投稿者: seiri0916

  • 任意整理の弁護士報酬の上限|日弁連の規程が定める解決報酬金・減額報酬金・過払金報酬金

    任意整理の弁護士報酬の上限|日弁連の規程が定める解決報酬金・減額報酬金・過払金報酬金

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    先に結論:弁護士に事件を依頼するときの報酬額に一律の基準はありません。ただし債務整理事件のうち「非事業者等任意整理事件」の報酬金については、日本弁護士連合会(日弁連)が定めた会規「債務整理事件処理の規律を定める規程」(平成二十三年二月九日会規第九十三号)と、その施行規則(平成二十三年二月十七日規則第百四十五号)が上限を置いています。この記事は、その上限がどの事件に・どの報酬に・いくらまでかかるのかを、日弁連の公式ページ、規程と施行規則のPDF原本、日弁連会則、e-Gov法令検索の弁護士法だけで確認した記録です。個別の事務所が提示する金額が高いか安いかは扱わず、順位付けも比較もしません。

    1. 出発点|弁護士報酬に一律の基準はない。ただし債務整理には別の規程がある

    日弁連の公式ページ「債務整理の弁護士報酬のルールについて」は、まず原則をこう書いています(原文・2026年9月5日確認)。

    弁護士に事件を依頼するときの報酬額には一律の基準はありません。それぞれの弁護士が自分の報酬基準を持っています。その基準にしたがって、具体的な報酬額を依頼主との協議により自由に取り決めることができます。

    そのうえで、債務整理事件については別の定めを置いたと説明しています(原文)。

    しかし、債務整理事件とこれに伴う過払金請求事件に関しては、これまで一部の弁護士に不適切な事件処理や報酬の請求を行う例が見られました。そこで、日弁連は、2011年2月の臨時総会で、一定の範囲の債務整理事件における弁護士報酬の上限を定めるなどのルール「債務整理事件処理の規律を定める規程」を定めました。2011年4月1日以降に弁護士が受任した債務整理事件は、このルールにしたがうことになります。

    規程のPDF原本の冒頭には「債務整理事件処理の規律を定める規程(平成二十三年二月九日会規第九十三号)」とあり、その下に平成二七年一二月四日改正/令和三年三月五日/同三年六月一一日/同七年一二月五日の改正が並んでいます。附則は次のとおりです(原文)。

    1 この規程は、平成二十三年四月一日から施行する。
    2 この規程の施行の際現に受任している債務整理事件の処理に関する事項については、なお従前の例による。
    3 この規程は、この規程の施行の日から起算して二十年を超えない範囲内において理事会で定める日に、その効力を失う。

    失効を定める附則第三項は、平成二七年一二月四日改正・令和三年三月五日改正・令和七年一二月五日改正の3つの改正附則が改めています。規程第一条自身も、この規程が「臨時の措置として」置かれたものだと書いています。

    なお、日本弁護士連合会会則第六条第2項は「会規は総会の決議により、規則は理事会の決議により定め、又は変更するものとする。」と定めています。本規程が「会規第九十三号」で、日弁連ページが「2011年2月の臨時総会で…定めました」と書いているのは、この仕組みと一致します。施行規則のほうは理事会の決議による「規則第百四十五号」です。

    日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html(2026年9月5日確認)/同「債務整理事件処理の規律を定める規程」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf(2026年9月5日確認)/同「日本弁護士連合会会則」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaisoku/kaisoku_no_1.pdf(2026年9月5日確認)

    2. 上限が付くのはどの事件か|「非事業者等任意整理事件」という枠

    報酬の上限がかかるのは、債務整理事件のすべてではありません。規程が使う言葉は「非事業者等任意整理事件」で、定義は第二条にあります(2026年9月5日確認)。

    規程の用語条文の定義(原文の要旨)
    債務整理事件(2条5号)債務者に係る任意整理事件、破産手続開始申立事件、民事再生手続開始申立事件、特定調停申立事件及びこれらに類する事件
    任意整理事件(2条3号)債権者が有するとみられる債権について、弁済の額、方法等を裁判外で交渉して処理する事件(引直し計算の結果、債務を負担しないこととなる場合・過払金債権を有することとなる場合を含む)
    非事業者等任意整理事件(2条4号)任意整理事件のうち、弁護士が受任する時点において、処理すべき法律事務が3条・4条の事務のほかには10条1項2号イからトまでに掲げるものにほぼ尽きると予想される事件
    債務者(2条1号)金融業者に対して債務を負担する個人、またはイ・ロの会社=工業、鉱業、運送業その他の業種(商業又はサービス業を除く)で常時使用する従業員二十人以下/商業又はサービス業で五人以下。ただし総債権者に対する債務(住宅資金の貸付けに係る一定の債務を除く)の総額が五千万円を超える者は除く
    債務整理事件処理の規律を定める規程 第二条の定義(PDF原本より)。表現はいずれも条文の語です。

    日弁連のページは、この枠を「非事業者等任意整理事件=消費者や零細事業者の任意整理事件の報酬規制が主になっています。」と説明し、あわせて「※破産事件、民事再生事件などは報酬規制の対象外です。」と明記しています。自己破産や個人再生の弁護士報酬には、この規程の上限は及びません。手続そのものの違いは債務整理の4つの方法と任意整理とはで確認できます。

    日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf(2026年9月5日確認・第二条)/同「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html(2026年9月5日確認)

    3. 受け取れる報酬金は3種類だけ|規程12条

    規程第十二条第一項は、報酬金を3つに区切って定義しています(原文)。

    一 解決報酬金 第十条第一項第二号ニの和解が成立したこと又は債権者からの請求を事実上免れるに至ったことについての報酬金であって、経済的利益に応じて算定する方式を採らないもの
    二 減額報酬金 弁護士が受任した時点で債権者が主張していた債務について、それを減額させ、又は免れさせた場合に、その減額され、又は免れた債務の金額を経済的利益として、その経済的利益に応じて算定される報酬金
    三 過払金報酬金 過払金を回収した場合に、その過払金の金額を経済的利益として、その経済的利益に応じて算定される報酬金

    そして第十二条第二項が、この3つ以外の報酬金を禁じています(原文)。

    2 弁護士は、前項各号の報酬金のほか、非事業者等任意整理事件についての報酬金を請求し、又は受領してはならない。

    第三項は、報酬金の金額が「第一項各号の報酬金として次条から第十五条までの規定に従って算出した場合における上限の金額の合計額を超えないときは、前項の規定にかかわらず、報酬金を請求し、又は受領することができる。」と定めています。

    日弁連のページは、同じ3種類をこう言い換えています(原文)。「解決報酬金…業者との事件が解決したこと自体により発生する報酬金。」「減額報酬金…業者が主張する債権額と実際に支払うことになった金額との差額(減額分)をもとに算定する報酬金。」「過払金報酬金…回収した過払金額をもとに算定する報酬金。」過払い金そのものの定義は別記事で扱っています。

    日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf(2026年9月5日確認・第十二条)/同「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html(2026年9月5日確認)

    4. 上限の数字|規程13条〜15条は「規則で定める」、金額は施行規則にある

    ここが読み違えやすいところです。規程本体は上限の「外枠」までを定め、実際に適用される金額・割合は施行規則に委任しています。第十三条から第十五条までは、債権者一人当たり五万円/十パーセント以下/二十五パーセント以下という範囲を条文自身が置いたうえで、その範囲内の具体的な数字を「規則で定める上限の金額(割合)」として委任しており、実際に適用される数字は施行規則にあります(いずれも2026年9月5日確認)。

    報酬金の種類規程(会規第93号)の書き方施行規則(規則第145号)が定める数字
    解決報酬金第十三条=その金額を、債権者一人当たり、五万円を超えない範囲内で規則で定める上限の金額を超える金額としてはならない第二条第1項=二万円。第2項=事業者に事業用の資金を貸し付けることを主たる業務とする貸金業者から事業用資金の借入れがなされた場合であって、当該借入れに物的担保(手形又は小切手が交付されている場合を含む)又は人的担保が供されているときは、当該債権者に限り五万円
    減額報酬金第十四条=減額され、又は免れた債務の金額に十パーセント以下の範囲内で規則で定める割合を乗じた金額を超えてはならない第三条=十パーセント
    過払金報酬金第十五条=回収した過払金の金額に二十五パーセント以下の範囲内で規則で定める割合を乗じた金額を超えてはならない第四条=訴訟によらずに回収したときは二十パーセント、訴訟により回収したときは二十五パーセント
    規程第十三条〜第十五条と、債務整理事件処理の規律を定める規程施行規則第二条〜第四条。PDF原本より。

    消費税の扱いは規程第九条第二項が定めています。「次条から第十六条までに規定する弁護士報酬の額には、消費税額を含まないものとする。」=上表の金額・割合はいずれも税別の数字です。日弁連のページも「具体的な上限は、以下のとおりです(いずれも消費税別)。」と書き、解決報酬金を「1社あたり2万円以下が原則。商工ローンは5万円以下。」と要約しています。ただし「商工ローン」という語は施行規則の条文にはなく、条文側の要件は上表のとおり「事業用資金の借入れ+物的担保又は人的担保」です。

    また規程第九条第一項は、これらの規定に反する請求・受領そのものを禁じています。「弁護士は、次条から第十六条までの規定に反して、任意整理事件の弁護士報酬を請求し、又は受領してはならない。」

    日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程施行規則」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kisoku/kisoku_no_145.pdf(2026年9月5日確認・第二条〜第四条)/同「債務整理事件処理の規律を定める規程」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf(2026年9月5日確認・第九条・第十三条〜第十五条)/同「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html(2026年9月5日確認)

    5. 日弁連が公式ページに載せている計算例|2社で報酬金合計17万円

    日弁連のページには、上限どおりに計算した場合の例が載っています。以下は同ページの記載を整理したもので、当サイトが作った試算ではありません。設例は「Xは、A業者から50万円を請求され、B業者から70万円を請求されていた。それを弁護士に委任して整理した。」というものです。

    相手結果(同ページの記載)解決報酬金減額報酬金過払金報酬金小計
    A業者引き直し計算の結果、過払金が発生。XからA業者への支払いはなく、30万円の過払金を裁判によらずに回収2万円請求額50万円がゼロ=減額分50万円の10%=5万円回収額30万円の20%=6万円13万円
    B業者引き直しして50万円を分割で支払うことになった2万円70万円が50万円になった=減額分20万円の10%=2万円発生しない4万円
    報酬金合計(すべて上限の場合)17万円+消費税(着手金は別)
    日弁連「債務整理の弁護士報酬のルールについて」に掲載されている例(すべて上限の場合)。同ページは「報酬金合計 17万円+消費税(着手金は別)」と記載しています。

    この例が示しているのは、上限は「1件いくら」ではなく債権者ごとに積み上がるということです。手続全体の費用感については債務整理の費用の目安(法テラスの立替基準額)もあわせてご覧ください。

    日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html(2026年9月5日確認)

    6. 着手金に上限はない。ただし「別名目の手数料」は原則禁止

    日弁連のページは着手金について「【非事業者等任意整理事件の着手金の規制】⇒上限規制はなし」と明記しています。上限がない代わりに、規程第十条第一項第二号が着手金の額を決めるときに想定されている事務をイからトまで列挙しています(原文の要旨)。イ債権者に対する受任の通知と取引履歴の開示要求/ロ利息制限法が定める利率による引直し計算/ハ引直し計算の方法についての債権者との交渉/ニ引直し計算の結果、債務者が負担することが明らかとなった債務について、主に将来の収入を弁済原資として分割弁済を交渉し裁判外で和解すること/ホその和解に基づく弁済の送金代行/ヘ過払金の返還請求を裁判上又は裁判外で行い回収すること/トこれらに通常付随して行われる事務。

    イの「受任したことを通知」は、いわゆる受任通知です。通知の後の取立て規制については貸金業法21条1項9号の条文で扱っています。

    この列挙を受けて、規程第十一条が個別の名目での上乗せを禁止しています。着手金を請求・受領しているときは、イからトまでの個別の事務の処理(ホを除く)に関して「着手金、手数料その他名目のいかんを問わず弁護士報酬(次条に規定する報酬金を除く)を請求し、又は受領してはならない」という書き方です。日弁連のページはこれを「任意整理事件の処理をしている間の管理手数料とか、引き直し計算の計算手数料といった名目での手数料を取ることは禁止されています。」と説明しています。

    括弧書きが除いている「ホ」=送金代行だけは例外で、規程第十六条の委任を受けた施行規則第五条が「一回の送金について、送金先となる債権者一人当たり、銀行その他の金融機関に支払うべき送金手数料の実費に相当する額を含めて千円を超える金額としてはならない。」と定めています。

    着手金の追加請求についても、規程第十条第二項が原則禁止としています。条文が対象としているのは「受任した非事業者等任意整理事件について」で、追加が認められるのは「次に掲げる場合その他の特段の事情がある場合であって、受任の際に定めた着手金の額が不相応となったとき」です。条文が掲げているのは次の4つですが、そのあとに「その他の特段の事情がある場合」と続くため、この4つだけに限る書き方ではありません(以下は要旨)。①債権者の数が着手金の金額を定めた時までに債務者から申告されていた数より増えたとき/②債権者からの請求訴訟に応訴し、又はその他の法的手続に対処して代理人となるとき/③受任の際に予想されなかった法律事務処理が必要となり、かつ相当の時間又は労力を必要とするとき/④第三条・第四条の事務またはイからトまでの事務の処理に、受任の際に予想された程度を著しく超えて時間又は労力を必要とするとき。

    日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf(2026年9月5日確認・第十条・第十一条・第十六条)/同「債務整理事件処理の規律を定める規程施行規則」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kisoku/kisoku_no_145.pdf(2026年9月5日確認・第五条)/同「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html(2026年9月5日確認)

    7. 報酬以外の規律と、規程に反したときの扱い

    この規程は報酬だけを扱っているわけではありません。依頼する側が見積書とあわせて確認できる規定を挙げます(いずれも原文の要旨)。

    • 第三条第1項=受任に当たり、あらかじめ受任予定の弁護士が当該債務者と自ら面談をして、①債務の内容②債務者(生計を同じくする家族を含む)の資産・収入・生活費その他の生活状況③不動産の処理に関する希望④事件処理に関する意向、を聴取しなければならない
    • 第四条第1項=受任に際し、事件処理の方針及び見通し、弁護士報酬及びその他の費用、並びに不利益事項を説明しなければならない。条文が例示するのは①破産手続を選択したときの資格等の制限による職業の制限②信用情報機関への登録により金融機関からの借入れ等に支障が生じるおそれ③不動産等の資産を失う可能性
    • 第八条第2項=他の債務があることを知りながら、その債務整理事件の依頼を受けずに過払金返還請求事件のみの依頼を受けてはならない(原則)
    • 第十七条=和解契約書・調停調書等の原本又は写しを遅滞なく交付し、過払金の返還を受けたときは清算の結果を書面により報告
    • 第十八条=業務広告では報酬の基準と受任弁護士と面談する必要があることを表示するよう努める

    規程そのものには罰則の規定がありません。関係する条文として、日本弁護士連合会会則第二十九条第1項は「弁護士は、所属弁護士会及び本会の会則、会規及び規則を守らなければならない。」と定めています。また弁護士法(昭和24年法律第205号)第五十六条第1項は、懲戒事由をこう定めています(e-Gov法令検索の本則から抽出・2026年9月5日確認)。

    弁護士及び弁護士法人は、この法律(…)又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。

    同条第2項は「懲戒は、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会が、これを行う。」、第五十八条第1項は「何人も、弁護士又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、…所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。」と定めています。当サイトは、個別の事案がこれらの条文にいう懲戒事由に当たるかどうかの判断はしません。依頼先の所属弁護士会は日弁連の弁護士検索で確認でき、手順は実在確認ナビにまとめています。

    日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf(2026年9月5日確認)/同「日本弁護士連合会会則」PDF https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaisoku/kaisoku_no_1.pdf(2026年9月5日確認・第六条・第二十九条)/弁護士法(昭和24年法律第205号) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205(2026年9月5日確認・本則から抽出)

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    8. 司法書士の報酬|同じ上限の定めは確認できませんでした

    債務整理は司法書士にも依頼できる場合があります。日本司法書士会連合会(日司連)の公式ページ「司法書士の報酬」は、報酬の決まり方をこう説明しています(原文・2026年9月5日確認)。

    司法書士が業務を行ったときに受ける報酬については、各司法書士が自由に定めることになっています。 自由といっても、会則では、司法書士の報酬は、その額や算定方法・諸費用を明示し、依頼者との合意によって決定することになっています。

    司法書士に業務を依頼される際には、お近くの司法書士に相談のうえ、報酬について十分に説明を受けてくださるよう、お願いいたします。

    同ページには「司法書士の報酬と報酬アンケートについて」と「報酬アンケート結果(2024年(令和6年)3月実施)」の2本のPDFが掲載されていますが、アンケートは集計であって上限の定めではないため、当サイトはその数字を上限の話に混ぜません。

    そしてこのページには、債務整理事件について日弁連の規程に相当する報酬の上限額・上限割合の定めは記載されていません。当サイトが2026年9月5日に確認した範囲では、司法書士側の債務整理報酬に上限を定める規定を特定できませんでした。「上限がない」と断定しているのではなく、「当サイトの確認範囲では記載を見つけられなかった」という意味です。司法書士が扱える債務整理の範囲には司法書士法上の制限があり、司法書士の「140万円」で確認できます。

    日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」 https://www.shiho-shoshi.or.jp/about/remuneration/(2026年9月5日確認)

    この記事で扱わないこと

    個別の事務所が提示する金額が適正かどうか、どこに依頼すべきかは個別の判断であり、当サイトは扱いません。順位も優劣もつけません。費用の支払いが難しい場合の公的な制度は法テラスの費用立替制度と無料法律相談の条件で、公的な相談先は借金の相談窓口で、契約の相手の実在確認は実在確認と整理屋への注意で確認できます。

    よくある質問

    任意整理の弁護士費用には上限があるのですか?

    日弁連の会規「債務整理事件処理の規律を定める規程」と施行規則が、非事業者等任意整理事件の報酬金について上限を定めています=解決報酬金は債権者一人当たり2万円(一定の事業用資金の借入れで担保が供されている債権者に限り5万円)、減額報酬金は減額分の10%、過払金報酬金は訴訟によらない場合20%・訴訟による場合25%、いずれも消費税別。着手金には上限規制がないと日弁連のページが明記しています。

    自己破産や個人再生の費用にもこの上限はかかりますか?

    日弁連のページは「※破産事件、民事再生事件などは報酬規制の対象外です。」と明記しています。この規程の報酬規制は非事業者等任意整理事件が主な対象です。

    「引き直し計算の手数料」のような名目の請求はどう扱われますか?

    規程第十一条は、着手金を請求・受領しているときは、第十条第一項第二号イからトまでの個別の事務(送金代行を除く)について「着手金、手数料その他名目のいかんを問わず弁護士報酬(次条に規定する報酬金を除く)を請求し、又は受領してはならない。」と定めています。日弁連のページも、管理手数料や引き直し計算の計算手数料といった名目での手数料は禁止されていると説明しています。送金代行だけは施行規則第五条が、一回の送金につき債権者一人当たり実費相当額を含めて千円までと定めています。

    司法書士に依頼する場合も同じ上限ですか?

    日司連の「司法書士の報酬」ページは、司法書士の報酬は各司法書士が自由に定め、会則により額や算定方法・諸費用を明示して依頼者との合意で決めると説明しています。同ページに日弁連の規程に相当する上限の定めの記載はなく、当サイトが2026年9月5日に確認した範囲では特定できませんでした。


    日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html/「債務整理事件処理の規律を定める規程」 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf/「同施行規則」 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kisoku/kisoku_no_145.pdf/「日本弁護士連合会会則」 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaisoku/kaisoku_no_1.pdf/弁護士法 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205/日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」 https://www.shiho-shoshi.or.jp/about/remuneration/(いずれも2026年9月5日確認)

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    最終更新:2026年9月5日/このページは公表されている一次情報(日本弁護士連合会の公式ページおよび会規・規則・会則のPDF原本、e-Gov法令検索、日本司法書士会連合会の公式ページ)のみを根拠に作成しています。規程・施行規則・会則はPDF原本から、弁護士法は本則から条文を抽出しており、解説書や実務上の運用は使用していません。司法書士の債務整理報酬の上限を定める規定は当サイトの確認範囲では特定できなかったため「記載なし」と明記し、推測で補っていません。個別の事務所の報酬額の当否は評価していません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 給料の差押えはいくらまでか|民事執行法152条の「4分の3」と施行令2条の「33万円」、範囲変更の申立て(153条)を条文で確かめる

    給料の差押えはいくらまでか|民事執行法152条の「4分の3」と施行令2条の「33万円」、範囲変更の申立て(153条)を条文で確かめる

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    給料の差押えについて、法律は「差し押さえてはならない部分」の側から金額を定め、裁判所の手続案内は「差し押さえることができる部分」の側から同じ内容を説明しています。同じ制度を反対側から書いているだけなのですが、片方だけを読むと数字が食い違って見えます。この記事では、民事執行法152条と民事執行法施行令2条の原文、裁判所が公表している説明、そして民事執行法153条の「差押禁止債権の範囲の変更」の申立てを、e-Gov法令検索と裁判所のページの記載だけで確認します。当サイトは独自の計算式を作らず、個別の事案でいくら残るかという計算も行いません。

    1. 条文の原文|民事執行法152条1項は「4分の3」を差押禁止としている

    e-Gov法令検索で民事執行法(昭和54年法律第4号・lawId=354AC0000000004)の本則を確認しました(2026年9月5日)。152条の見出しは「差押禁止債権」です。1項は次のとおりです(原文)。

    次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
    一 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
    二 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権

    読み取れるのは次の2点です。いずれも条文にそう書かれているという指摘であり、当サイトの解釈ではありません。

    • 原則として「四分の三に相当する部分」を差し押さえてはならない=残る側が4分の3です。
    • ただし、その額が「政令で定める額」を超えるときは、政令で定める額に相当する部分が差押禁止になる=守られる金額には上限があり、その上限額は条文ではなく政令に置かれています。

    また、給料の差押えが1回で終わらない点は151条に書かれています。「給料その他継続的給付に係る債権に対する差押えの効力は、差押債権者の債権及び執行費用の額を限度として、差押えの後に受けるべき給付に及ぶ。」(原文)

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月5日確認・本則から抽出)

    2. 上限額は政令にある|民事執行法施行令2条の「三十三万円」

    152条1項が委任している政令は民事執行法施行令(昭和55年政令第230号・lawId=355CO0000000230)です。その2条の見出しは「差押えが禁止される継続的給付に係る債権等の額」で、支払期の区分ごとに額を定めています(原文の数字をそのまま表にしたもの・2026年9月5日確認)。

    支払期の区分(施行令2条1項)政令で定める額
    一 支払期が毎月と定められている場合三十三万円
    二 支払期が毎半月と定められている場合十六万五千円
    三 支払期が毎旬と定められている場合十一万円
    四 支払期が月の整数倍の期間ごとに定められている場合三十三万円に当該倍数を乗じて得た金額に相当する額
    五 支払期が毎日と定められている場合一万千円
    六 支払期がその他の期間をもつて定められている場合一万千円に当該期間に係る日数を乗じて得た金額に相当する額
    民事執行法施行令2条1項が定める「政令で定める額」。表現・数字はいずれも条文の語です。

    この1項は、対象を「法第百五十二条第一項各号に掲げる債権(次項の債権を除く。)」と書いており、賞与は1項から除かれています(原文)。賞与の額は同条2項が別に定めています。「賞与及びその性質を有する給与に係る債権に係る法第百五十二条第一項の政令で定める額は、三十三万円とする。」(原文)

    よく耳にする「33万円」は、この施行令2条1項1号(毎月払いの場合)と2項(賞与)の額です。なお、同じ施行令の1条も「六十六万円」という額を定めていますが、条文上その額は民事執行法131条3号(同法192条において準用する場合を含む)について定められたものであり、152条=給料の話ではありません。自己破産の場面で出てくる金額との関係は自己破産で手元に残せる財産(自由財産)で扱っています。

    民事執行法施行令(昭和55年政令第230号) https://laws.e-gov.go.jp/law/355CO0000000230(2026年9月5日確認・本則から抽出)

    3. 裁判所の説明は「差し押さえることができる」側から書かれている

    裁判所の手続案内「債権執行(債務名義に基づく差押え)」は、手続の流れの「3 差押え」で次のように説明しています(原文・2026年9月5日確認)。

    差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が生じます。例えば、給料の差押えの場合、原則として相手方の給料の4分の1(月給で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)を差し押さえることができます。ただし、相手方が既に退職している場合などには、差押えはできません。

    民事事件Q&Aの「相手方の給料を差し押さえる場合、全額を差し押さえることはできますか。」も、「給料差押えの場合、相手方の給料の4分の1(月額で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)※を差し押さえることができます。」とほぼ同じ文を置いています(原文)。

    条文(152条1項)は差し押さえてはならない側=4分の3を書き、裁判所の説明は差し押さえることができる側=4分の1を書いています。向きが逆なだけで、どちらか一方が誤っているという話ではありません。当サイトは、この2つをつなぐ独自の計算式や、月給ごとの早見表を作りません。なお裁判所のQ&Aには、各項目の冒頭に共通の但し書きが置かれています(原文)。「【※運用に関する記載は、一例を記載したものであり、記載された内容と異なる運用をしている庁もあります。】」

    裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_08/index.html(2026年9月5日確認)/裁判所「民事事件Q&A(債権執行手続)」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(2026年9月5日確認)

    4. 賞与・退職年金・退職手当|152条の書き分け

    対象条文の位置条文が書いている割合と上限
    給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権152条1項2号4分の3。ただし「政令で定める額」を超えるときはその額(施行令2条=毎月払い33万円ほか、賞与33万円)
    退職手当及びその性質を有する給与に係る債権152条2項4分の3。2項の条文には、1項にある「政令で定める額」のかっこ書きがありません
    民事執行法152条1項2号・2項の文言を対象ごとに整理したもの。割合・かっこ書きの有無は条文の記載そのものです。「退職年金」は1項2号に、「退職手当」は2項に、それぞれ別に書かれています。

    民事執行法(昭和54年法律第4号)152条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月5日確認・本則から抽出)

    5. 養育費などを請求する場合は「4分の3」が「2分の1」に読み替えられる

    152条3項は、読み替えの規定です(原文)。

    債権者が前条第一項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前二項の規定の適用については、前二項中「四分の三」とあるのは、「二分の一」とする。

    ここでいう「前条第一項各号に掲げる義務」は、151条の2第1項が挙げる次の4つです(原文)。

    • 一 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
    • 二 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
    • 三 民法第七百六十六条及び第七百六十六条の三(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
    • 四 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務

    つまり、これらの義務に係る金銭債権を請求する差押えでは、条文上の割合が「二分の一」になります。裁判所の「債権執行(債務名義に基づく差押え)」も、給料の4分の1という説明のあとに「※ 養育料等を請求する場合については」として「債権執行(養育費等に基づく差押え)」のページへの案内を置いています。養育費等の手続の詳細は本記事では扱いません。

    民事執行法(昭和54年法律第4号)151条の2・152条3項 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月5日確認・本則から抽出)/裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_08/index.html(2026年9月5日確認)

    6. 範囲を変えてもらう申立て|民事執行法153条

    152条の割合は固定ではありません。153条の見出しは「差押禁止債権の範囲の変更」で、1項は次のとおりです(原文)。

    執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部若しくは一部を取り消し、又は前条の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができる。

    この一文には2つの方向が書かれています。差押命令の全部または一部を取り消す方向(減縮)と、152条で差し押さえてはならないとされた部分について差押命令を発する方向(拡張)です。2項は、事情の変更があったときに、申立てにより取り消された債権を差し押さえ、または1項の差押命令の全部・一部を取り消すことができると定めています。4項は、1項・2項による取消しの申立てを却下する決定に対して執行抗告をすることができると定めています。

    手続の進め方は、裁判所の民事事件Q&A「差押範囲変更(減縮)の申立てについて教えてください。」に記載があります。同ページは対象を「差押えによって債務者の生活に著しい支障が生じる場合(例えば、生活保護費や年金の振込口座が差し押さえられ、生活が成り立たなくなる場合)など」と書いています(原文・2026年9月5日確認)。

    項目裁判所Q&Aの記載
    申立てをする裁判所債権差押命令を発令した裁判所
    申立時期債権者が、第三債務者から差し押さえた金銭債権の支払を受ける前に申立てをする必要があります
    申立書正本1通、副本(債権者の数分)。事件番号、申立ての趣旨(差押範囲をどのように変更したいのか)及び理由(範囲変更を必要とする事情)を記載
    裏付け資料(同ページが「例示」と明記)陳述書、家計表(申立前2か月分)/源泉徴収票、課税証明書(又は非課税証明書)/給与明細書(申立前2か月分)/預貯金口座の通帳のコピー(過去1年分)/世帯全員及び同居者全員の住民票(申立日から3か月以内に発行されたもの) ほか
    郵便切手申立てをする裁判所にお問い合わせください
    裁判所 民事事件Q&A「差押範囲変更(減縮)の申立て」の記載を項目に分けたもの。同ページには、裁判所から異なる資料を求められる場合があるとも書かれています。

    同Q&Aは、判断の仕方についても「債務者が差押範囲変更の申立てをすると、裁判所は、債務者や債権者から提出された資料をもとに、申立てを認めるかどうかを判断します。」と書き、続けて「また、差押範囲変更が認められても、債務者の債務が減るわけではありません。」と記載しています(いずれも原文)。申立書の書式(差押範囲変更申立書)は同ページからダウンロードできます。個別の事案で申立てが認められるかどうかについて、当サイトは見通しを述べません。

    民事執行法(昭和54年法律第4号)153条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月5日確認・本則から抽出)/裁判所「民事事件Q&A(債権執行手続)」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(2026年9月5日確認)

    7. 給料の差押えでは取立てまでが「4週間」|155条2項と145条4項

    153条の申立時期が「債権者が支払を受ける前」であることと関係するのが、155条です。1項は「金銭債権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から一週間を経過したときは、その債権を取り立てることができる。ただし、差押債権者の債権及び執行費用の額を超えて支払を受けることができない。」と定め、2項が次の読み替えを置いています(原文)。

    差し押さえられた金銭債権が第百五十二条第一項各号に掲げる債権又は同条第二項に規定する債権である場合(差押債権者の債権に第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る金銭債権が含まれているときを除く。)における前項の規定の適用については、同項中「一週間」とあるのは、「四週間」とする。

    裁判所の手続案内も、取立てについて「債権差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過したときは(ただし、給料の差押えの場合については、養育費などを請求する場合を除いて4週間となります。)、債権者はその債権を自ら取り立てることができます」と説明しています。

    また145条4項は、次のとおりです(原文)。

    裁判所書記官は、差押命令を送達するに際し、債務者に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、第百五十三条第一項又は第二項の規定による当該差押命令の取消しの申立てをすることができる旨その他最高裁判所規則で定める事項を教示しなければならない。

    条文が挙げている「その他最高裁判所規則で定める事項」の中身(民事執行規則の定め)は、今回一次情報で確認していないため記載なしとします。

    民事執行法(昭和54年法律第4号)145条・155条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004(2026年9月5日確認・本則から抽出)/裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_08/index.html(2026年9月5日確認)

    8. この記事で扱わないこと

    差押えを受けた場合にどの手続を選ぶか、勤務先にどう説明するか、範囲変更の申立てと債務整理のどちらを先に検討するかは、いずれも個別の判断であり、当サイトは扱いません。手続ごとの公的な定義は債務整理の4つの方法と、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停の各記事で確認できます。依頼したことの通知と取立ての関係は受任通知で取立てが止まる仕組み、相談先は借金の公的な相談窓口一覧、依頼先の実在確認は日弁連・日司連の検索で確認する手順と実在確認ナビ、費用は法テラスの無料法律相談の条件と費用立替制度、返済額の計算は返済計算の道具をご覧ください。

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    よくある質問

    給料はいくらまで差し押さえられるのですか。

    民事執行法152条1項は「その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が…政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない」と定めています。政令(民事執行法施行令2条1項1号)は、支払期が毎月と定められている場合の額を三十三万円としています。裁判所は同じ内容を「相手方の給料の4分の1(月額で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)を差し押さえることができます」と説明しています。当サイトでは個別の金額計算は行いません。

    賞与や退職金も同じ扱いですか。

    賞与は民事執行法152条1項2号に列挙されており、政令の額は民事執行法施行令2条2項が三十三万円と定めています。退職手当およびその性質を有する給与に係る債権は152条2項に置かれ、「その給付の四分の三に相当する部分は、差し押さえてはならない」と書かれています。2項の条文には、1項にある「政令で定める額」のかっこ書きがありません。

    養育費の場合は割合が変わるのですか。

    民事執行法152条3項が、151条の2第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権を請求する場合について、152条1項・2項中の「四分の三」を「二分の一」と読み替えると定めています。151条の2第1項各号は、民法752条の夫婦間の協力及び扶助の義務、民法760条の婚姻から生ずる費用の分担の義務、民法766条・766条の3の子の監護に関する義務、民法877条から880条までの扶養の義務です。

    生活が成り立たない場合はどうすればよいですか。

    民事執行法153条1項は、執行裁判所が申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して差押命令の全部または一部を取り消すことができると定めています。裁判所の民事事件Q&Aは、この申立てを「債権差押命令を発令した裁判所」に、「債権者が、第三債務者から差し押さえた金銭債権の支払を受ける前に」する必要があると記載し、陳述書・家計表・給与明細書などの裏付け資料を例示しています。具体的な申立ての可否や進め方は弁護士・司法書士にご相談ください。

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    最終更新:2026年9月5日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・裁判所)のみを根拠に作成しています。条文は民事執行法(昭和54年法律第4号)および民事執行法施行令(昭和55年政令第230号)の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。民事執行規則の定め(145条4項の「最高裁判所規則で定める事項」)、生活保護法・年金各法などの個別の差押禁止規定、差押禁止債権が口座に振り込まれた後の取扱いは一次情報で確認できなかったため記載していません。裁判所のQ&Aは「運用に関する記載は、一例を記載したものであり、記載された内容と異なる運用をしている庁もあります」と注記しています。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 支払督促が届いたら|2週間以内の督促異議(民事訴訟法386条・391条・393条)と仮執行宣言の仕組みを裁判所の公表情報で確かめる

    支払督促が届いたら|2週間以内の督促異議(民事訴訟法386条・391条・393条)と仮執行宣言の仕組みを裁判所の公表情報で確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    簡易裁判所の名前で「支払督促」という書面が届くことがあります。この記事は、その書面が届いた後に手続としてどう進むのかを、裁判所の手続案内・簡易裁判所の民事事件Q&Aと、e-Gov法令検索の民事訴訟法・民事執行法・民法の条文だけで確認した記録です。先に結論として、一次情報にはっきり書かれているのは次の3点です。①支払督促は債務者を審尋しないで発せられること(民事訴訟法386条1項)、②送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てがないと債権者の申立てにより仮執行の宣言がされること(同法391条1項)、③仮執行の宣言を付した支払督促は民事執行法22条4号の債務名義であること。個別の請求に理由があるかどうか、異議を申し立てるべきかどうかは、当サイトでは判断しません。

    1. 支払督促とは何か|裁判所の説明

    裁判所は「支払督促」の手続案内の冒頭で、次のように説明しています(2026年9月5日確認・原文)。

    金銭、有価証券、その他の代替物の給付に係る請求について、債権者の申立てにより、その主張から請求に理由があると認められる場合に、支払督促を発する手続であり、債務者が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議の申立てをしなければ、裁判所は、債権者の申立てにより、支払督促に仮執行宣言を付さなければならず、債権者はこれに基づいて強制執行の申立てをすることができます。

    同じページの「2.特徴」は次の2点を挙げています(原文)。

    ①書類審査のみなので、訴訟の場合のように審理のために裁判所に来る必要はありません。
    ②債務者が支払督促に対し異議を申し立てると、請求額に応じ、地方裁判所又は簡易裁判所の民事訴訟の手続に移行します。

    条文の側では、民事訴訟法382条が対象となる請求を「金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求」と定め、これについて「裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる」としています。386条1項は「支払督促は、債務者を審尋しないで発する。」と定めています。当サイトは、この条文が書いている以上のことを述べません。

    裁判所「支払督促」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_22/index.html(2026年9月5日確認)/民事訴訟法(平成8年法律第109号) https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109(2026年9月5日確認・本則から抽出)

    2. 「2週間」はどの条文に書かれているか

    裁判所の説明にある「2週間」は、民事訴訟法387条1項と391条1項に書かれています。いずれも起算点は「送達を受けた日」です。387条1項は、裁判所書記官が作成する電子支払督促に「債務者がその送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは債権者の申立てにより仮執行の宣言をする旨」を記録すると定めています。そして391条1項が、その効果を定めています(原文)。

    債務者が電子支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、電子支払督促に手続の費用額を併せて記録して仮執行の宣言をしなければならない。ただし、その宣言前に督促異議の申立てがあったときは、この限りでない。

    督促異議の申立先は386条2項に書かれています(原文)。

    債務者は、支払督促に対し、これを発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所に督促異議の申立てをすることができる。

    なお388条2項は「支払督促の効力は、債務者に送達された時に生ずる。」と定めています。当サイトは、届いた日付から「いつまでなら間に合う」といった期限の言い換えや計算はしません。期間の数え方を含め、個別の日付は書面と簡易裁判所の記載でご確認ください。

    民事訴訟法(平成8年法律第109号)386条・387条・388条・391条 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109(2026年9月5日確認・本則から抽出)

    3. 手続の流れ|裁判所が示す①〜⑥

    裁判所の手続案内「4.手続の流れ」は、次の6段階を挙げています(原文の要旨を段階ごとに整理したもので、期間の表現は原文のままです)。

    段階裁判所の記載対応する条文
    ①支払督促の申立てがあると、裁判所書記官による審査がなされます382条・383条1項・385条1項
    ➁審査後、支払督促が発付されると、債権者に対しては発付通知、債務者に対しては支払督促が送達されます386条1項・388条
    ➂債務者は支払督促を受け取ってから2週間以内に、督促異議の申立てをすることができます(異議が申し立てられると通常訴訟に移行)386条2項・390条・395条
    ※異議がなかった場合、債権者は「支払督促送達日の翌日から起算して2週間目の翌日~30日以内」に仮執行宣言の申立てをすることが出来ます391条1項・392条
    ➃仮執行宣言の申立てがあると、裁判所書記官による審査がなされます391条1項
    ⑤仮執行宣言が発付されると、債権者及び債務者双方に仮執行宣言付支払督促が送達(債権者に対しては、同意があれば送付)されます。送達後、債権者は、強制執行の申立てをすることができます391条2項・民事執行法22条4号
    ⑥債務者は仮執行宣言付支払督促を受け取ってから2週間以内に、督促異議の申立てをすることができます(異議がなければ確定)393条・396条
    裁判所「支払督促」4.手続の流れ(2026年9月5日確認)と、対応する条文の番号。条文の対応付けは条文の文言に基づく整理です。

    「30日」は民事訴訟法392条に対応します。同条は「債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から三十日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。」と定めており、裁判所の簡裁民事Q&Aも「申立人が30日以内に仮執行宣言の申立てをしなかった場合には、支払督促は効力を失います」と書いています。

    裁判所「支払督促」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_22/index.html/裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html(いずれも2026年9月5日確認)

    4. 督促異議はどうやって申し立てるのか

    裁判所の簡裁民事Q&A「支払督促を受けた場合はどうしたらいいですか?」は、次のように説明しています(原文)。

    支払督促は、申立人の申立内容だけを審査して、相手方に金銭の支払を命ずるものです。申立人の請求金額は「請求の趣旨」の欄に、申立人の言い分は「請求の原因」の欄に書かれています。この支払督促に不服があれば、異議を申し立てることができます。
    異議を申し立てる場合には、支払督促に同封されている「異議申立書」という書面に所定の事項を書いて、支払督促を出した簡易裁判所に郵送するか、直接持参するかしてください。令和8年5月21日以降に申し立てられた支払督促に対しては、mints(民事裁判書類電子提出システム)を利用して異議申立書をオンライン提出することもできます。

    ここから読み取れる事実は3つです。①異議申立書は支払督促に同封されている、②提出先は支払督促を出した簡易裁判所で、郵送または持参、③令和8年5月21日以降に申し立てられた支払督促についてはmintsによるオンライン提出も可能。

    裁判所の書式ページに督促異議申立書は掲載されていません

    裁判所の「支払督促で使う書式」ページに掲載されているのは、支払督促申立書(汎用・貸金・賃料ほか)、支払督促申立書訂正申立書、仮執行宣言申立書、支払督促申立て取下書、送達場所等の届出書、送達証明・記載事項証明の各申請書などです。同ページに督促異議申立書の書式は掲載されていません(2026年9月5日確認)。異議申立書が支払督促に同封されているというQ&Aの記載と整合します。書面が見当たらない場合の取扱いは一次情報で確認できなかったため記載しません。支払督促を出した簡易裁判所にご確認ください。

    裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html/裁判所「支払督促で使う書式」 https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_siharaitokusoku/index.html(いずれも2026年9月5日確認)

    5. 異議申立ての期間について、裁判所は2通りの書き方をしています

    同じQ&Aの末尾に、次の記載があります(原文)。

    支払督促送達日から2週間以内に異議の申立てをしないと、支払督促に仮執行宣言が付されることがあります。仮執行宣言が付されると、直ちに強制執行を受けることがあります。
    なお、支払督促に対する異議の申立期間は、支払督促に仮執行宣言が付されるまでです。また、仮執行宣言の付された支払督促に対する異議の申立期間は、仮執行宣言の付された支払督促送達日から2週間以内です。

    条文の側でも、391条1項ただし書が「その宣言前に督促異議の申立てがあったときは、この限りでない」と定め、390条が「仮執行の宣言前に適法な督促異議の申立てがあったときは、支払督促は、その督促異議の限度で効力を失う。」と定めています。一方、仮執行宣言が付いた後については393条が期間を区切っています(原文)。

    仮執行の宣言を付した電子支払督促の送達を受けた日から二週間の不変期間を経過したときは、債務者は、その支払督促に対し、督促異議の申立てをすることができない。

    以上はいずれも裁判所と条文にそう書かれているという事実の記載です。2週間を過ぎた場合に個別の事案でどうなるかについて、当サイトは判断も見通しも述べません。

    裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html/民事訴訟法390条・391条・393条 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109(いずれも2026年9月5日確認)

    6. 督促異議を申し立てるとどうなるか|通常訴訟への移行

    民事訴訟法395条は、適法な督促異議の効果を次のように定めています(原文)。

    適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、督促手続の費用は、訴訟費用の一部とする。

    裁判所の説明でも「異議を申し立てると、事件は、通常の訴訟手続で審理されることになります」と書かれています。つまり条文上は、異議によって手続が終わるのではなく、訴訟の手続に移るという構造です。ただし394条1項は、簡易裁判所は督促異議を不適法であると認めるときは決定でその督促異議を却下しなければならないと定めており、同条2項はこの決定に対して即時抗告をすることができると定めています。どのような場合に「不適法」と判断されるかは条文に定義がないため、当サイトでは扱いません。

    そして396条は「仮執行の宣言を付した支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、又は督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、確定判決と同一の効力を有する。」と定めており、Q&Aも「異議の申立てをしないと、仮執行宣言付支払督促の内容について、今後争うことができなくなります」と説明しています。

    民事訴訟法394条・395条・396条 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109/裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html(いずれも2026年9月5日確認)

    7. 仮執行宣言が付いた後|強制執行の根拠と「執行停止の手続」

    強制執行の根拠となる文書は、民事執行法22条が「債務名義」として列挙しています。柱書は「強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。」で、各号には1号「確定判決」、2号「仮執行の宣言を付した判決」などが並び、4号に「仮執行の宣言を付した支払督促」が挙げられています(2026年9月5日確認・原文)。7号は「確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)」です。

    裁判所のQ&Aは、仮執行宣言が付いた後の異議について次のように注意を書いています(原文)。

    なお、仮執行宣言の付されている支払督促に異議を申し立てても、執行停止の手続をとらなければ、強制執行を停止することはできません。

    この「執行停止の手続」に対応する条文が民事訴訟法403条です。1項柱書は、裁判所が申立てにより決定で強制執行の一時の停止を命じることができる場合を列挙し、その3号に次を挙げています(原文)。

    仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立て(中略)があった場合において、原判決若しくは支払督促の取消し若しくは変更の原因となるべき事情がないとはいえないこと又は執行により著しい損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。

    条文は「疎明があったとき」に裁判所が停止を命じることが「できる」という書き方であり、申立てをすれば停止されると書かれているわけではありません。個別の事案での見通しは当サイトでは述べません。

    民事執行法(昭和54年法律第4号)22条 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/民事訴訟法403条 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109/裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html(いずれも2026年9月5日確認)

    8. 時効との関係は、条文の位置だけを示します

    民法147条1項は「裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新」という見出しで、柱書に「次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(中略)までの間は、時効は、完成しない。」と定め、その2号に「支払督促」を挙げています。2項は、確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は同項各号の事由が終了した時から新たに進行を始める、と定めています(2026年9月5日確認)。個別の債権について時効が完成しているかどうか、援用ができるかどうかは、当サイトでは判断しません。制度としての援用の仕組みは消滅時効の援用とはで条文をたどっています。

    民法(明治29年法律第89号)147条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月5日確認・本則から抽出)

    9. 費用が心配な場合に、裁判所が挙げている制度

    裁判所の手続案内は、申立てに必要な費用の項で次のように記載しています(原文)。

    ※訴訟費用を支払う資力の乏しい当事者の方でも、裁判を受ける権利を保障するため、支払督促の申立費用の支払を猶予する制度(「訴訟上の救助」といいます。)が設けられています。ただし、申立ての内容等から勝訴の見込みがないことが明らかなときは、認められないことがあります。

    同じ項は、日本司法支援センター(法テラス)が実施する「民事法律扶助による立替制度」にも触れています。立替制度の収入・資産基準は法テラスの費用立替制度で、無料法律相談の条件は無料法律相談の条件で確認できます。申立手数料の金額は、裁判所の「手数料早見表」(PDF)を開いて確認していないため、この記事には書きません。

    裁判所「支払督促」3(4) https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_22/index.html(2026年9月5日確認)

    10. この記事で扱わないこと

    請求されている金額が正しいか、異議を申し立てるべきか、申し立てた場合に結論がどうなるかは、いずれも個別の判断です。当サイトはこれらを扱いません。手続ごとの公的な定義は債務整理の4つの方法と、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産で確認できます。弁護士・司法書士に依頼した場合の取立て規制の条文は受任通知と貸金業法21条1項9号に、司法書士が扱える範囲は司法書士の「140万円」にまとめています。相談先を選ぶ前には、日弁連・日司連の公式検索で実在を確認する手順と実在確認ナビをご覧ください。公的な相談窓口の一覧は借金の相談窓口にあります。

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    よくある質問

    督促異議はどこに出すのですか?

    民事訴訟法386条2項は「これを発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所」と定めています。裁判所のQ&Aは、支払督促に同封されている「異議申立書」に所定の事項を書いて、支払督促を出した簡易裁判所に郵送するか直接持参するよう説明しており、令和8年5月21日以降に申し立てられた支払督促についてはmints(民事裁判書類電子提出システム)によるオンライン提出もできると記載しています(2026年9月5日確認)。

    異議を申し立てれば強制執行は止まりますか?

    裁判所のQ&Aは「仮執行宣言の付されている支払督促に異議を申し立てても、執行停止の手続をとらなければ、強制執行を停止することはできません」と説明しています。民事訴訟法403条1項3号は、仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合に、一定の事情につき疎明があったときは裁判所が強制執行の一時の停止を命じることが「できる」と定めています。個別の事案でどうなるかは当サイトでは判断しませんので、弁護士・司法書士にご相談ください。

    2週間を過ぎるとどうなりますか?

    民事訴訟法391条1項は、送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしないときは、債権者の申立てにより裁判所書記官が仮執行の宣言をしなければならない(ただし宣言前に督促異議の申立てがあったときは除く)と定めています。392条は、債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から30日以内に申立てをしないときは支払督促が効力を失うと定めています。裁判所のQ&Aは、支払督促に対する異議の申立期間は「支払督促に仮執行宣言が付されるまで」と書いています。期限の言い換えや日付の計算は当サイトでは行いません。

    仮執行宣言付支払督促が届いた場合はどうなりますか?

    民事訴訟法393条は、仮執行の宣言を付した電子支払督促の送達を受けた日から2週間の不変期間を経過したときは、債務者はその支払督促に対し督促異議の申立てをすることができないと定めています。また民事執行法22条4号は「仮執行の宣言を付した支払督促」を債務名義として挙げています。裁判所は、仮執行宣言が付されると申立人は直ちに強制執行手続をとることができる、と説明しています(2026年9月5日確認)。


    裁判所「支払督促」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_22/index.html/裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kansai/index.html/裁判所「支払督促で使う書式」 https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_siharaitokusoku/index.html/民事訴訟法 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109/民事執行法 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/民法 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(いずれも2026年9月5日確認)

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    最終更新:2026年9月5日/このページは公表されている一次情報(裁判所の手続案内・簡易裁判所の民事事件Q&A・支払督促で使う書式、e-Gov法令検索の民事訴訟法・民事執行法・民法)のみを根拠に作成しています。条文はいずれも本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。申立手数料の金額(裁判所の手数料早見表PDF)、督促手続オンラインシステムの画面や操作、督促異議が「適法」「不適法」と判断される基準、個別の事案の見通しは一次情報で確認できなかった、または判断の対象となるため記載していません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 法テラスの立替金と生活保護の受給終了(打ち切り)|返済はいつ始まるか、免除の3要件を公式Q&Aで確かめる

    法テラスの立替金と生活保護の受給終了(打ち切り)|返済はいつ始まるか、免除の3要件を公式Q&Aで確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    先に結論:法テラスの公式Q&Aは、生活保護の受給が終了することになった場合について「返済を開始していただきます。」と記載しています(2026年9月5日確認)。同じQ&Aには「毎月の返済額は収入等に応じて決定します」「生活保護に準じる生活状況の方は、免除となる場合があります」ともあります。この記事は、受給が終わった後の立替金の扱いを法テラスの公表情報だけで確認した記録です。受給中の猶予と免除申請そのものは法テラスと生活保護(受給中の取扱い)で扱っています。個別の事案がどう扱われるかは当サイトでは判断しません。

    1. 「打ち切り」が指しているものは2つあります

    「打ち切り」という語は、法テラスの公表情報では別々の項目に対応します。先に分けます。

    どちらの「打ち切り」か法テラスの記載
    生活保護の受給が終わること公式Q&A 2-2「生活保護の受給が終了することになりました。返済はどうなりますか?」→「返済を開始していただきます。」
    法テラスの援助そのものが打ち切られること公式Q&A 4-3「利用中に収入などの基準を満たさなくなった場合はどうなりますか?」→「援助が打ち切りになる可能性があります。」
    いずれも法テラス「法テラスをご利用中の方からのよくあるお問合せ」の見出しと回答の冒頭です(2026年9月5日確認)。

    4-3の本文は「収入や資産、ご家族の人数、引っ越しなどによる居住地の変更などにより、援助の要件を満たさなくなった場合、手続きの途中でも援助が打ち切りになる場合があります。」=手続の途中で援助が止まる話です。以下では生活保護の受給が終わる場合を扱います。

    法テラス「法テラスをご利用中の方」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/(2026年9月5日確認・4-3)

    2. 受給が終了したら|公式Q&Aは「返済を開始していただきます」

    2-2は、質問「生活保護の受給が終了することになりました。返済はどうなりますか?」に「→返済を開始していただきます。」と答え、本文を次のように続けています(提出書類の例示部分は中略)。

    毎月の返済額は収入等に応じて決定しますので、(中略)ご利用の地方事務所へお申し出ください。また、生活保護に準じる生活状況の方は、免除となる場合があります。詳しくはご利用の地方事務所にお問い合わせください。

    ここに書かれている事実は、①受給終了後は返済が始まるものとされている②毎月の返済額は収入等に応じて決定する(一律の額は示されていません)③「生活保護に準じる生活状況の方」には免除となる場合がある、の3点です。手続の窓口は、いずれも利用している地方事務所と書かれています。

    返済額については、2-3に「毎月の返済額を変更できる場合がありますので、返済額の見直しをご希望の方は、給与明細や年金受給額の分かるものなどをご用意の上、ご利用の地方事務所へお申し出ください。」とあります。2-4は、今月の返済ができそうもない場合に「失業した、シフトが減った、医療費の支払いが多かった、などのご事情」を伝えるよう案内し、「毎月の返済額を見直したり、一定期間の猶予を検討したりすることができる場合があります。」と記載しています。連絡時は援助番号(決定書の右上に記載)と氏名を伝えるよう書かれています。月額と総額の関係を概算したいだけなら返済シミュレーション(道具ページ)で試せます(法テラスの決定額とは無関係の計算ツールです)。

    法テラス「法テラスをご利用中の方」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/(2026年9月5日確認・2-2/2-3/2-4)

    3. 受給中はどう書かれているか(比較)

    受給が続いている場合の2-1は「→返済を猶予することができます。」で、本文は次のとおりです。

    現在返済中の場合は、返済を猶予したり、返済の免除申請をすることができます。ご利用の地方事務所にお申し出ください。但し、全ての申請者が猶予・免除される訳ではありません。

    公表情報の上では受給中=猶予・免除申請ができる/受給終了=返済を開始するという書き分けで、受給中でも「全ての申請者が猶予・免除される訳ではありません」と明記されています。詳細は法テラスと生活保護(受給中の取扱い)、立替制度の収入・資産基準は法テラスの費用立替制度と収入・資産の基準にまとめています。

    法テラス「法テラスをご利用中の方」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/(2026年9月5日確認・2-1)

    4. 生活保護受給中の免除は「3つの要件」と公表されています

    法テラスは、弁護士・司法書士向けQ&Aで、生活保護受給者に係る免除の要件を次の3つとして公表しています(原文)。

    生活保護受給者に係る免除の要件は、
    (1)生活保護法による保護を受けていること
    (2)事件の結果得た利益の25%を償還していること、または25%の償還を不要とする特別の事情があること
    (3)免除を認める相当性があること
    の3つを満たすことが必要です。

    同ページには「生活保護受給者であれば立替金が免除されるという制度ではありませんので、「費用がかからない」といった案内は相当ではありません。」ともあります。利用者向けQ-9は「免除となるかどうかは、法テラスの援助事件がすべて終了した後(=終結決定がされた後)、あなたが免除申請をした時点での経済状況や事件の結果得た経済的利益等(=金銭や不動産など)を踏まえて判断します。」と記載しています。要件(1)は「生活保護法による保護を受けていること」です。受給終了後の状態がどう評価されるかは法テラスの判断事項で、当サイトはその判断を行いません。

    法テラス「よくあるQ&A/生保免除申請関係」 https://www.houterasu.or.jp/site/bengoshitou-faq/fujo-faq-12.html(2026年9月5日確認)/法テラス「立替金の償還免除申請に関するよくあるお問合せ」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/menjyoshinsei.html(2026年9月5日確認・Q-9)

    5. 免除申請ができる時期と、受給証明書の3か月ルール

    申請の時期についてQ-1は「法テラスの援助が終了する前に、あらかじめ免除申請することはできません。」と記載しています。生活保護を受給中の方についてのQ-8は次のとおりです。

    生活保護受給中の方を対象とした立替金の返済の免除制度があります。
    免除申請書に必要事項を記入し、免除申請日から3か月以内に発行された生活保護受給証明書を添えて法テラスに提出してください。

    Q-8はさらに、申請は援助事件がすべて終了し終結決定がされた後に行うこと、申請したからといって免除になるものではないことを記載しています。公表情報上は「全事件の終結決定後」という時期の条件と、「申請日から3か月以内に発行された受給証明書」という書類の条件が置かれています。受給が終わりそうな時期に事件がまだ続いている場合の扱いは、今回参照した公表情報では確認できませんでした。地方事務所にお問い合わせください。

    法テラス「立替金の償還免除申請に関するよくあるお問合せ」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/menjyoshinsei.html(2026年9月5日確認・Q-1/Q-8)

    6. 受給していない場合の免除制度|要件が公表されています

    2-2にある「生活保護に準じる生活状況の方」については、法テラスが「生活保護を受給していない方(ひとり親含む)の償還免除について」(令和8年1月版・PDF全4ページ)を公表しています。要旨は次のとおりです。

    区分公表されている内容
    全体の構造資力回復困難要件又はひとり親に関する要件のいずれかを満たし、かつ収入要件及び資産要件のいずれも満たす必要がある。相手方等から得た又は得る見込みがある金銭等がある場合は、そのうち最低でも25%を返済に充てる必要がある(特別の事情が認められるときは例外的に免除が認められる場合がある)。ひとり親免除では、この25%相当額の返済は免除の要件とされていないとPDFに記載されている
    資力回復困難要件①65歳以上の高齢者 ②重度又は中度の障害のある方(障害基礎年金/障害厚生年金/労災の障害補償給付〈障害等級1級ないし7級〉/身体障害者手帳1級ないし4級/精神障害者福祉手帳1級ないし2級のいずれか) ③②の方を扶養している方 ④病気により長期の療養が必要で、現に収入を得ておらず、今後1年程度の間に働くことが見込めない方 ⑤①から④に準ずる理由により、今後1年〜2年で生計が改善される見込みに乏しい方——のいずれかに該当すること
    収入要件本人及び配偶者(内縁関係含む)の手取り月収の合計額が基準額以下であること。基準額は「免除に関する確認票」に記載され、地域と家族の人数に応じて定められる
    資産要件①金融資産(保険、有価証券等を含む)の合計額が66万円以下 ②自宅の他に不動産を保有していないこと ③車の保有は世帯あたり1台のみ——の全てに該当すること
    申請の時期「償還免除申請は、全ての援助事件が終わってから行ってください。」
    破産事件の特例援助事件が自己破産申立事件で、免除申請が免責許可決定日から2ヶ月以内の場合、破産申立資料を利用した申請ができる
    法テラス「生活保護を受給していない方(ひとり親含む)の償還免除について」(令和8年1月版)の記載を項目に分けたもの。

    同PDFは④⑤について「例えば、以下の理由のみで上記④⑤に該当するとは判断できません。」として不景気で収入が減った/現在失業中である/収入が低くて生活が苦しい/妊娠中であるなどを挙げ、冒頭には書類を提出すれば免除されるわけではない旨の注意書きがあります。また利用者向けQ-12には、資産が66万円を超えても、請求書等で確認できる医療費や学費の支出といった合理的事情があれば控除により要件を満たすと判断することがある、と書かれています。要件に当たるかどうかの判断は当サイトでは行いません。

    法テラス「生活保護を受給していない方(ひとり親含む)の償還免除について」(令和8年1月版・PDF) https://www.houterasu.or.jp/uploaded/attachment/7034.pdf(2026年9月5日確認)/法テラス「立替金の償還免除申請に関するよくあるお問合せ」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/menjyoshinsei.html(2026年9月5日確認・Q-10/Q-11/Q-12)

    7. インターネット申請は「受給中の方に限る」と明記されています

    法テラスは償還免除申請のオンライン受付について「令和8年4月1日から、全国でインターネットによる民事法律扶助の償還免除申請サービスを開始いたしました!」「※本サービスの対象は、生活保護を受給中の方に限ります。」と公表しています。同ページは、生活保護に準ずる経済状況の方の免除(準生保免除)とひとり親免除の申請は対象外であること、受給中でインターネット申請が困難な方は従来どおり書面提出も可能であることも記載しています。なお書式については、法テラス「立替金の償還免除申請に関するよくあるお問合せ」の【償還免除関係書式】欄に「令和8年1月から、償還免除申請書式等を改訂しました。」との記載があります。

    法テラス「インターネットによる民事法律扶助の償還免除申請サービス開始について」 https://www.houterasu.or.jp/soshiki/15/internet-syoukanmennjoservice.html(2026年9月5日確認)/書式の改訂について:法テラス「立替金の償還免除申請に関するよくあるお問合せ」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/menjyoshinsei.html(2026年9月5日確認・【償還免除関係書式】欄)

    8. 免除が認められなかった場合・払い済み分・督促状

    Q-5は、免除が認められない決定が届いた場合について「定められた要件を満たさないことが認められなかった理由である場合、支払を免除することはできませんので、決定書に記載のとおり返済(償還)をしていただく必要があります。」と記載し、猶予や償還月額の変更を希望する場合は地方事務所に相談するよう案内しています。書類の不備や不足が理由であれば、書類を整えて再申請することで再度免除の可否を検討することは可能とも書かれています。Q-7は「既にお支払済みの立替金は返金できません。この償還免除の制度は、償還未済額について償還を免除することができるものです。」=免除は未払分についての制度です。返済が滞った場合は、3-5に「放置しますと、支払督促などの法的手続きをとる場合があります。」とあります。

    法テラス「立替金の償還免除申請に関するよくあるお問合せ」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/menjyoshinsei.html(2026年9月5日確認・Q-5/Q-7)/法テラス「法テラスをご利用中の方」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/(2026年9月5日確認・3-5)

    9. この記事で確認できなかったこと

    • 受給終了後の返済開始日(いつから返済が始まるか)=2-2は「返済を開始していただきます。」「毎月の返済額は収入等に応じて決定します」と記載し、ご利用の地方事務所へ申し出るよう案内していますが、開始日や開始時期を示す記載は今回参照した資料では記載なし。
    • 収入要件の基準額(金額)=「免除に関する確認票」に記載されるとPDFにあり、金額そのものは今回参照した資料では記載なし。
    • 免除申請から決定までの期間=記載なし。ただしひとり親免除は、申請から6か月経過時に資力要件に該当しないと認めるときでないことが要件とされ、決定が申請から半年経過後になる旨がPDFに書かれています。
    • 受給終了後の毎月の返済額の目安=「収入等に応じて決定します」とのみ記載され、目安額は記載なし。費用そのものの目安は債務整理の費用の目安、自己破産の予納金の扱いは自己破産の予納金は立替対象外で扱っています。

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    よくある質問

    生活保護が終わったら、法テラスへの返済はいつから始まりますか?

    公式Q&Aの2-2は「→返済を開始していただきます。」と回答し、毎月の返済額は収入等に応じて決定するので地方事務所へ申し出るよう記載しています(2026年9月5日確認)。開始日を示す記載は確認できませんでしたので、時期はご利用の地方事務所にお問い合わせください。

    受給が終わっても免除してもらえますか?

    2-2には「生活保護に準じる生活状況の方は、免除となる場合があります。」とあります。生活保護を受給していない方向けの免除は、資力回復困難要件またはひとり親に関する要件のいずれかと、収入要件・資産要件(金融資産66万円以下ほか)の両方を満たす必要があると公表されています(令和8年1月版)。

    生活保護を受けていれば免除されるのですか?

    法テラスは、生活保護受給者に係る免除の要件を「(1)生活保護法による保護を受けていること(2)事件の結果得た利益の25%を償還していること、または25%の償還を不要とする特別の事情があること(3)免除を認める相当性があること」の3つとし、「生活保護受給者であれば立替金が免除されるという制度ではありません」と記載しています(2026年9月5日確認)。

    免除の申請はいつできますか?オンラインでもできますか?

    Q-1は「法テラスの援助が終了する前に、あらかじめ免除申請することはできません。」と記載しています。オンライン申請(令和8年4月1日開始)は「本サービスの対象は、生活保護を受給中の方に限ります」と明記され、準生保免除・ひとり親免除は対象外と書かれています。既に払った分は「既にお支払済みの立替金は返金できません」との記載です(2026年9月5日確認)。


    法テラス「法テラスをご利用中の方」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser//「立替金の償還免除申請に関するよくあるお問合せ」 https://www.houterasu.or.jp/site/houterasuuser/menjyoshinsei.html/「よくあるQ&A(生保免除申請関係)」 https://www.houterasu.or.jp/site/bengoshitou-faq/fujo-faq-12.html/「インターネットによる民事法律扶助の償還免除申請サービス開始について」 https://www.houterasu.or.jp/soshiki/15/internet-syoukanmennjoservice.html/「生活保護を受給していない方(ひとり親含む)の償還免除について」(令和8年1月版・PDF) https://www.houterasu.or.jp/uploaded/attachment/7034.pdf(いずれも2026年9月5日確認)

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    最終更新:2026年9月5日/このページは公表されている一次情報(法テラス)のみを根拠に作成しています。引用は各ページの原文からの抜粋で、一部を中略していることは本文に明記しました。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。制度の運用や個別の判断は法テラスが行います。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • イストワール法律事務所の実在確認記録|国税庁の法人番号公表サイトで法人番号・商号の変更履歴・登記記録の閉鎖等を確認する

    イストワール法律事務所の実在確認記録|国税庁の法人番号公表サイトで法人番号・商号の変更履歴・登記記録の閉鎖等を確認する

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    当サイトは、債務整理の相談先を検討する前にその相談先が実在し、登録されているかを公的な検索で確かめることを勧めています。この記事は、その手順を「イストワール法律事務所」という名称について実際に踏んだ確認記録です。

    先に結論を書きます。国税庁の法人番号公表サイトで商号「イストワール」を部分一致検索すると、東京都千代田区平河町2丁目4番13号という同じ所在地に、2件の弁護士法人の記録があります。弁護士法人イストワール法律事務所(法人番号9010005023508)は「登記記録の閉鎖等(清算の結了等)」と表示され、事由発生年月日は令和2年5月25日です。弁護士法人シン・イストワール(法人番号2010005038256)は令和6年5月7日に法人番号が指定されており、閉鎖等の表示はありません。2つの法人の間に承継や合併の関係があるかどうかは、法人番号公表サイトの表示からは確認できません。

    この記事は「公的な検索で何が確認できたか」の記録に徹します。評価・費用比較・推奨は行わず、確認できなかった項目は「確認できなかった」とそのまま書きます。

    1. この確認で使った一次情報

    確認したいこと使った一次情報
    その名称の法人が登記され、法人番号が指定されているか。商号の変更履歴と現在の状態国税庁 法人番号公表サイト
    弁護士・弁護士法人として日弁連に登録されているか(読者自身が実行する手順)日本弁護士連合会「弁護士情報検索」「法人情報検索」
    弁護士法人がどう成立し、どう解散するか。名称の規制e-Gov法令検索 弁護士法(本則)
    事務所自身が何をどう表示しているか事務所の公式サイト(liability.jp)
    いずれも2026年9月5日に実際に取得・検索して確認しています。

    国税庁 法人番号公表サイト https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/(2026年9月5日確認)

    2. 国税庁 法人番号公表サイトでの確認

    弁護士法人は設立の登記によって成立する法人なので、設立登記法人として法人番号が指定され、法人番号・商号・本店所在地・変更履歴を国税庁のサイトで確認できます。次の条件で検索しました(2026年9月5日実行)。画面の「検索条件:」欄の表示は次のとおりです。

    部分一致検索/イストワール/変更履歴含める/登記記録の閉鎖等含める/商号等五十音順(昇順)

    結果は24件でした。「イストワール」を名称に含む法人は株式会社・有限会社・合同会社など多数あり、司法書士法人イストワール(法人番号6040005017022・千葉県船橋市)のようなまったく別の法人も含まれます。そこで、後述する公式サイトの所在地表記「東京都千代田区平河町2-4-13」と突き合わせたところ、一致する所在地の記録は2件でした。

    2-1. 弁護士法人イストワール法律事務所(法人番号 9010005023508)

    項目法人番号公表サイトの表示
    法人番号9010005023508
    商号又は名称(フリガナ)弁護士法人イストワール法律事務所(イストワールホウリツジムショ)
    本店又は主たる事務所の所在地東京都千代田区平河町2丁目4番13号
    状態登記記録の閉鎖等(清算の結了等)/事由発生年月日:令和2年5月25日
    最終更新年月日令和2年5月29日
    変更履歴 1件目令和2年5月25日/登記記録の閉鎖等(清算の結了等)
    変更履歴 2件目平成28年3月29日/商号又は名称の変更(旧情報:弁護士法人クレアティオ法律事務所)
    変更履歴 3件目新規/法人番号指定年月日:平成27年10月5日
    当該法人ページの表示(2026年9月5日21時38分に取得)。取得した画面には「令和8年9月5日21時38分時点の情報です。」と表示されていました。

    国税庁 法人番号公表サイト 弁護士法人イストワール法律事務所の情報 https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=9010005023508(2026年9月5日確認)

    2-2. 弁護士法人シン・イストワール(法人番号 2010005038256)

    項目法人番号公表サイトの表示
    法人番号2010005038256
    商号又は名称(フリガナ)弁護士法人シン・イストワール(シンイストワール)
    本店又は主たる事務所の所在地東京都千代田区平河町2丁目4番13号
    状態「登記記録の閉鎖等」の表示なし
    最終更新年月日令和6年5月7日
    変更履歴 1件目新規/法人番号指定年月日:令和6年5月7日
    当該法人ページの表示(2026年9月5日取得)。変更履歴は1件のみで、商号変更の記録はありません。

    国税庁 法人番号公表サイト 弁護士法人シン・イストワールの情報 https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=2010005038256(2026年9月5日確認)

    2-3. この2件について、当サイトが述べないこと

    法人番号公表サイトが公表しているのは法人番号・商号又は名称(フリガナ)・本店又は主たる事務所の所在地(いわゆる基本3情報)と、状態・事由発生年月日・最終更新年月日、そして公表以後の変更履歴です(上の2つの表は、この範囲を転記したものです)。したがって、2件の法人の間に承継・合併・事業譲渡などの関係があるか(変更履歴にそのような記録は表示されていません)、公式サイトの運営主体がどちらの法人か、登記記録の閉鎖等に至った個別の事情は、この一次情報からは判断できません。

    3. 弁護士法人は「登記で成立し、解散すると清算する」法人です

    なぜ弁護士法人が法人番号公表サイトに載るのかは、弁護士法(昭和24年法律第205号・lawId=324AC1000000205)の条文で確認できます。以下はいずれも本則の原文です(2026年9月5日確認)。

    条原文
    8条(弁護士の登録)弁護士となるには、日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならない。
    30条の2第1項(設立等)弁護士は、この章の定めるところにより、第三条に規定する業務を行うことを目的とする法人(以下「弁護士法人」という。)を設立することができる。
    30条の9(成立の時期)弁護士法人は、その主たる法律事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。
    74条3項(非弁護士の虚偽標示等の禁止)弁護士法人でない者は、その名称中に弁護士法人又はこれに類似する名称を用いてはならない。
    弁護士法の本則から抽出(附則・改正規定は使用していません)。

    また30条の23第1項は、解散の理由として「定款に定める理由の発生/総社員の同意/合併(合併により当該弁護士法人が消滅する場合に限る。)/破産手続開始の決定/解散を命ずる裁判/第五十六条又は第六十条の規定による除名/社員の欠亡」の7つを挙げています。どの理由による解散であったかは、法人番号公表サイトの表示からは分かりません。当サイトが7つのうちどれかを指名することはしません。

    弁護士法(昭和24年法律第205号) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205(2026年9月5日確認・本則から抽出)

    なお日弁連は、74条3項について「弁護士法人でない者は、その名称中に弁護士法人又はこれに類似する名称を用いることができません。」と説明しています(2026年9月5日確認)。名称の規制については非弁行為とはでも条文から扱っています。

    日本弁護士連合会「隣接士業・非弁活動・非弁提携対策」 https://www.nichibenren.or.jp/activity/improvement/gyosai.html(2026年9月5日確認)

    4. 公式サイトの表記(事務所自身の記載)

    ここから先は公的な一次情報ではなく事務所自身が公表している表記の転記です(2026年9月5日取得)。

    項目公式サイトの表記
    事務所シン・イストワール法律事務所(英字表記「Shin・Histoire Law Office」は債務整理の案内ページ liability.jp/1707/ のフッターの記載)
    所在地〒102-0093 東京都千代田区平河町2-4-13 ノーブルコート平河町4F
    代表/所属田島 聡泰/東京弁護士会所属
    電話・FAX・メール0120-25-3160 / 03-3511-3160 FAX 03-3511-3175 info@liability.jp
    営業日相談:朝9:00~夜21:00(年中無休)/受付:24時間365日の有人対応
    法人名(弁護士法人◯◯)の記載確認できませんでした(下記の出典に挙げた8ページの本文に「弁護士法人」の語は出現しません)
    弁護士の登録番号/設立年月日の記載いずれも確認できませんでした(弁護士紹介ページは代表者の氏名と挨拶文のみ)
    報酬・費用の記載取得した「費用について」ページ(flow/fee.html)の本文に金額の記載は確認できませんでした(同ページに「諸費用についてはこちら」というリンクがありますが、当サイトはリンク先を取得しておらず、金額の記載の有無は確認していません)
    面談を要する旨の記載確認できませんでした(相談方法のページに、休日・早朝深夜・出張・遠方の各枠と「要予約」の表示があります)
    公式サイトの表記を転記。当サイトは費用比較・優劣評価を行わないため、報酬額は転記しません。

    公的な記録と突き合わせると、所在地は一致します(公式サイト「東京都千代田区平河町2-4-13」/法人番号公表サイト「東京都千代田区平河町2丁目4番13号」)。一方で事務所が名乗る「シン・イストワール法律事務所」は、商号「弁護士法人シン・イストワール」とも「弁護士法人イストワール法律事務所」とも文字列が一致しません。呼称と登記上の商号が異なること自体は珍しくありませんが、当サイトはその適否を判断しません。

    もう1点、サイト内で電話番号の表記が1つではありません。事務所概要は「0120-25-3160 / 03-3511-3160」、プライバシーポリシーの問い合わせ先は「03-3511-3160」ですが、ご相談方法のページは別の番号「03-5459-2312」を案内しています。どれが現在の連絡先かは、公式サイトの表記だけでは確定できません。

    シン・イストワール法律事務所 公式サイト(本文でいう「下記の出典に挙げた8ページ」=次の8本。いずれも2026年9月5日確認):トップ https://liability.jp//債務整理の案内ページ https://liability.jp/1707//事務所概要 https://liability.jp/about/office.html/弁護士紹介 https://liability.jp/about/introduce.html/「なぜシン・イストワールなのか」 https://liability.jp/about/why.html/プライバシーポリシー https://liability.jp/about/privacy.html/ご相談方法 https://liability.jp/flow/sodan.html/費用について https://liability.jp/flow/fee.html

    5. 日弁連の2つの検索で、読者自身が確かめられること

    弁護士個人と弁護士法人の登録は、日弁連の公式検索で確認できます。当サイトはこの検索結果を掲載しません。日弁連は弁護士情報検索の「ご利用上の注意」で「本システムに掲載されている弁護士情報の著作権は、当連合会に帰属しています。複製、転載、公衆送信等一切の行為を行うことはできません。」と定めています(2026年9月5日確認)。当サイトは法人情報検索の結果も同じ扱いにそろえて掲載しません。また検索の実行画面はreCAPTCHAで保護されており、当サイトは検索そのものも機械的に実行していません。以下は手順だけを示します。

    検索入力できる項目表示される情報(日弁連の説明)
    弁護士情報検索登録番号または氏名/会員区分/所属弁護士会/事務所住所/事務所名/原資格国の国名/性別氏名、所属弁護士会、事務所名称、事務所所在地、登録番号、性別等
    法人情報検索届出番号・法人名または事務所名/所属弁護士会/法人種類(弁護士法人ほか)/事務所住所届出番号、名称、主事務所と従事務所の名称・所属弁護士会・所在地、各事務所の社員の登録番号・氏名等
    両システムの入力項目と、日弁連が説明している表示項目(2026年9月5日確認)。

    この記事の対象を照合するなら、公式サイトの表記から氏名「田島 聡泰」・所属弁護士会「東京」を弁護士情報検索に、法人名「イストワール」・法人種類「弁護士法人」を法人情報検索に入力するのが最短です(事務所住所欄に「平河町」を入れて絞り込むこともできます)。当サイトの相談先の実在確認ナビは、公式検索への導線と確認の順番を表示する道具です。

    検索に表示されることは「処分がないこと」の証明ではありません

    日弁連は「この情報提供には、懲戒処分のため業務停止中の弁護士は、業務停止中であることおよびその期間を明示しています。」と明記し、法人情報検索についても業務停止中の法人・事務所はその旨と期間を明示するとしています。つまり検索に出ること自体は、処分歴がないことを意味しません。当サイトは懲戒処分に関する一次情報には当たっておらず、この記事に処分に関する記述は一切ありません。あわせて日弁連は「本システムに掲載されている弁護士情報は、当連合会が特定の弁護士を推薦するものではありません。」としています。掲載は推薦ではない、という点はこの記事も同じです。検索ページの冒頭には「実在する弁護士をかたる詐欺にご注意ください」という案内も置かれています(なりすましへの注意)。

    日本弁護士連合会「弁護士情報検索」 https://member.nichibenren.or.jp/general_search/「法人情報検索」 https://member.nichibenren.or.jp/general_search/corporate_top(いずれも2026年9月5日確認・ご利用上の注意より)/弁護士情報検索の「ご利用上の注意」が複製・転載・公衆送信を禁じているため、当サイトは同検索の結果を掲載せず、法人情報検索も同じ扱いにそろえて、いずれも検索の手順と同連合会自身の説明のみを記載しています。

    6. この確認記録でわかること・わからないこと

    確認できたこと確認していないこと
    同じ所在地に2件の記録があること。弁護士法人イストワール法律事務所(9010005023508)は「登記記録の閉鎖等(清算の結了等)」・事由発生年月日 令和2年5月25日で、平成28年3月29日に「弁護士法人クレアティオ法律事務所」から商号変更していること2件の法人の間の承継・合併等の関係/解散の理由(弁護士法30条の23第1項が挙げる7つのどれかは分かりません)
    弁護士法人シン・イストワール(2010005038256)の法人番号指定年月日が令和6年5月7日で、閉鎖等の表示がないこと公式サイトの運営主体がどちらの法人か
    公式サイトの所在地表記が法人番号公表サイトの所在地と一致し、名乗る名称は商号2件のいずれとも一致しないこと弁護士の登録番号、懲戒処分歴の有無、対応の質、費用の妥当性、他の事務所との比較

    実在の確認は、依頼先を決める作業ではなく、その前段でニセの相談先をふるい落とすための作業です。整理屋への注意喚起、司法書士に依頼できる範囲、手続きの定義(債務整理の4つの方法/任意整理/自己破産/個人再生/特定調停)、受任通知と貸金業法21条1項9号、債務整理の費用、返済計算の道具もあわせてご覧ください。

    実在と所属を確認したうえで、公式サイトの案内を見る

    この記事で日弁連の弁護士情報・法人情報検索と国税庁法人番号公表サイトを照合した、弁護士法人イストワール法律事務所の公式サイトです。相談の可否・費用・取扱範囲は公式サイトの記載を直接確認し、個別の判断は弁護士にご相談ください。

    公式サイトを見る(イストワール法律事務所)広告/当サイトは事務所の優劣評価を行いません

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    よくある質問

    「弁護士法人イストワール法律事務所」は実在しますか?

    国税庁の法人番号公表サイトに、その商号の法人(法人番号9010005023508・東京都千代田区平河町2丁目4番13号)の記録があります。ただし同ページの「状態」欄は「登記記録の閉鎖等(清算の結了等)」と表示され、事由発生年月日は令和2年5月25日です(2026年9月5日確認)。同じ所在地には、令和6年5月7日に法人番号が指定された「弁護士法人シン・イストワール」(2010005038256)の記録もあります。両者の関係について当サイトは述べません。

    公式サイトの「シン・イストワール法律事務所」と登記上の商号が違うのはなぜですか?

    理由は当サイトでは確認できていません。確認できたのは、公式サイトが名乗る名称と、法人番号公表サイトに記録された商号2件の文字列が一致しないという事実だけです。個別の事情は事務所へ直接お問い合わせください。

    登録番号や懲戒処分の有無は、この記事で確認できますか?

    できません。公式サイトに登録番号の記載を確認できず、日弁連の検索結果も掲載していません(弁護士情報検索の「ご利用上の注意」が複製・転載・公衆送信を禁じているためで、法人情報検索も同じ扱いにそろえています)。懲戒処分については一次情報に当たっていません。登録番号と業務停止中かどうかは、日弁連の弁護士情報検索・法人情報検索でご自身でご確認ください。

    この記事は特定の事務所を推奨しているのですか?

    いいえ。当サイトは個別の事務所の優劣評価・費用比較・推奨を恒久的に行いません。この記事は、公表されている一次情報で名称・法人番号・所在地・変更履歴を確かめた記録です。

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    最終更新:2026年9月5日/このページは公表されている一次情報(国税庁 法人番号公表サイト・日本弁護士連合会・e-Gov法令検索)と、事務所自身が公式サイトで公表している表記のみを根拠に作成しています。条文は弁護士法の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。確認できなかった項目は「確認できなかった」と明記し、推測で補っていません。日弁連の弁護士情報検索の出力は複製・転載・公衆送信が禁じられているため掲載せず、法人情報検索も同じ扱いにそろえて、いずれも検索の手順と同連合会自身の説明のみを記載しています。報酬額と、事務所側が表示している実績の数値は転記しません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 受任通知で取立てが止まる仕組み|貸金業法21条1項9号の条文と、対象にならない相手

    受任通知で取立てが止まる仕組み|貸金業法21条1項9号の条文と、対象にならない相手

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、その旨の通知(一般に「受任通知」と呼ばれます)が債権者に送られます。この通知の後の取立てについて、貸金業法21条1項9号が規制を置いています。この記事では、その条文が実際に何を禁止しているのか、誰に適用されるのか、そしてこの規制の対象にならない相手は誰かを、e-Gov法令検索の本則と法テラス・金融庁の公表情報だけで確認します。「受任通知を出せば支払わなくてよくなる」といった効果については述べません。この記事が扱うのは、法律が定めた取立て規制の内容だけです。

    1. 条文の原文|貸金業法21条1項9号

    e-Gov法令検索で貸金業法(昭和58年法律第32号・lawId=358AC1000000032)の本則を確認しました(2026年9月2日)。21条の見出しは「取立て行為の規制」です。1項の柱書は次のとおりです(原文)。

    貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。

    その9号が、受任通知に関する規定です(原文)。

    債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。

    貸金業法(昭和58年法律第32号) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(2026年9月2日確認・本則から抽出)

    2. 条文を分解する

    長い一文なので、条文が置いている要件を順に切り分けます。以下はすべて条文の文言の整理であり、当サイトによる解釈や見通しではありません。

    条文の部分書かれていること
    誰が貸金業を営む者/貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて委託を受けた者(1項柱書)
    どんな出来事の後か債務者等が債務の処理を弁護士・弁護士法人・弁護士・外国法事務弁護士共同法人・司法書士・司法書士法人に委託した、または裁判所における民事事件に関する手続をとった
    通知の形その弁護士等または裁判所から書面によりその旨の通知があったこと
    例外の入口「正当な理由がないのに」(正当な理由がある場合は9号に当たらない書き方になっています。何が正当な理由かは条文に定義がありません)
    方法債務者等に対し、電話をかける/電報を送達する/ファクシミリ装置を用いて送信する/訪問する
    内容当該債務を弁済することを要求すること
    反復の要件それに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で弁済を要求すること
    貸金業法21条1項9号の文言を項目に分けたもの。表現はいずれも条文の語です。

    条文をそのまま読むと、9号が禁止しているのは「書面の通知があった後に、正当な理由なく、列挙された方法で債務者等に直接弁済を要求し、やめるよう求められてもさらに要求すること」です。「通知が届いた時点で債権者からのあらゆる連絡が違法になる」とは条文に書かれていません。当サイトはこの点について、条文に書かれている以上のことを述べません。

    3. 21条1項が並べる10の禁止行為

    9号は、21条1項が列挙する禁止行為の1つです。全体は次のとおりです(要旨)。

    号条文の要旨
    1号正当な理由がないのに、社会通念に照らし不適当と認められる時間帯として内閣府令で定める時間帯(=下記)に、債務者等に電話・ファクシミリ送信をし、または居宅を訪問すること
    2号債務者等が弁済・連絡の時期を申し出た場合に、その申出が相当と認められないことその他の正当な理由がないのに、1号の時間帯以外の時間帯に電話・ファクシミリ送信・居宅訪問をすること
    3号正当な理由がないのに、勤務先その他の居宅以外の場所へ電話・電報・ファクシミリ送信をし、または訪問すること
    4号訪問した場所で退去すべき旨の意思を示されたにもかかわらず、退去しないこと
    5号貼り紙・立看板その他何らの方法をもってするを問わず、債務者の借入れに関する事実その他私生活に関する事実を債務者等以外の者に明らかにすること
    6号債務者等に対し、他からの借入れその他これに類する方法により弁済資金を調達することを要求すること
    7号債務者等以外の者に対し、債務者等に代わって債務を弁済することを要求すること
    8号債務者等以外の者が居所・連絡先を知らせることその他の取立てへの協力を拒否している場合に、更に協力を要求すること
    9号弁護士等・裁判所からの書面による通知の後の、正当な理由のない弁済要求(前節のとおり)
    10号債務者等に対し、前各号(6号を除く)のいずれかに掲げる言動をすることを告げること
    貸金業法21条1項各号の要旨。1項柱書は、これらの言動その他「人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」および「人を威迫」することを禁じています。

    1号の「内閣府令で定める時間帯」=午後9時から午前8時まで

    1号が委任している内閣府令は貸金業法施行規則(昭和58年大蔵省令第40号)です。その19条1項は次のように定めています(原文・2026年9月2日確認)。

    法第二十一条第一項第一号(法第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項、第二十四条の五第二項及び第二十四条の六において準用する場合を含む。)に規定する内閣府令で定める時間帯は、午後九時から午前八時までの間とする。

    貸金業法施行規則(昭和58年大蔵省令第40号) https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(2026年9月2日確認・本則から抽出)

    4. 誰に適用されるのか

    21条1項が名宛人としているのは「貸金業を営む者」と「貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者」です。さらに貸金業法24条から24条の6までが、21条を含む規定を次の者に準用しています(各条の見出しから)。

    • 24条=債権譲渡等の規制(貸金業者の貸付けに係る債権を譲り受けた者)
    • 24条の2=保証等に係る求償権等の行使の規制(保証業者)
    • 24条の3=受託弁済に係る求償権等の行使の規制(受託弁済者)
    • 24条の4・24条の5=それらの求償権等を譲り受けた者
    • 24条の6=貸金業を営む者(貸金業者を除く)に関する準用

    なお金融庁は、貸金業について「貸金業を営む者は、主たる営業所等の所在地を管轄する財務局長又は都道府県知事の登録を受けなければならないこととなっています。」と説明し、登録の有無を確認するよう呼びかけています(2026年9月2日確認)。登録業者かどうかの確認手順はヤミ金・紹介屋の手口と整理屋への注意でも扱っています。

    金融庁「違法な金融業者にご注意!」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/index.html(2026年9月2日確認)

    5. 罰則|貸金業法47条の3第1項3号

    貸金業法47条の3第1項は、次の各号のいずれかに該当する者は「二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定め、その3号に次を挙げています(原文)。

    第二十一条第一項(第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項、第二十四条の五第二項及び第二十四条の六において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

    6. 債権回収会社(サービサー)には別の法律の規定がある

    債権が債権回収会社(サービサー)に移っている場合については、債権管理回収業に関する特別措置法(平成10年法律第126号・lawId=410AC1000000126)18条8項に規定があります(2026年9月2日確認・原文)。

    債権回収会社は、債務者等が特定金銭債権に係る債務の処理を弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとった場合において、その旨の通知があったときは、正当な理由がないのに、債務者等に対し、訪問し又は電話をかけて、当該債務を弁済することを要求してはならない。

    貸金業法21条1項9号と読み比べると、条文の文言に次の違いがあります。いずれも条文にそう書かれているという事実の指摘であり、意味の説明ではありません。

    • 委託先として条文が挙げているのは弁護士・弁護士法人・弁護士・外国法事務弁護士共同法人であり、司法書士・司法書士法人は挙げられていません(貸金業法21条1項9号は司法書士・司法書士法人を明記しています)。
    • 通知について「書面により」という限定がありません。
    • 方法として挙げられているのは訪問と電話で、電報・ファクシミリは挙げられていません。
    • 貸金業法9号にある「直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更に」という部分がありません。

    債権管理回収業に関する特別措置法(平成10年法律第126号) https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC1000000126(2026年9月2日確認・本則から抽出)

    同法17条1項は、より一般的に「債権回収会社の業務に従事する者は、その業務を行うに当たり、人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない。」と定めています。

    7. これらの規制の対象にならない相手がいます

    ここまで見た規定は、いずれも貸金業を営む者・その委託先・債権の譲受人・保証業者・債権回収会社に向けられたものです。すべての債権者に当てはまるわけではありません。法テラスの公式FAQは、この点を明示しています(2026年9月2日確認)。

    弁護士や司法書士が債務整理(任意整理・自己破産・個人再生等)の依頼を受け、貸金業者に対してその旨の通知を行った場合、通常、貸金業者からの連絡は止まります。
    なお、貸金業者や債権回収会社以外の債権者(銀行、個人債権者など)については、法的に直接の取立てが禁じられているわけではありませんが、通常、弁護士や司法書士が債務整理を受任することにより、直接の連絡が止まることがほとんどです。

    法テラス「弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、貸金業者からの連絡が止まるのですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-004.html(2026年9月2日確認)

    法テラスの記載を条文と突き合わせると、銀行や個人の債権者は貸金業法21条の名宛人ではないという点が一致しています。当サイトは、それぞれの債権者が実際にどう対応するかについては述べません。

    8. この記事で扱わないこと

    受任通知をいつ・どう出すか、どの手続を選ぶか、通知の後に支払いをどうするかは、いずれも個別の判断であり、当サイトは扱いません(通知が出れば支払義務がなくなる、といった説明もしません)。手続ごとの公的な定義は任意整理・自己破産・個人再生・特定調停で確認できます。依頼先を選ぶ前に、弁護士・司法書士が実在するかを公式検索で確認する手順と実在確認ナビ、司法書士の業務範囲(140万円)、なりすましへの注意、非弁行為をあわせてご覧ください。費用が払えない場合は法テラスの立替制度と無料法律相談の条件を確認できます。公的な相談窓口の一覧は借金の相談窓口にまとめています。

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    よくある質問

    「受任通知」は法律用語ですか?

    貸金業法21条1項9号は「弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合」と書いており、「受任通知」という語は使っていません。債権管理回収業に関する特別措置法18条8項も「その旨の通知があったとき」という書き方です。

    司法書士に依頼した場合も対象ですか?

    貸金業法21条1項9号は、委託先として弁護士・弁護士法人・弁護士・外国法事務弁護士共同法人に加えて司法書士・司法書士法人を明記しています。一方、債権管理回収業に関する特別措置法18条8項の条文には司法書士・司法書士法人の記載がありません。なお司法書士が扱える範囲には司法書士法3条の制限があり、司法書士に債務整理を依頼できる範囲の記事で扱っています。

    銀行からの連絡も法律で止まるのですか?

    貸金業法21条の名宛人は貸金業を営む者等です。法テラスは「貸金業者や債権回収会社以外の債権者(銀行、個人債権者など)については、法的に直接の取立てが禁じられているわけではありません」と説明しています(2026年9月2日確認)。実際の対応については弁護士・司法書士にご相談ください。

    21条1項に違反した場合はどうなりますか?

    貸金業法47条の3第1項3号が、21条1項(24条2項ほかで準用する場合を含む)の規定に違反した者を、2年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科すると定めています。個別の事案が違反に当たるかどうかの判断は当サイトでは行いません。

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    最終更新:2026年9月2日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・法テラス・金融庁)のみを根拠に作成しています。条文は貸金業法・貸金業法施行規則および債権管理回収業に関する特別措置法の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。「正当な理由」の内容、監督指針など監督上の運用、受任通知の様式や実務上の取扱いは一次情報で確認できなかったため記載していません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 自己破産で手元に残せる財産(自由財産)とは|破産法34条3項・4項と「99万円」の根拠を条文でたどる

    自己破産で手元に残せる財産(自由財産)とは|破産法34条3項・4項と「99万円」の根拠を条文でたどる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    自己破産について、裁判所は「破産管財人が債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当する手続」と説明しています。ただし条文上、破産者の財産がすべて破産財団に入るわけではありません。破産法34条3項が破産財団に属しない財産を定めており、同条4項がその範囲を裁判所が広げられる場合を定めています。この記事では、一般に「自由財産」と呼ばれているものの条文上の根拠と、よく挙げられる「99万円」という数字がどの条文の計算から出てくるのかを、e-Gov法令検索の本則と裁判所・法テラスの公表情報だけで確認します。自分の財産が残せるかどうかという個別の判断は扱いません。

    1. 裁判所の説明|「一定の財産を除く」

    裁判所の「破産」ページには次の記載があります(2026年9月2日確認)。

    破産手続は、裁判所が破産手続の開始を決定し、破産管財人を選任して、その破産管財人が債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当する手続です。通常は、破産手続開始の決定時点の債務者の財産を金銭に換えた上で分配(配当)することになります。債務者の財産が少ない場合には、破産管財人を選任しないまま破産手続を終了することもあります。

    裁判所の民事事件Q&Aは、破産手続と個人再生手続の違いを説明する中で、より踏み込んだ書き方をしています(2026年9月2日確認)。

    原則としては、破産手続の開始時の債務者の財産(一定の財産を除く)を金銭に換えて配当することになります

    この「一定の財産を除く」の中身が、以下で見る破産法34条3項・4項です。なお裁判所のこれらのページに「自由財産」という語の記載は確認できませんでした。「自由財産」は条文上の用語ではなく、破産法34条3項・4項が定める「破産財団に属しない財産」を指す呼び方として使われているものです。

    裁判所「破産」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_16/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月2日確認)

    2. 出発点|破産法34条1項・2項

    e-Gov法令検索で破産法(平成16年法律第75号)の本則を確認しました(2026年9月2日)。34条の見出しは「破産財団の範囲」で、1項・2項は次のとおりです(原文)。

    破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。

    破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。

    原則は「一切の財産」です。時点は破産手続開始の時と条文に書かれています。

    3. 例外|破産法34条3項の2つの号

    34条3項は次のように定めています(原文)。

    第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。

    一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭

    二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。

    破産法(平成16年法律第75号) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075(2026年9月2日確認・本則から抽出)

    4. 「99万円」はどこから来るのか|条文3本の連鎖

    34条3項1号には金額が書かれていません。書かれているのは計算の仕方だけです。順にたどります。

    段条文条文が定めていること
    ①破産法34条3項1号「民事執行法第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭」は破産財団に属しない
    ②民事執行法131条3号差し押さえてはならない動産として「標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭」
    ③民事執行法施行令1条「民事執行法(以下「法」という。)第百三十一条第三号(法第百九十二条において準用する場合を含む。)の政令で定める額は、六十六万円とする。」(見出し=「差押えが禁止される金銭の額」)
    3本の条文をつなぐと、66万円 × 2分の3 = 99万円 という計算になります。金額そのものを書いているのは③の政令だけです。

    民事執行法(昭和54年法律第4号) https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004/民事執行法施行令(昭和55年政令第230号) https://laws.e-gov.go.jp/law/355CO0000000230(いずれも2026年9月2日確認・本則から抽出)

    法テラスの公表情報でも同じ数字が確認できます

    法テラスの公式FAQ「自己破産のメリット・デメリットは何ですか。」は、主なデメリットの1つ目として次のように記載しています(2026年9月2日確認)。

    ・生活に必要な家財道具等の一定の財産以外は、失うことになる。
    (ただし、99万円以下の現金は手元に残せる。)

    法テラス「自己破産のメリット・デメリットは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-002.html(2026年9月2日確認)

    条文の言葉は「金銭」です

    破産法34条3項1号も民事執行法131条3号も、対象を「金銭」と書いています。法テラスの記載も「現金」です。預貯金がこの1号に含まれるかどうかについて、条文にも上記の各ページにも記載はありません。当サイトはこの点について述べません。

    5. もう1つの例外|差し押さえることができない財産(34条3項2号)

    34条3項2号は、民事執行法131条3号の金銭を除く「差し押さえることができない財産」を破産財団から外しています。その中心にある民事執行法131条(見出し=「差押禁止動産」)は、次の14号を挙げています(原文)。

    号条文(原文)
    1号債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
    2号債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
    3号標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭(=前節の66万円)
    4号主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
    5号主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
    6号技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
    7号実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
    8号仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物
    9号債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類
    10号債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
    11号債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
    12号発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの
    13号債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物
    14号建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品
    民事執行法(昭和54年法律第4号)131条各号。3号のかっこ書きは当サイトによる補足です。

    34条3項2号のただし書

    2号にはただし書があり、民事執行法132条1項の規定により差押えが許されたものと、破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは例外から外れます。その民事執行法132条1項は次のとおりです(原文)。

    執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押えの全部若しくは一部の取消しを命じ、又は前条各号に掲げる動産の差押えを許すことができる。

    6. 範囲を広げる制度|破産法34条4項(自由財産の拡張)

    34条4項は次のように定めています(原文)。

    裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。

    条文から読み取れることを整理します。

    • 誰が決めるか=裁判所(破産者の申立てによるほか、職権でもできる)
    • いつまで=破産手続開始の決定があった時から、その決定が確定した日以後1月を経過する日まで
    • 何を考慮するか=破産者の生活の状況/破産手続開始の時に破産者が有していた3項各号の財産の種類および額/破産者が収入を得る見込み/その他の事情
    • 手続=5項により、裁判所はこの決定をするに当たって破産管財人の意見を聴かなければならない。6項により、4項の申立てを却下する決定に対して破産者は即時抗告をすることができる。7項により、裁判書は破産者および破産管財人に送達される。

    どの財産がどこまで拡張されるかの基準は、条文には書かれていません。各地方裁判所が用いる運用上の基準(いわゆる換価基準)は当サイトでは確認していないため、記載していません。

    7. 個別の財産の扱いは裁判所ごとに異なることがある

    法テラスの公式FAQは、自家用車について次のように説明しています(2026年9月2日確認)。

    相当な交換価値のある自動車であれば、破産手続の性質上、原則として処分(換価)されます。個々の破産手続の中で実際にどの程度の価値がある自動車を処分(換価)するかについては、各地方裁判所(裁判官)によって取扱いが異なることもあります。詳しくは、申立て予定の地方裁判所や申立予定地近隣の弁護士に確認されるとよいでしょう。

    法テラス「自己破産すると、自家用車は必ず処分されるのですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-009.html(2026年9月2日確認)

    法テラス自身が「各地方裁判所(裁判官)によって取扱いが異なることもあります」と書いている領域です。当サイトは、個別の財産が残るか処分されるかについての見通しを述べません。

    8. 財産が少ない場合の手続|同時廃止

    裁判所の民事事件Q&Aは、破産管財人の選任について次のように説明しています(2026年9月2日確認)。

    破産法では、破産管財人が選任される「管財事件」として手続を進めるのが原則とされています。ただし、債務者の財産が少なく、財産を換価してもその中から破産手続の費用も支出できないと認められる場合には、破産管財人を選任せずに破産手続を終了することもあります。これを「同時廃止事件」といいます。管財事件となるか同時廃止事件となるかは裁判所が判断します。

    費用面では、裁判所は破産手続開始の申立てについて収入印紙1000円分(債権者による申立ての場合2万円分)、免責許可の申立てについて収入印紙500円分、そのほか連絡用の郵便料と予納金が必要と説明しています。予納金の具体的な額はこれらのページに記載がなく、裁判所は「申立先の裁判所へ確認してください」としています。詳しくは自己破産の予納金でも扱っています。

    9. この記事で扱わないこと

    自分の財産のどれが34条3項各号に当たるか、4項の拡張がどこまで認められるかは、資料と生活状況を見て行う個別の判断です。当サイトはそれを行いません。手続そのものの位置づけは自己破産とは、免責が受けられない場合の条文は免責不許可事由、財産を手放さない選択肢としての手続は個人再生とはと住宅資金特別条項で扱っています。4つの手続の違いは債務整理の4つの方法にまとめています。相談先を探す段階では、まず実在するかを公式検索で確認し、実在確認ナビの手順を使ってください。費用が払えない場合は法テラスの立替制度を確認できます。

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    よくある質問

    「自由財産」は法律上の言葉ですか?

    破産法34条の条文にこの語はなく、条文は「破産財団に属しない」財産(3項)と、その「範囲を拡張する」こと(4項)という書き方をしています。裁判所の破産ページ・民事事件Q&Aにも「自由財産」の語は確認できませんでした。

    99万円という金額は破産法に書いてあるのですか?

    破産法34条3項1号が書いているのは「民事執行法第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭」という計算式です。金額そのものは民事執行法施行令1条が「六十六万円とする。」と定めており、これに2分の3を乗じた額が99万円になります。法テラスの公式FAQも「99万円以下の現金は手元に残せる。」と記載しています(2026年9月2日確認)。

    拡張はいつまでに申し立てるのですか?

    破産法34条4項は、裁判所が拡張の決定をできる期間を「破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間」と定めています。手続の進め方については弁護士・司法書士にご相談ください。

    拡張の申立てが認められなかった場合はどうなりますか?

    破産法34条6項は「第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。」と定めています。

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    最終更新:2026年9月2日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・裁判所・法テラス)のみを根拠に作成しています。条文は破産法・民事執行法・民事執行法施行令の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。各裁判所の換価基準、預貯金の扱い、予納金の具体額は一次情報で確認できなかったため記載していません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 個人再生の最低弁済額とは|民事再生法231条2項が定める「計画弁済総額の下限」を条文で確認する

    個人再生の最低弁済額とは|民事再生法231条2項が定める「計画弁済総額の下限」を条文で確認する

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    個人再生の説明でよく使われる「最低弁済額」という言葉は、民事再生法の条文に出てくる用語ではありません。条文は「これ以上返してください」という書き方ではなく、再生計画で返すと決めた総額(計画弁済総額)がある額を下回るときは、裁判所が再生計画を認可しないという、不認可事由の形で書かれています。この記事では、その民事再生法231条2項の原文と、あわせて働くもう2つの下限(清算価値・可処分所得)を、e-Gov法令検索の本則と裁判所・法テラス・日弁連の公表情報だけで確認します。「あなたの借金がいくらになるか」は扱いません。それは資料を見て行う個別の判断であり、弁護士・司法書士の仕事です。

    1. 条文の建て付け|「下限を下回ると不認可」という書き方

    民事再生法231条1項は、小規模個人再生で再生計画案が可決された場合、174条2項(住宅資金特別条項を定めた案は202条2項)または同条2項の場合を除いて再生計画認可の決定をすると定めています。そのうえで231条2項が、小規模個人再生に固有の不認可事由を5つ並べています。

    つまり、いわゆる「最低弁済額」は①231条2項が定める計画弁済総額の下限と、②174条2項4号(再生債権者の一般の利益に反するとき=清算価値)という、2つの別々の関門から成り立っています。給与所得者等再生ではさらに③が加わります(第5節)。

    2. 民事再生法231条2項の原文

    e-Gov法令検索で民事再生法(平成11年法律第225号)の本則を確認しました(2026年9月2日)。231条2項の柱書と各号は次のとおりです。

    小規模個人再生においては、裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合にも、再生計画不認可の決定をする。

    号条文(原文・かっこ書きは要旨に短縮した箇所があります)
    1号「再生債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがないとき。」
    2号無異議債権の額および評価済債権の額の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額、84条2項に掲げる請求権の額を除く)が五千万円を超えているとき。
    3号2号の総額が三千万円を超え五千万円以下の場合において、当該無異議債権および評価済債権(=以下「基準債権」)に対する再生計画に基づく弁済の総額(=以下「計画弁済総額」)が、当該総額の十分の一を下回っているとき。
    4号2号の総額が三千万円以下の場合において、計画弁済総額が「基準債権の総額の五分の一又は百万円のいずれか多い額(基準債権の総額が百万円を下回っているときは基準債権の総額、基準債権の総額の五分の一が三百万円を超えるときは三百万円)」を下回っているとき。
    5号再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において、再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。
    民事再生法(平成11年法律第225号)231条2項各号。強調は当サイトによるものです。

    民事再生法(平成11年法律第225号) https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225(2026年9月2日確認・本則から抽出)

    「基準債権」と「計画弁済総額」は条文が定義した言葉です

    3号のかっこ書きが、無異議債権および評価済債権から「別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権」と「84条2項各号に掲げる請求権」を除いたものを基準債権と定義し、それに対する再生計画に基づく弁済の総額を計画弁済総額と定義しています。2号のかっこ書きにあるとおり、住宅資金貸付債権の額はこの総額から除かれます。

    3. 条文の数字をそのまま並べた区分表

    231条2項3号・4号の文言を、基準債権の総額の大きさごとに計算して並べると次のようになります。この表は条文に書かれた計算をそのまま並べたものであって、条文にこの形の表があるわけではありません。

    基準債権の総額計画弁済総額がこれを下回ると不認可(条文上の下限)根拠
    100万円未満基準債権の総額(=その全額)4号かっこ書き前段
    100万円以上500万円以下100万円4号本文(5分の1が100万円以下のため「いずれか多い額」=100万円)
    500万円超1500万円以下基準債権の総額の5分の14号本文
    1500万円超3000万円以下300万円4号かっこ書き後段(5分の1が300万円を超えるため)
    3000万円超5000万円以下その総額の10分の13号
    5000万円超(そもそも小規模個人再生の対象外=2号の不認可事由)2号・221条1項
    民事再生法231条2項3号・4号の文言から計算した区分。境界の額はいずれも条文の文言(「三千万円を超え五千万円以下」「三千万円以下」「百万円」「三百万円」)そのものです。

    なお、小規模個人再生を利用できる人の要件そのものは221条1項が定めており、「個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び再生手続開始前の罰金等の額を除く。)が五千万円を超えないもの」と規定されています(2026年9月2日確認)。

    裁判所の説明も同じ区分です

    裁判所の「裁判手続 民事事件Q&A」は、「個人再生手続では、どれくらいの額を返済しなければならないのですか。」という設問に次のように答えています(2026年9月2日確認)。

    ①3年間(最長でも5年間)にわたり分割して、②無担保債務の総額が3000万円以下の場合には借金等の総額の5分の1(ただし、100万円以上300万円以下の範囲)以上、無担保債務の総額が3000万円を超え、5000万円以下の場合には無担保債務の総額の10分の1以上、かつ、③債務者が自分の財産を処分して返済に当てる場合の額(清算価値)以上の返済を行う必要があります。

    裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(2026年9月2日確認)

    4. もう1つの下限|清算価値(174条2項4号)

    231条2項の区分をクリアしても、それだけでは足りません。231条1項が引用する174条2項は、次の場合に再生計画不認可の決定をすると定めています(原文・4号)。

    再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。

    条文の言葉は「再生債権者の一般の利益」です。「清算価値」という語は民事再生法の条文には出てきません。裁判所は自らのページで、この点を次のように説明しています(2026年9月2日確認)。

    ただし、再生計画の内容は、原則として3年間で債務の一定割合を分割して返済するもので、その返済総額が、債務者が自分の財産を処分して返済に当てる場合の額(清算価値)を上回らなければなりません。

    裁判所「個人再生」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_18/index.html(2026年9月2日確認)

    日本弁護士連合会も、個人再生手続の参考書式(東京地方裁判所モデル)として「清算価値算出シート」と「財産目録」を公開しています(2026年9月2日確認)。清算価値が申立ての実務で個別に算出されるものであることは、この書式の存在からも確認できます。ただし算出方法の具体的な基準は書式の中身の問題であり、当サイトでは扱いません。また同ページには、書式を使う前に申立てを予定している地方裁判所へその裁判所の利用書式を問い合わせるよう求める注記があり、書式の運用が地域ごとに異なることが示されています。

    日本弁護士連合会「個人再生手続参考書式」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/oyakudachi/kojinsaisei.html(2026年9月2日確認)

    5. 給与所得者等再生には第3の下限がある|241条2項7号

    給与所得者等再生では、241条2項が不認可事由を定めており、その7号が、計画弁済総額について次の計算による額以上でなければならないとしています(要旨)。

    • 同号イ〜ハの区分に応じて算出した1年間当たりの収入額から所得税等に相当する額を控除した額から、
    • 再生債務者およびその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な1年分の費用の額を控除し、
    • その額に2を乗じた額(=いわゆる可処分所得の2年分)

    同条3項は、この「1年分の費用の額」について「再生債務者及びその扶養を受けるべき者の年齢及び居住地域、当該扶養を受けるべき者の数、物価の状況その他一切の事情を勘案して政令で定める。」と規定しています。当サイトはこの政令の額を実査していないため、具体的な金額は記載しません。

    また241条2項5号により、給与所得者等再生でも231条2項2号から5号までの事由(=上の区分表)が同じく不認可事由になります。同項2号は「再生計画が再生債権者の一般の利益に反するとき。」=清算価値の関門です。つまり給与所得者等再生では3つの下限をすべて満たす必要があるという構造です。裁判所も「給与所得者等再生では、その3つに加えて、債務者の年収額から生活に必要な費用を差し引いた額(可処分所得額)の2年分以上の額を返済することも必要になります。」と説明しています(2026年9月2日確認)。

    6. 返済の期間|229条2項2号

    下限とセットで条文に書かれているのが、分割払いの期間です。民事再生法229条2項は、再生債権者の権利を変更する条項における債務の期限の猶予について次のように定めています(原文・要旨)。

    • 1号=「弁済期が三月に一回以上到来する分割払の方法によること。」
    • 2号=最終の弁済期を再生計画認可の決定の確定の日から三年後の日が属する月中の日とすること。「特別の事情がある場合には、再生計画認可の決定の確定の日から五年を超えない範囲内で」三年後の日が属する月の翌月の初日以降の日とすることができる。

    244条により、229条は給与所得者等再生にも準用されます。

    7. 額を減らせない債権がある|229条3項

    229条3項は、次の請求権については当該再生債権者の同意がある場合を除き、債務の減免の定めその他権利に影響を及ぼす定めをすることができないと規定しています(要旨)。

    1. 再生債務者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
    2. 再生債務者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(1号を除く)
    3. 夫婦間の協力および扶助の義務、婚姻から生ずる費用の分担の義務、子の監護に関する義務、扶養の義務、およびこれらに類する契約に基づく義務に係る請求権

    法テラスの公式FAQも、個人再生について「残りの債務(養育費・税金など一部の債務を除く)などが免除される」「ただし、養育費・税金など一部の債務は免除されません。」と説明しています(2026年9月2日確認)。

    法テラス「個人再生とは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-sonota-001.html/「個人再生にはどのような種類のものがありますか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-sonota-002.html(いずれも2026年9月2日確認)

    8. この記事で扱わないこと

    基準債権の総額がいくらになるか、清算価値がいくらになるか、可処分所得がいくらになるかは、いずれも資料を見て個別に算出する事項です。当サイトはその計算も見通しも示しません(そのため「減額シミュレーター」の類も置いていません)。また、住宅ローンがある場合の扱いは住宅資金特別条項、手続そのものの位置づけは個人再生とはと債務整理の4つの方法で扱っています。手続を選ぶ前に、相談先が実在するかを公式検索で確認する手順と、実在確認ナビもあわせてご覧ください。費用が払えない場合は法テラスの立替制度と立替基準額を確認できます。今の返済がどうなっているかを整理したい場合は返済の計算ツールを使えます。

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    よくある質問

    「最低弁済額」は法律用語ですか?

    民事再生法の条文にこの語はありません。条文は231条2項で、計画弁済総額が一定の額を下回るときを再生計画の不認可事由として定めています。当サイトはこの記事で「条文上の下限」という言い方をしています。

    下限は1つではないのですか?

    小規模個人再生では231条2項の区分と、174条2項4号(再生債権者の一般の利益=裁判所のいう清算価値)の2つがあります。給与所得者等再生ではこれに241条2項7号の可処分所得2年分が加わります。裁判所も「①…②…かつ、③…」と3つを並べて説明しています(2026年9月2日確認)。

    住宅ローンも総額に含めて計算するのですか?

    民事再生法231条2項2号のかっこ書きは、無異議債権および評価済債権の額の総額から住宅資金貸付債権の額等を除くと定めています。221条1項の5000万円の要件も同様に住宅資金貸付債権の額を除いた総額です。

    返済期間は3年と決まっているのですか?

    229条2項2号は、最終の弁済期を再生計画認可の決定の確定の日から3年後の日が属する月中の日とし、特別の事情がある場合には5年を超えない範囲内で延ばせると定めています。裁判所も「3年間(最長でも5年間)」と説明しています(2026年9月2日確認)。

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    最終更新:2026年9月16日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・裁判所・法テラス・日本弁護士連合会)のみを根拠に作成しています。条文は民事再生法の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。可処分所得の算定に用いる政令の額、清算価値の算出方法、各裁判所の運用は確認していないため記載していません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 消滅時効の援用とは|民法145条・166条の条文と法テラスの説明で「援用が必要」という仕組みを確認する

    消滅時効の援用とは|民法145条・166条の条文と法テラスの説明で「援用が必要」という仕組みを確認する

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    長く放置した借金について「時効」という言葉を見かけることがあります。民法は、時効期間が過ぎたことと、その効果を主張することを別のこととして組み立てています。この記事では、援用とは条文上どう定められているのか、消滅時効の期間はどう規定されているのか、そして期間が進行し直す場面が条文でどう書かれているのかを、e-Gov法令検索の条文と法テラスの公表情報だけで確認します。

    先に断っておきます。この記事は、特定の借金について時効が完成しているかどうかの判定や、その結果どうなるかという効果の断定を行いません。ある債権について時効期間が経過しているかどうかは、取引の経過・請求や裁判の有無・支払いの履歴を突き合わせなければ判断できない個別の法律判断です。それは弁護士・司法書士の仕事です。

    1. 法テラスの説明|期間の経過だけでは消えない

    法テラスの公式FAQは、「消滅時効とは何ですか。」「消滅時効の期間は何年ですか。」の両方の設問に対し、次のように説明しています(2026年9月2日確認・両ページとも同一の本文)。

    債務は、原則として、弁済期(借金や利息の支払期日)から5年を経過すると、時効によって消滅します。

    もっとも、時効期間が経過したからといって、自動的に借金や利息(債務)が消滅するわけではありません。債務を消滅させるためには、時効期間が経過した後に、債務者が消滅時効を援用(一定の事実を自分の利益のために主張すること)する意思表示をすることが必要です。

    ここに出てくる「援用」=一定の事実を自分の利益のために主張することという説明が、法テラスによる援用の定義です。

    法テラス「消滅時効とは何ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-sonota-008.html/「消滅時効の期間は何年ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-sonota-009.html(いずれも2026年9月2日確認)

    2. 条文|民法145条(時効の援用)

    民法145条の原文は次のとおりです(e-Gov法令検索で本則を確認・2026年9月2日)。

    時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

    条文が定めているのは、援用がなければ裁判所が時効によって裁判をすることができないという点です。かっこ書きで、消滅時効については保証人・物上保証人・第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者も「当事者」に含まれると定められています。

    民法(明治29年法律第89号) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月2日確認・本則から抽出)

    3. 条文|民法166条(債権等の消滅時効)

    消滅時効の期間は民法166条が定めています。1項の原文は次のとおりです。

    債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
    一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
    二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

    2項は、債権または所有権以外の財産権について、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは時効によって消滅すると定めています。

    法テラスの説明にある「原則として、弁済期から5年」は、1項1号の枠組みに対応する説明です。どの時点が「知った時」「行使することができる時」に当たるかは、契約や取引の経過によって決まる個別の判断であり、当サイトはその判断を行いません。

    4. 期間が進行し直す・完成しない場面の条文

    民法は、時効期間が単純に経過し続けるとは限らない場面も定めています。関係する条文を、条文の内容のまま挙げます。

    条文定めていること(要旨・かぎ括弧は原文)
    147条1項(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)裁判上の請求・支払督促・民事訴訟法275条1項の和解または民事調停法/家事事件手続法による調停・破産手続参加/再生手続参加/更生手続参加がある場合には、その事由が終了する(権利が確定することなく終了した場合はその終了の時から6箇月を経過する)までの間は、時効は完成しない
    147条2項確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は1項各号の事由が終了した時から新たにその進行を始める
    152条1項(承認による時効の更新)「時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。」
    169条1項(判決で確定した権利の消滅時効)確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年とする
    民法の本則より。条文はe-Gov法令検索で確認できます(2026年9月2日確認)。

    152条1項の「権利の承認」がどのような行為を指すかは条文には具体的に書かれていません。何が承認に当たるかの判断も個別の法律判断です。当サイトは「こうすれば時効が完成する」「これをすると振り出しに戻る」といった行動の指南は行いません。

    5. 過払金の返還請求権にも時効の定めがある

    時効は、支払う側だけの話ではありません。法テラスは、過払金返還請求権の時効について、返還を請求することができることを知った時から5年、または借金の返済を終えた時(貸金業者との取引が終了した時)から10年で消滅すると説明しています。また、完済して現在は取引がない貸金業者に対しても「請求することができます。ただし、過払金返還請求権が時効により消滅している場合は、請求できません。」としています(2026年8月28日確認)。

    この点は当サイトの過払い金とは何か・いつまで請求できるかと完済した借金でも過払い金は請求できるかで詳しく確認しています。

    6. 「時効かもしれない」と思ったときに当サイトが言えること

    言えるのは次の3つだけです。

    1. 民法145条により、援用がなければ裁判所が時効によって裁判をすることはできない=期間の経過と主張は別だと条文に書かれている
    2. 期間の起算点、147条・152条・169条に当たる事情の有無は、取引の経過を見なければ確認できない
    3. したがって判断は弁護士・司法書士に相談する領域である

    相談先を探す段階では、まずその相談先が実在するかを公式検索で確認してください。相談先の実在確認ナビで手順を表示できます。費用面に不安がある場合は法テラスの費用立替制度と無料法律相談の条件を確認できます。SNS上のやり取りだけで相手を本人と判断しないよう日弁連が注意喚起している点、また「債務を整理します」と現金を預かる整理屋について金融庁が注意喚起している点もあわせてご確認ください。

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    よくある質問

    時効期間が過ぎていれば、それだけで債務はなくなるのですか?

    法テラスは「時効期間が経過したからといって、自動的に借金や利息(債務)が消滅するわけではありません」と説明し、援用の意思表示が必要だとしています(2026年9月2日確認)。民法145条も、援用がなければ裁判所が時効によって裁判をすることができないと定めています。個別の状況の判断は弁護士・司法書士にご相談ください。

    「援用」とはどういう意味ですか?

    法テラスは援用を「一定の事実を自分の利益のために主張すること」と説明しています(2026年9月2日確認)。具体的な方法や書面の作り方については、当サイトは個別助言に当たるため扱いません。

    消滅時効の期間は5年ですか、10年ですか?

    民法166条1項は、1号で「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき」、2号で「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき」と定めています。どちらの起算点がいつになるかは個別の事情によります。なお169条1項は、確定判決等で確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものでも時効期間は10年とすると定めています。

    債権者から裁判を起こされた場合はどうなりますか?

    民法147条1項は、裁判上の請求などがある場合には、その事由が終了するまでの間は時効は完成しないと定め、同条2項は、確定判決等によって権利が確定したときは時効が新たに進行を始めると定めています。裁判所からの書類が届いた場合の対応は個別の法律判断になりますので、弁護士・司法書士にご相談ください。

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    最終更新:2026年9月2日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・法テラス)のみを根拠に作成しています。条文は民法の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。過払金の時効に関する記述は2026年8月28日に確認した法テラスの公式FAQに基づきます。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。

  • 免責不許可事由とは|破産法252条1項の11号と2項の「裁量免責」

    免責不許可事由とは|破産法252条1項の11号と2項の「裁量免責」

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    自己破産について裁判所は、破産手続が開始されても債務を当然に免れるわけではなく、債務を免れるには免責の許可を受ける必要があると説明しています。その免責について、破産法252条1項は許可をしない事由(免責不許可事由)を11号にわたって列挙し、同条2項はそれに該当しても裁判所が免責を許可できる場合を定めています。この記事では、その条文と裁判所・法テラスの公表情報だけを根拠に、両方を確認します。自分の事情が免責不許可事由に当たるかどうかという個別の判断はこの記事では扱いません(それは法律相談の領域であり、弁護士・司法書士の仕事です)。

    1. 裁判所の説明|破産手続と免責は別

    裁判所の「破産」ページには次の記載があります(2026年9月2日確認)。

    破産手続開始時点の債務は、破産手続が開始されても、当然に返済を免れるものではなく、債務を免れるためには免責の許可を受ける必要があります(個人を債務者とする破産手続の申立てがあれば、原則として免責許可の申立てもあったとみなされます。)。ただし、破産をすることになった事情に浪費や詐欺行為などがある場合には免責の許可が受けられないこともあります。

    裁判所の民事事件Q&Aでも、「破産手続開始の決定がされた場合、債務はどうなるのですか。」という設問に対して、免責許可の申立てをして免責許可の決定がされる必要があること、免責許可の決定により税金や罰金、養育費などを除いて返済を免れること、そして「免責不許可事由がある場合には、免責の許可が受けられないことがあります。」と説明されています(2026年9月2日確認)。

    裁判所「破産」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_16/index.html/裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html(いずれも2026年9月2日確認)

    2. 条文の構造|「該当しない場合には、免責許可の決定をする」

    破産法252条1項の柱書は、次のように定めています(e-Gov法令検索で本則を確認・2026年9月2日)。

    裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

    条文は「該当したら不許可にする」ではなく、「いずれにも該当しない場合には許可の決定をする」という書き方になっています。そのうえで、後述する2項が例外を定める構造です。

    3. 破産法252条1項が列挙する11の事由

    号条文の要旨
    1号債権者を害する目的で、破産財団に属し、または属すべき財産の隠匿・損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと
    2号破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、または信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと
    3号特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的または他の債権者を害する目的で、担保の供与または債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、またはその方法・時期が債務者の義務に属しないものをしたこと
    4号「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。」
    5号破産手続開始の申立てがあった日の1年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと
    6号業務および財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、または変造したこと
    7号虚偽の債権者名簿を提出したこと
    8号破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、または虚偽の説明をしたこと
    9号不正の手段により、破産管財人・保全管理人・破産管財人代理・保全管理人代理の職務を妨害したこと
    10号次のいずれかの日から7年以内に免責許可の申立てがあったこと=①免責許可の決定が確定した日②民事再生法239条1項の給与所得者等再生における再生計画が遂行された場合の再生計画認可の決定の確定の日③民事再生法235条1項の免責の決定が確定した場合の、その免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
    11号破産法40条1項1号、41条、250条2項に規定する義務その他同法に定める義務に違反したこと
    破産法(平成16年法律第75号)252条1項各号の要旨。かぎ括弧内は条文の原文です。

    破産法(平成16年法律第75号) https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075(2026年9月2日確認・本則から抽出)

    法テラスによる同趣旨の説明

    法テラスの公式FAQは、「自己破産で免責決定がされないのは、どういう場合ですか。」という設問に対して、「次のような場合が考えられます。」として次を挙げています(2026年9月2日確認)。

    1. 財産を隠したり、壊したりする。
    2. 財産を不当に安い対価で手放してしまう。
    3. ギャンブルや過度な買い物や飲食で債務を負った。
    4. 他の債権者に支払いができないのに、家族や親友、一定の債権者だけに偏った弁済をする。
    5. 裁判所に一部の財産を申告しなかったり、虚偽の書類を提出する。
    6. ローンで買ったものを安く処分する(「買い物枠を現金化」などの広告をしているいわゆる「買取屋・換金屋」の利用)
    7. 過去7年に給与所得者等再生、破産手続で免責を得ている。
    8. 返済することができないことを知りながら、借金をする。

    法テラス「自己破産で免責決定がされないのは、どういう場合ですか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-011.html(2026年9月2日確認)

    4. 「裁量免責」=破産法252条2項

    1項各号に当たれば直ちに免責が受けられないと決まるわけではありません。同条2項は次のように定めています(原文)。

    前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。

    この規定が一般に「裁量免責」と呼ばれています。条文上は「裁判所が……相当であると認めるとき」に「できる」と定められた規定であり、どのような場合に許可されるかの基準は条文には書かれていません。当サイトはその見通しについて述べません。個別の事情がどう評価されるかは、弁護士・司法書士にご相談ください。

    なお同条7項は「免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。」と定めています。法テラスは手続の流れとして、免責許可決定が官報に掲載されてから2週間が経過した時点で免責許可決定が確定する、と説明しています(2026年9月2日確認)。

    法テラス「自己破産の手続について教えてください。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-003.html(2026年9月2日確認)

    5. 免責の許可が確定しても残るもの|破産法253条1項

    免責不許可事由とあわせて確認しておきたいのが、免責の対象にならない債権(非免責債権)です。破産法253条1項は、免責許可の決定が確定したときは破産者は破産債権について責任を免れると定めた上で、ただし書で次の請求権を除外しています(要旨)。

    1. 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く)
    2. 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
    3. 破産者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(2号を除く)
    4. 夫婦間の協力・扶助の義務、婚姻から生ずる費用の分担の義務、子の監護に関する義務、扶養の義務、およびこれらに類する契約に基づく義務に係る請求権
    5. 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権および使用人の預り金の返還請求権
    6. 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く)
    7. 罰金等の請求権

    法テラスの公式FAQも、「免責許可決定が確定しても、破産法253条で定める次の非免責債権については、免責されません。」として同趣旨の7項目を挙げています(2026年9月2日確認)。

    また同条2項は、免責許可の決定は破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利および破産者以外の者が提供した担保に影響を及ぼさないと定めています。

    法テラス「免責許可決定が確定すると、すべての債権は免責されるのでしょうか。」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-hasan-010.html(2026年9月2日確認)

    6. この記事で扱わないこと

    自分の事情が1項各号のどれかに当たるか、当たるとして2項の適用がどうなるかは、経緯と資料を見なければ判断できない個別の法律判断です。当サイトはそれを行いません。手続そのものの位置づけは自己破産とはと債務整理の4つの方法で扱っています。費用については法テラスが公表する立替基準額と、自己破産の予納金が立替の対象外である点を別記事で確認しています。相談先を探す段階では、まず実在するかを公式検索で確認してください。

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    よくある質問

    免責不許可事由に当たると、免責は受けられないのですか?

    破産法252条2項は、1項各号に該当する場合であっても、裁判所が破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは免責許可の決定をすることができる、と定めています。どう判断されるかは個別の事情によります。当サイトは見通しを述べません。

    「7年以内」というのは何の期間ですか?

    破産法252条1項10号が定める期間です。過去の免責許可決定の確定日など、条文が定める日から7年以内に免責許可の申立てがあったことが、同号の事由として挙げられています。法テラスも「過去7年に給与所得者等再生、破産手続で免責を得ている。」を挙げています(2026年9月2日確認)。

    免責が許可されれば税金も対象になりますか?

    破産法253条1項ただし書1号は租税等の請求権を除外しています。裁判所の民事事件Q&Aも、免責許可の決定により「税金や罰金、養育費などを除いて」返済を免れることになると説明しています(2026年9月2日確認)。

    保証人はどうなりますか?

    破産法253条2項は、免責許可の決定は破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利に影響を及ぼさない、と定めています。

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    最終更新:2026年9月2日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・裁判所・法テラス)のみを根拠に作成しています。条文は破産法の本則から抽出しており、附則・改正規定は使用していません。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。

    本記事は法律相談ではありません。個別の状況は弁護士・司法書士にご相談ください。