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返済が滞っている状態で、裁判所から「訴状」と「口頭弁論期日呼出状」が届くことがあります。この記事は、その後に手続がどう進むのかを裁判所の公表情報とe-Gov法令検索の民事訴訟法の条文だけで確認した記録です。先に結論として、一次情報にはっきり書かれているのは次の3点です。①訴状は被告に送達され、裁判長が口頭弁論の期日を指定して当事者を呼び出すこと(民事訴訟法138条1項・139条)、②答弁書は「訴状に書いてある原告の請求、主張等に被告が返答する書面」で、その書式は裁判所のサイトに簡易裁判所用と地方裁判所用の2種類が掲載されていること、③被告が欠席した場合には、答弁書等において原告の請求を争う意図を明らかにしていない限り、原告の請求どおりの判決が言い渡される可能性があると裁判所が説明していること(民事訴訟法158条・159条)。請求に理由があるか、どう反論すべきかは、当サイトでは判断しません。
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1. 何が届くのか|訴状と呼出状
裁判所の簡易裁判所の民事事件Q&A「訴訟の相手方になった場合はどうすればいいですか?」は、次のように説明しています(原文)。
民事訴訟では、訴訟を起こす方を原告と、その相手方を被告と呼びます。(中略)被告になった場合には、裁判所から訴状と最初の期日の呼出状が送られますので、それらをよく読んでください。
条文の側では、134条1項が「訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。」と定め、138条1項が「訴状は、被告に送達しなければならない。」、139条が「訴えの提起があったときは、裁判長は、口頭弁論の期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。」と定めています。裁判手続 民事事件Q&Aも、裁判官(裁判長)が訴状をチェックし、形式的に不備がなければ口頭弁論期日を指定して呼出状が送付されると書いています。どの裁判所から届くかについて、同Q&Aは「その価額が140万円以下の請求に係る民事訴訟については簡易裁判所が、それ以外の一般的な民事訴訟については地方裁判所が、それぞれ第一審裁判所となります」と説明しています。
裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html/民事訴訟法(平成8年法律第109号)134条・138条・139条 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)
2. 答弁書とは何か|裁判所の定義と条文
裁判所は、答弁書を「訴状に書いてある原告の請求、主張等に被告が返答する書面」と定義しています(簡易裁判所の民事事件Q&A・裁判手続 民事事件Q&Aの括弧書き)。準備書面は「自分の主張や相手の主張に対する返答を書いた書面」と説明されています。
条文上、答弁書は準備書面の一種として現れます。161条1項は「口頭弁論は、書面で準備しなければならない。」、同2項は準備書面の記載事項として1号「攻撃又は防御の方法」、2号「相手方の請求及び攻撃又は防御の方法に対する陳述」を挙げています。答弁書という語が直接出てくるのは162条1項です(原文)。
裁判長は、答弁書若しくは特定の事項に関する主張を記載した準備書面の提出又は特定の事項に関する証拠の申出をすべき期間を定めることができる。
同条2項は、その期間の経過後に提出する当事者は「その期間を遵守することができなかった理由を説明しなければならない」と定めています。つまり条文上、答弁書の提出期間は裁判長が定めることができる建て付けで、法律の側で一律の日数が決まっているわけではありません。個別の期限は届いた書面の記載でご確認ください。なお簡易裁判所には特則があり、276条1項は「口頭弁論は、書面で準備することを要しない。」と定めています。
裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html/民事訴訟法161条・162条・276条 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)
3. 答弁書の書式は裁判所のサイトに掲載されています
裁判所の「民事訴訟で使う書式」ページには、「答弁書」の見出しの下に「答弁書(簡裁)」と「答弁書(地裁)」の2種類が、それぞれ書式(Word)と【記載例】(PDF)で掲載されています(2026年9月12日確認)。ページの概要欄には「令和8年5月21日より前に訴えの提起があった事件(旧法適用事件)と令和 8 年5月21日以降に訴えの提起があった事件(新法適用事件)では、使用する書式が異なる場合があります」「民事裁判書類電子提出システム(mints)による申立ての場合は、書式への押印は不要です」と書かれています。
ここは支払督促と違うところです。裁判所の「支払督促で使う書式」ページに掲載されているのは支払督促申立書・仮執行宣言申立書・取下書・送達場所等の届出書などで、督促異議申立書の書式は掲載されていません(同ページの本文に「異議」の語は現れません・2026年9月12日確認)。書式ファイルの中身は当サイトでは開いて確認していないため扱いません。
裁判所「民事訴訟で使う書式」 https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_minzi_sosyou/index.html/裁判所「支払督促で使う書式」 https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_siharaitokusoku/index.html(いずれも2026年9月12日確認)
4. 第1回口頭弁論期日には何が行われるのか
裁判所の手続案内「民事訴訟」3(1)は次のように説明しています(原文)。
口頭弁論は、公開の法廷において開かれます。原告(訴えた人)・被告(訴えられた人)又はその訴訟代理人が出頭した上(裁判所が相当と認めるときは、ウェブ会議の方法により手続に参加することができます)、事前に裁判所に提出した準備書面に基づいて主張を述べ、主張を裏付けるために証拠を提出することが要求されます。
条文では87条1項が「当事者は、訴訟について、裁判所において口頭弁論をしなければならない。」と定めています。争点及び証拠の整理が必要な事件について、同案内の3(2)は「準備的口頭弁論、弁論準備手続、書面による準備手続の 3 種類」から裁判所が選ぶと書いています。訴訟は判決のほか、訴えの取下げ、請求の放棄・認諾、裁判上の和解によっても終了します。簡易裁判所の民事事件Q&Aも「訴訟の途中でも、相手方が話合いに応ずれば、裁判所で話合いをして紛争を解決することもできます。これを和解といいます」と説明しています。
裁判所「民事訴訟」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_20/index.html/裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html/民事訴訟法87条 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)
5. 答弁書を出さず期日にも行かなかった場合
裁判所は同じ趣旨の注意書きを3か所に書いています(いずれも2026年9月12日確認・原文)。
| 掲載場所 | 裁判所の記載 |
|---|---|
| 手続案内「民事訴訟」3(1) | 被告が欠席した場合には、被告が答弁書等において原告の請求を争う意図を明らかにしていない限り、不利な内容の判決が言い渡される可能性があります |
| 裁判手続 民事事件Q&A | 被告が欠席した場合には、被告が答弁書等において原告の請求を争う意図を明らかにしていない限り、原告の請求通りの判決が言い渡される可能性があります |
| 簡易裁判所の民事事件Q&A | 被告が決められた最初の期日に出頭せず、答弁書等において原告の請求を争う意図を明らかにしていない限り、原告の請求どおりの判決が出ることがありますので、御注意ください |
対応する条文は2つです。158条(訴状等の陳述の擬制)は「原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。」と定めています。159条(自白の擬制)1項は「当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。」(ただし書あり)と定め、3項が「第一項の規定は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合について準用する。ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。」と定めています。158条は「提出した書面に書いた事項を陳述したものとみなす」規定なので、書面を出していなければみなされる中身がありません。裁判所の3つの記載は、この条文の構造と整合しています。
期日に行けない場合について裁判所が書いていること
簡易裁判所の民事事件Q&Aは「決められた期日に、病気などの理由で裁判所に来られない場合には、簡易裁判所の担当の裁判所書記官に御相談ください。やむを得ない場合には、期日を変更することもあります。その場合には、事情を証明する診断書などの書類を提出していただくことがあります。原則として、仕事の都合だけで期日を変更することはできませんから、御注意ください」と説明しています。期日が変更されることが「ある」という書き方であって、変更されると書かれているわけではありません。個別の事案の見通しは当サイトでは述べません。
裁判所「民事訴訟」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_20/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html/裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html/民事訴訟法158条・159条 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)
6. 支払督促から移ってきた場合と、少額訴訟の場合
先に支払督促が届き、督促異議を申し立てた後に期日の呼出しが来ることもあります。395条は「適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。」と定めています。条文上、督促異議は手続の終わりではなく訴えの提起があったものとみなされる入口で、その先はこの記事の1〜5で見た手続になります。支払督促そのものの仕組みは支払督促が届いたらで条文をたどっています。
届いた書面が少額訴訟のものである場合は、同封物と不服申立ての形が異なります。368条1項は「簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。」と定めています(ただし書は年間の回数を「最高裁判所規則で定める回数」としており、当サイトは規則の原文を確認していないため具体的な回数は書きません)。簡易裁判所の民事事件Q&Aは、相手方には「訴状と一緒に口頭弁論期日呼出状、少額訴訟手続の内容を説明した書面、答弁書用紙、事情説明書といった書面が同封されています」と書いています。373条1項は被告が通常の手続に移行させる旨の申述をできること、378条1項は少額訴訟の終局判決に対して送達を受けた日から二週間の不変期間内にその判決をした裁判所に異議を申し立てられることを定めています。通常訴訟の控訴期間は285条が「二週間の不変期間」と定めています。当サイトは、届いた日付から「いつまでなら間に合う」といった期限の言い換えや計算はしません。
民事訴訟法285条・368条・373条・378条・395条 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109/裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html(いずれも2026年9月12日確認・条文は本則から抽出)
7. 費用について裁判所が挙げている制度と、この記事で扱わないこと
裁判所の手続案内「民事訴訟」は費用の項で「訴訟費用を支払う資力の乏しい当事者の方でも、裁判を受ける権利を保障するため、訴訟費用の支払を猶予する制度(「訴訟上の救助」といいます。)が設けられています。ただし、申立ての内容等から勝訴の見込みがないことが明らかなときは、認められないことがあります。」と書き、日本司法支援センター(法テラス)の「民事法律扶助による立替制度」にも触れています。裁判手続 民事事件Q&Aは、弁護士費用は訴訟費用に含まれないとも書いています。法テラスの収入・資産基準は法テラスの費用立替制度、無料法律相談の条件は無料法律相談の条件で確認できます。申立手数料の金額は、裁判所の「手数料早見表」(PDF)を開いて確認していないため書きません。
請求されている金額が正しいか、答弁書にどう書くべきか、争った結果どうなるかは、いずれも個別の判断です。当サイトはこれらを扱いません。相談に持っていく資料は債務整理の相談に持っていく資料、取引履歴を取り寄せる根拠条文は取引履歴の開示請求とはにまとめています。手続ごとの公的な定義は債務整理の4つの方法と、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産で確認できます。依頼した場合の取立て規制は受任通知と貸金業法21条1項9号、司法書士が扱える範囲は司法書士の「140万円」、請求元が債権回収会社の場合はサービサーの許可一覧での照合手順、時効の制度は消滅時効の援用とは、判決後の差押えの範囲は給料の差押えはいくらまでかをご覧ください。相談先を選ぶ前には日弁連・日司連の公式検索で実在を確認する手順と実在確認ナビ、公的窓口は借金の相談窓口にあります。
裁判所「民事訴訟」2(3) https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_20/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月12日確認)
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よくある質問
答弁書とは何ですか?
裁判所は、答弁書を「訴状に書いてある原告の請求、主張等に被告が返答する書面」と説明しています(簡易裁判所の民事事件Q&A・裁判手続 民事事件Q&A、2026年9月12日確認)。条文上は準備書面の一種で、民事訴訟法161条1項が「口頭弁論は、書面で準備しなければならない。」と定め、162条1項が、裁判長は答弁書等の提出をすべき期間を定めることができると定めています。
答弁書の書式はどこにありますか?
裁判所の「民事訴訟で使う書式」ページに、「答弁書(簡裁)」と「答弁書(地裁)」の2種類が、それぞれ書式(Word)と【記載例】(PDF)で掲載されています(2026年9月12日確認)。同ページは、令和8年5月21日より前に訴えの提起があった事件と同日以降に訴えの提起があった事件では使用する書式が異なる場合があると注意しています。
期日に出席しないとどうなりますか?
裁判所は「被告が欠席した場合には、被告が答弁書等において原告の請求を争う意図を明らかにしていない限り、原告の請求通りの判決が言い渡される可能性があります」と説明しています(裁判手続 民事事件Q&A、2026年9月12日確認)。条文では、民事訴訟法158条が、最初にすべき口頭弁論の期日に出頭しないときは提出した訴状・答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなすと定め、159条3項が、出頭しない場合に同条1項(争うことを明らかにしない事実は自白したものとみなす)を準用すると定めています。個別の事案の見通しは当サイトでは述べませんので、弁護士・司法書士にご相談ください。
支払督促に異議を出した後に届いた場合も同じ手続ですか?
民事訴訟法395条は、適法な督促異議の申立てがあったときは、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に簡易裁判所または地方裁判所に訴えの提起があったものとみなすと定めています。条文上は訴えの提起があったものとして扱われる形です。支払督促そのものの仕組みは支払督促が届いたらにまとめています。
裁判所「民事訴訟」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_20/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html/裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html/裁判所「民事訴訟で使う書式」 https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_minzi_sosyou/index.html/裁判所「支払督促で使う書式」 https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_siharaitokusoku/index.html/民事訴訟法(平成8年法律第109号) https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109(いずれも2026年9月12日確認)
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本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。
