、債権者が開示した取引履歴その他の重要な事項の報告は「自ら面談し、又は書面、ファクシミリ、電子メールその他これらに類する適当な方法によって行わなければならない」と定めています。開示請求そのものの根拠条文は取引履歴の開示請求とはにあります。

日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」8条・17条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf/日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html(いずれも2026年9月12日確認)

8. 広告の表示と、「面談がなければ規程違反」と書かない理由

規程は広告についても定めを置いています。第十八条第2項は次のとおりです(原文)。

2 弁護士は、債務整理事件に関する業務広告を行うときは、依頼を受けるに際して受任する弁護士と面談する必要があることを表示するように努める。

ここまで見てきたとおり、条文には原則と例外の両方が書かれています。3条1項にはただし書(面談することに困難な特段の事情)があり、2項は通信手段や同居の親族を介する方法を明示し、4条3項〜5項も説明の担い手と方法に幅を残しています。さらに第十九条(解釈適用)は次のとおりです(原文)。

この規程は、弁護士の職務が本来多様性と個別性を有することに鑑み、弁護士の債務整理事件処理を不当に萎縮させることのないよう実質的に解釈し、適用しなければならない。

このため当サイトは、「面談がなかったから規程違反だ」「この事務所は規程を守っていない」といった判断は行いません。会規に違反した場合の枠組みとしては、弁護士法第五十六条第1項が、日本弁護士連合会の会則に違反したときなどに「懲戒を受ける。」と定め、同条第2項が「懲戒は、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会が、これを行う。」と定めています。個別の事案が懲戒事由に当たるかどうかを判断するのは所属弁護士会であり、当サイトではありません。

この記事で扱わないこと

この記事は、日弁連の会規に何が書かれているかの記録です。どの事務所に依頼するかの評価、個別の対応が規程に沿っているかどうかの判断、面談の有無から結論を導くことは行いません。司法書士について同種の受任前の手続の定めがあるかどうかは、今回一次情報で確認していないため記載しません。司法書士が債務整理を扱える範囲の条文は司法書士の「140万円」にあります。

手続そのものの公的な定義は債務整理の4つの方法、依頼後に取立てが止まる仕組みの条文は受任通知と貸金業法21条1項9号、違法な業者への公的な注意喚起は整理屋とはヤミ金・整理屋・紹介屋の手口、公的な相談窓口は借金の相談窓口にあります。返済額の計算は返済計算ツールで試せます。

日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」18条・19条(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf/弁護士法56条 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)

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よくある質問

電話やメールだけで債務整理を依頼できますか?

規程3条1項は、受任する予定の弁護士が当該債務者と自ら面談をして所定の事項を聴取しなければならないと定め、ただし書で「面談することに困難な特段の事情があるとき」は、その事情がやんだ後速やかに面談して聴取することで足りるとしています。2項は、その特段の事情がある場合でも、電話・書面・ファクシミリ・電子メールその他の適当な通信手段により、または同居の親族を介するなどして所定の事項を把握した上で受任しなければならないとしています。日弁連は公式ページで「弁護士は、依頼主と会わずに債務整理事件の依頼を受けてはいけないのが原則です」と説明しています(2026年9月12日確認)。

面談では何を聞かれることになっていますか?

規程3条1項各号は、①債務の内容、②当該債務者(生計を同じくする家族があるときは当該家族を含む)の資産、収入、生活費その他の生活状況、③不動産を所有している場合はその処理に関する希望、④そのほか当該債務整理事件の処理に関する意向、の4つを挙げています。聴取した弁護士は、規程4条2項により、引き続いて自ら方針・見通し・弁護士費用と不利益事項の説明を行うこととされています。

費用の説明や委任契約書について、規程はどう書いていますか?

規程5条1項は、弁護士費用について債務者に誤解が生じないようにし、報酬の額が適正かつ妥当であることの理解を得るよう「努める」と定め、2項は委任契約書に弁護士費用に関する事項を記載するに当たっても誤解が生じないように「努める」と定めています。委任契約書そのものについては、弁護士職務基本規程30条1項が、事件を受任するに当たり弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない(作成することに困難な事由があるときは、その事由がやんだ後に作成する)と定めています。

この規程はどの手続に適用されますか?

規程2条5号は「債務整理事件」を、債務者に係る任意整理事件、破産手続開始申立事件、民事再生手続開始申立事件、特定調停申立事件及びこれらに類する事件と定義しており、3条から7条までの規律はこの「債務整理事件」に掛かります。なお2条1号のただし書は、住宅資金の貸付けに係る債権等を除いた総債権者に対する債務の総額が五千万円を超える者を「債務者」から除いています。日弁連は、この規程が2011年4月1日以降に弁護士が新規受任する事件から適用されると説明しています。


日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf/日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」(PDF) https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_070.pdf/日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html/日本弁護士連合会「弁護士費用が払えないとき」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/fujyo.html/弁護士法 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205(いずれも2026年9月12日確認)

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最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(日本弁護士連合会が公開する会規PDF「債務整理事件処理の規律を定める規程」「弁護士職務基本規程」、日弁連の公式解説ページ、e-Gov法令検索の弁護士法)のみを根拠に作成しています。会規PDFは縦組みのためテキスト抽出後に句読点の位置を復元して引用しており、長い定義の括弧は「(中略)」と表示しています。弁護士法の条文は本則から抽出しました。規程施行規則が定める報酬額、司法書士についての同種の定めの有無、個別の事務所の対応が規程に沿っているかどうかの評価は、確認していない、または判断の対象となるため記載していません。

本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。